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魔王様はハッピーエンドを熱望する。  作者: 裏子
プロローグ
1/4

敗者は草葉の影から神を呪う

ああ、また、負けたのか。

暗闇のなか、目覚め、呟く。

だが、聞きなれた声は響かず、ただ唇だけが動いた。


・・・・だが、成功したようだ。 

俺は、声を紡ぐ事の出来ない唇を歪め、笑みを結ぶ。

俺の、勝ちだ。

指は・・・・動く。

手足は・・・・感覚はあるが、伸ばすにはココは狭い。

取り敢えず明かりを灯そうか?

『光を』

使いなれた公式を組み、人差し指を軽く動かす。

が、光量に変化は見られず、瞳には何も写らない。


これは、計算外だ。

少し眉を潜め、ため息をつく。

だが、唇からは吐息は漏れない。

肺を充たしているのは、空気ではないのだから。


先人が作り出した『転生』の秘術。

魂と記憶を新しい命に上書きをする。

死に瀕した際に展開する事で効果を発揮し、魂の不死を現実のものとした。

だが、これには幾つもの欠点があった。

高すぎるリスクと難易度。

だから、書き換えをしたのだが・・・・・


やはり『転送』には未だ改善の余地がある。

今回は時間が足りなかった。

造り出した器が成熟する前に戦いがはじまり、そして、敗北した。

転送まえに最後に見たのはニヤニヤと笑う奴の顔。

ああ、あれが世界の神だと言うのだから本当に救われない。

「君、ウザイよ。今度産まれてくるときはもう少し素直になりなさい。じゃあまた、機会があれば。」

ヒラヒラ手をふり、文字どおり捻り潰された。

イラつく。

絶対に、許さない。

奴だけは、絶対に。


肉体を失った俺は、器に無事転送を果たした。

が、しかし。

眼が覚めてからいままで、確認出来たことが2つある。

まず、器が成熟していない。

俺自身の肉体を骨格から複製し、肉付けしていたが、未だ培養液に漬かったままだ。

これは、肉体が覚醒まで時間がかかる事を示しているし、仮に無理に動けば肉体が崩れる危険もある。

そして、計算以上に、魂が疲弊している。

簡単な公式、光さえ作り出せない。

それどころか、世界を充たす魔素さえ感じる事が出来ない。

まあ、一度死んだんだから、当然か。

たった2つの問題だが、これで詰んだ。

今の俺にできるのは、ただただ休息と睡眠だけ。

共にいたはずのアイツらも似たようなものであろうし、ただただ、微睡みのなかで時を待とう。


目覚めの時。


それから、反撃の狼煙をあげるのだ。









すぐに落ちていく眠りの中で、奴の言葉を思い出す。

「きみは、失敗したよ。」

ファンタジーが元来好きで、最近転生ものにはまって、悪役令嬢にときめいて、練り練りしたらなんか、書きはじめてみました。ら、なんかファンタジーは隠し味になりそうです。

よろしくおねがいします。

拙い点が多々あるかと思いますが、お楽しみ頂けると嬉しいです。

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