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俺とジジイと貧乏生活  作者: Mr.OKB
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part6喫茶店Favaorite Things開店前

「今日も一日頑張るか、どうせ客は来ないだろうけどな」

 ここまで雪が積もっているのだ、客は来たくても来れないだろう。

 俺は喫茶店Favaorite Thingsに入店した。

 この店の看板にはコーヒーカップ、猫、拳銃、コイン、オープニングスタッフのFavaorite Things和訳すると好きなものが描かれている。

「おはよう、雪の中よく来たね」

 カウンターの中にいた店長が俺を迎えた。

「おはようございます店長」

「今日はお客さん、少なそうだね」

「少なかろうが何だろうが時給分働かせてもらうぞ」

「流石、金の亡者だね。独田君」

「俺の身の上を知っての発言か?」

「ごめんごめん、ジョークだよ、ジョーク」

 俺が店長を睨みつけると、店長は怯えたように謝った。

 店長の名前は天涯勝彦あまがいかつひこ年齢四十歳、厨房を担当していて、この店の評判は半分以上彼の料理によるものだ。

「そうか、今日もよろしく」

「じゃあ、着替えてきてね」

 控室に入ると、一人の男が着替えていた。

「よう、鳥栖」

「何だ、独田か」

 彼の名は鳥栖露手とりすろて背が高く筋肉質な風貌に似合わず厨房を担当している。

 そして俺の学校の同級生だ。

「よくここまで来れたな、この雪で電車は全てマヒしているだろうに」

「僕には独自の交通網があるんだよ。お前だってどうやって来たんだ?」

「お前の言葉を借りれば俺も独自の交通網があるんだよ」

 セガンに乗って来たから厳密にいえば交通網ではないな。

「お前は今日丸一日バイトだっけ?」

「今日から冬休みだ、毎日バイトして金を稼がなきゃいけないんだ」

「流石は金の亡者だな」

 鳥栖は店長と同じことを言った。

「お前まで言うか」

 金の亡者と言うのは俺のあだ名だ。

 どうやら金を稼ぐために毎日バイトをいれて働き、友達付き合いの悪い俺をクラスの人間が名付けたのだ。

 俺にとってバイトをいれまくり金を稼ぐのは生きるためであり、仕方のないことなのだが、クラスの人間は気に入らないらしい。

「悪かった。ほら、今日の新聞だ」

 俺に謝った鳥栖は今日の新聞を投げてよこした。

 新聞を読まない俺でも社会情勢はチェックしておくべきだと思い、鳥栖の家の新聞をもらっているのだ。

「さて、今日の記事は何だろ」

 俺は新聞を読み始めた瞬間にまずいと思った。

「一般男性、夜中に襲われる。コンビニ強盗」

 俺が昨日殺そうとしてセガンに邪魔された件とセガンが俺にドア台を弁償するために起こした強盗事件の事だ。

「ああ、その強盗事件お前の住んでる町で起こったらしいぞ。物騒な世の中だな」

 俺の見ている記事を見た鳥栖が話しかけてくる。

 物騒も何もその犯人俺の家にいるんですけど。

「そんなの見りゃわかる。他の記事は・・・」

 俺はさらりと話題を変えるために別の記事を探し始めた。

 あ、この記事なんか話題にはいいんじゃないだろうか。

「またテロが起きるようだな。このテロ組織は人殺しをしないが政府がする国民にとって不利な出来事に抗議するテロを起こし、かなり国民に迷惑をかけるんだ。多分消費税増税に抗議してテロを起こすんだろう。あれ、鳥栖?鳥栖?あいつどこ行ったんだ?」

 いつの間にか鳥栖が姿を消していた。

「ごめん、トイレに行っていた。何の話だっけ」


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