part44ミレーの秘密基地
どうも、Mr.OKBです。
今回はミレーの絵の秘密を書きました。
ミレーは結局何者なので、どんな魔法を使うのでしょうか。
ではごゆっくりどうぞ。
家が大破している。
目の前には青い顔をした爺さんと片手で抱えられたミレーがいる。
「すまん、止まりきれなかった」
「ごめんね」
事情を聴くと、爺さんはこちらに来た俺を見て嬉しくなり、すでに家の前に来ていたのにスピードを上げた。
結果、俺の居住空間は壊され、跡形もなくなった。
「爺さん、俺は家で調べたいことがあったんだが?」
「何を調べようとしてたんじゃ?」
「この世界は二十年前の姿らしいから、俺の家があるのはおかしいんだ。で、爺さん見つけたから合流するついでに確認しようと思っていたんだ」
跡形もなくなってしまえば確認のしようが無いが。
「それは悪かったのう。じゃが、いい知らせがあるぞ」
「いい知らせとは?」
「この子じゃ、この子はわしの世界の未来から来たらしい」
「未来というと?」
「未来は未来だよ、アタシは君の事も知ってるよ。独田くん」
ミレーが俺をしっぽで指さす。
「アタシは今から何百年後にアタシの育て親のおとうさんに出会ったの。で、おとうさんのおとうさんで、六百八十歳のおじいちゃんにも出会ったの」
話がやたらややこしいんだが。
「おとうさんはおじいちゃんが異世界にもう一度行きたいっていう願いを叶えるために異世界に行く研究を三百年以上やったんだけどアタシが引き継いだの」
「爺さんはどうなったんだ」
「おじいちゃんは一度こっちに来て、君のお墓参りをしたら満足したみたい」
え、俺死んでるの?それもそうか、だって何百年後の世界だ、死んでるよな。
「それからアタシは色々な異世界を巡って絵を描いてるんだ。ほら、この中にあるんだよ」
彼女はポケットから一枚の絵を取り出した。
「お主、昨日から思っとったが、あほの子というやつか?」
その絵は、レンガ造りの蔵が描かれている。
「あほじゃないよ、この中にあるんだもん」
「ただの絵じゃろうが」
「爺さん、とりあえず見てみようじゃないか」
「お前がそう言うならそうしよう」
「じゃあ行くよー、ピクチャートランジション」
彼女が呪文らしき言葉を唱えると、次の瞬間俺達はレンガ造りの蔵の前に居た。
「どこじゃここは?」
「アタシの秘密基地だよ、ここにはアタシの描いた絵がたくさん置いてあるんだ」
彼女は蔵の扉を開いた。
確かに中には大量の絵が飾られている。
それはまるで美術館のようであった。
「ほら、これはアタシの最初に書いた絵だよ」
彼女はしっぽで一枚の絵を持って来た。
「うん?これはわしじゃな」
「残りの五人は誰だろうな」
その絵には少し老けたような爺さんが描かれており、その周りに五人の人物が描かれていた。
生え際が後退している男、銀髪で虫のような羽の生えた男、白衣を着た眼鏡の男、赤毛の女、中年の女。
「この男はわしに似ておるのう」
爺さんは絵の中の人物の一人を指さす。
その男は生え際が後退し、髭の形が違って片目が無いこと以外は爺さんと同じ姿だった。
「それおとうさん」
「たーしかに、わしの息子といわれても違和感が無いのじゃが」
「この男はまるでロボットじゃないか」
俺は銀髪の男を指さす。
拳と歯は鉄色、目は両目の色が違い、左目に至ってはド○○ンボールのスカウターのような物がついている。
だが、さらにロボットっぽいのは肩からガンキャノンみたいな物がついていることだ。
「それおにいちゃん」
「こんな人外が兄だなんてどうなってんだ」
「おにいちゃんはね、とっても強いんだよ。空を飛べるし、口と目と胸と背中からビーム出せるし、手を飛ばすこともできるんだよ」
やっぱり人外じゃないか。
「あれ?なんで草が燃えてるんじゃ?」
窓の外を見ると草むらが燃えている。
「あ、まずい。ピクチャートランジション」
ミレーが慌てたように呪文を唱えると、俺達は灰色の世界に戻ってきていた。
「グゥゥ」
「なぬ?」
何故だかわからないが目の前で燃える犬が威嚇するように俺を睨んでいる。
「アタシの絵を燃やすな!」
「キャウン!」
犬はミレーのしっぽによって串刺しにされ、投げ捨てられた。
「あれはヘルベロスじゃな」
「ヘルベロス?」
「ケルベロスの同種で、首が一個しかない燃える犬じゃよ。わしらの匂いを感知してここに来たんじゃろうな」
「アタシの絵が、こんなになってる」
彼女は蔵の描かれた額縁を拾った。
ヘルベロスの炎に触ったのか端の所が少し焦げてしまっている。
「かわいそうに。でも仇は取ったな」
爺さんは彼女の頭をなでる。
「ううん、まだ仇は取ってないよおじいちゃん」
「どういう事じゃ?」
「この世界が悪いのよ、こんなにモンスターがたくさんいるのに誰も討伐しないなんて、アタシはこの世界にはびこるモンスターを全て消すまで仇を取ったとは思わないね」
何言ってんだお前は、この世界には人がいないんだぞ。
「でもこの世界にどのくらいのモンスターの数がいるのかわからないからそれは難しいだろう」
「あっ、それもそうね」
「そもそもこの世界には何故モンスターがいるのかもわからんからのう」
「原因なら知ってるぞ。都庁周辺に何かあった」
「なぬ?何故それを早く言わん?」
「すまない、忘れていた」
爺さんと再会したことやミレーのことですっかり忘れてしまっていた。
「ふむ、では都庁へ向かうぞ。我が孫の言う通りならばそこに元凶がいるじゃろうしな」
「行くよ、おじいちゃん!」
「おう!」
「「うおおおおおお!」」
二人はすごい速さで都庁に向かって飛んで行ってしまった。
「こっちの戦力はたったの三人だぞ、大丈夫なのか?」
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この物語はフィクションです。
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