part43テロリスト(父親)
どうも、Mr.OKBです。
やっとゴミ以下のテスト期間が終わり、事情によって暇なので更新します。
今回は一人の男が行方不明になったせいで親が出てきました。
少々過激な要素がありますが、それでもよろしい方はお読み下さい。
その頃、普通の世界では・・・。
「美術の授業中に鳥栖露手、独田孤軍、独田セガンの三名が姿を消しました!」
教頭がドアを乱暴に開けて校長室に入って来る。
「やかましい!俺は今モンスター娘コレクションの最中・・・?今鳥栖露手がいなくなったとか言ったな」
椅子に座っていつものようにゲームを楽しんでいた校長は顔色を変えた。
「はい、言いました」
「いいか、今すぐ探せ。教師を総動員して探せ」
「はっ!」
それから一時間、三時間、五時間と時間が過ぎたが三人は見つからない。
「教頭、今すぐ生徒全員を講堂に集めろ」
「わかりました!」
校長は棚から埃の被った電話機を取り出して接続する。
「全く、なんでテロリストの子供なんか引き受けたんだ。親に電話する時もこうしなきゃいけないなんて面倒でしかない」
校長室には二つの電話回線があり、通常用とテロリスト用に分けられているのである。
「もしもし、俺だ。鳥栖素代殿を呼び出して欲しい」
「後都校長、ただいま我らが大ボス様は韓国の拠点に出掛けております。御用でしたらこの露手様の側近の苫木がうかがいますが」
「苫木君、君の主人が行方不明だ」
受話器の向こうで大きなものが倒れた音がした。
「わかりました。今すぐ対処します」
「よろしく。・・・・・・はあ」
校長は受話器を戻し、椅子を立ち、講堂に向かった。
「とても腹が立つが、五日間この学校は休校とする。クラブ活動だろうが何だろうが絶対に学校に入るな」
文化祭の前なので生徒は反発したが、一人の女生徒は違う感情を持っていた。
「こー君達、どこに行ったんだろう?」
しかし、彼女には何が起きたのかわかるはずが無い。
「きっと帰って来るよね」
彼女は彼らが無事に戻ることを祈るしか無かった。
生徒が強制的に帰らされ、午後八時に校長と同年代の男が対話していた。
「鳥栖殿、この学校にはもう誰も入れないように手配しました。後は勝手にどうぞ」
「そうか、すまないね。後都殿」
和服を着た身長百八十センチほどの中年男性が校長に礼を言う。
この男は鳥栖素代、世界一のテロリストといわれる男で、鳥栖露手の父親である。
「いえいえ、高校、大学時代の同級生ではないですか。それに二十年前の事件以降、校長の座に就けたのは鳥栖殿のおかげですからな」
「そうか、じゃあ俺は帰りますので。五日間ごゆっくり」
校長は鳥栖を残して帰っていく。
「苫木、いま探させているんだな」
素代は後ろに待機させていた苫木に質問をする。
「はい。東京にいる組織員を総出で探させております」
「そうか、とっとと見つけ出せ」
さて、もう一人彼らを探している悪魔がいた。
「師匠と弟子はどこに行ったんだ?この僕に探させるなんて言い度胸じゃないか」
ダシュトである。
「夜なのに人が多いな」
まったく、飯の時間になっても帰って来ないなんてどうしたんだ。
それに人目が多いから下に降りて探すことができない。
上空から二人を探しながら、僕はあることに気づいた。
「まさか僕と同じように誰か探しているのか?」
静かに地面に降り、一人の男の背後の壁に隠れる。
「おい、そこにいるのは誰だ」
その男は懐から拳銃を出し、僕に向けた。
「おや、まさかばれてしまうとは」
両手を挙げ、男の前に出てみる。
「お前は誰だ」
「ダシュト・I・カリヨット。悪魔だ。僕は独田孤軍とセガン・F・プリズンという男を探しに来たんだよ」
「セガン?・・・そうだ、私達の拠点を急襲した老人で今は露手様の友人だという男か」
「君が探しているのは僕の弟子の友人だね」
先日弟子と戦った男を思い出しながら尋ねる。
「露手様と呼べ」
忠誠心がすごい奴だな、この僕は師匠を様付けしたりしない。
「そうと分かれば話は早い、手を組まないか?」
片手を差し出す。
「手を組む?悪魔とか?」
「僕には弟子たちがどこに行ったのかはわからないけど君たちには気づけない痕跡を見つけられる。君は僕の力を借りた方が主人を見つけやすいと思うけどな」
「なるほど、手を組もう。私は苫木だ」
「よろしく、苫木とやら」
苫木は僕の手を握り返した。
手を組んだ二人は三人が消えた森に入った。
「ここだ、何か禍々しいものが出てる」
池の小島にある石碑から禍々しいエネルギーを感じる。
「ダシュト君、からかってるのか?」
「苫木とやら、人手はどのくらいある?」
「八人しかいないが、それがどうした」
「池の中に何か沈んでる。潜りたいところだけど、僕は泳げないんだ」
苫木は池の中を懐中電灯で照らし、うなづいた。
「君の言う通りだ、今すぐ潜水道具を持ってこさせよう」
彼は変な箱を取り出し、誰も居ないのにしゃべり始めた。
「こちら苫木、森に集まれ」
「何それ?黒い箱にしか見えないだけど」
「こいつはな、トランシーバーと言って離れたところにいる仲間に連絡することのできる機械だ」
「念話みたいなものか、えっ、ちょっとそれすごくない?」
信じられない、僕らの世界では一部の種族しか使えない念話を何の魔力も持たない奴が普通に使えるなんて。
「そんな技術は僕には考えられないよ」
「そうだろう、露手様は魔法を使うお前の弟子に負けたが、我らの部下が作る最高の技術が詰まった装備が完璧だったならきっと勝っていたに違いない」
「苫木様!」
トラックという名の動く鉄の箱に乗って少数の男達がやって来た。
「おい、すぐに潜るぞ」
「待て、俺が先だ」
「露手様の為なら、この僕が行くぞ!」
なんだこいつら、馬鹿なの?
「どけい、我が息子の為ならばこの素代が行くぞ!」
トラックの後ろから一人の男が飛び出し、池に飛び込んだ。
「素代様に続けー!」
いつの間にか潜水服とかいうのを着た彼は懐中電灯片手に池に飛び込む。
「「「「おおぉー!」」」」
さらにそれを同じ服を着たたくましい男たちが追っていく。
「なんかいいな、あれ。かっこいい」
一人の勇者を仲間が追っていく、昔話に出てきそうな状況だ。
悪魔の身でありながら少し憧れてしまった。
「さて、僕もこれを調べるかな」
目の前の石碑を見つめる。
「1998年、○○○ここに鎮まる。石碑を動かすこと無かれ、再び災いが降りかかる」
名前の部分がかすれて解読不能だけど、これ師匠絶対に動かしただろ。
そうでもしないとこの世界で人が消えるなんて現象は起こらない。
「ダシュト君、こんなものが沈んでいたぞ」
水面から苫木が出てきて、びしょびしょになった絵の道具を見せて来た。
「苫木とやら、師匠たちがいなくなった原因が分かった」
絵の道具を受け取り、見つめる。
まったく、僕の平穏な日常はどこへ行ったんだろう?蘇ったから余生をこの世界で満喫しようとしてたのに。
「原因?」
「この石碑を動かしたからだ」
「馬鹿な、そんな非科学的なことがあるわけない」
「目の前の存在がすでに非科学的存在であることはわかってるよね」
「な、それは本当か?」
「ここから明らかに別次元のエネルギーが漏れ出てる。こんなの異世界へのゲート以外考えられない」
師匠たちが動かし、誰かが気付かずに元に戻してしまったのだろう。
動かせば一時的にゲートが開き、少しの間消え、今度はより大きなゲートを作ろうとエネルギーの再重鎮が始まる。
その再重鎮の間に誰かが元に戻したのだと僕は推測した。
「漏れ出ているエネルギーには僕のいた世界のモンスターのものが含まれている。あっち側はモンスターが大量にいる」
師匠から聞いていたモンスターが消え、こちらの世界にいるという事が無かった今、あちらの世界に全て流れ込んだと考えるのが自然だろう。
「ちょっと待ってください。モンスターとは何の事ですか?」
僕はその場の全員の前で自分の正体と自分の世界の事、そして今回の事象の考察を述べた。
「なるほど、ダシュト殿の考察からするに、我が息子はその危険地帯にいるという事だな」
「一応師匠もついてるので大丈夫だと思うけど、絶対とは言いきれないなぁ」
「そうか、バケモノの本拠地に我が息子が」
鳥栖の父親らしいこの男は少し考えた後、そばにいた苫木に尋ねた。
「苫木、日本の君達の戦闘力はどれくらいだ?」
「戦闘員だけを言いますと、四百五十、全国五十の拠点に潜伏させていますので東京には九人しかいません」
苫木がスラスラと答えると、男はもう一つ問いを出した。
「そうか、我々の組織全体の人数は何人だ?」
「世界全体の人数で六万を超えます」
「わかった。全員集めろ。この学校に六万人の収容は少し大変だが、妻やもう一人の息子も呼び出し、あちら側に六万の兵力で攻め込む」
え、こいつ何言ってんの?モンスターの大群相手に六万の軍勢で勝てると思ってんの?
「素代様、それはちょっと無理があります。まず入り口が」
初めて苫木が反論した。
「石碑を動かしてもう一度大きな穴を開ければいいだろう」
確かにそうだが・・・。
「食物が・・・。六万人分は多すぎます」
「日本の全ての施設からかき集め、近海の拠点からもすべて集めろ。最悪予算を使いきってもいい。一か月分は用意しておくように」
「武器が・・・」
「日本中の全ての拠点から集め、ここに持ってこい。運ぶ時はテロを起こして混乱させるんだ」
「そもそも帰る手段が・・・」
「最悪向こう側で死んでもいい。我が組織の人間は我に忠誠を誓っている。死んでも我のために死んだと思えるだろう。お前もそうではないか?」
「当然です。でも、露手様が生きているかどうか・・・」
「我の息子はそう簡単には死なない。そうだろう、ダシュト殿」
いきなり話を振られた。
「確かにあいつしぶといから、生きると思う」
「わかりました、すぐに手配します」
ついに折れた苫木は、携帯電話を片手に仲間の所に行ってしまった。
「本当にできるの?」
「まあ見ていろ、我が組織の総力をな」
次の日、日本各地で爆発が起こり、学校には大量のトラックが来て物資を搬入し、夜には六万人の屈強な人々が学校に集まった。
彼らは校庭にびっしりと集まって彼の演説を聞こうと静かに待っていた。
「諸君、我の為に一日でよくぞ集まってくれた。我は感謝の心で胸がいっぱいである」
一際高いところに立った素代は、光に照らされながら演説を始めた。
「先日我の息子が行方不明になった、そしている場所は化け物はびこる異世界だ!諸君らにはそこで息子を助ける手伝いをしてもらいたい」
彼は深々と頭を下げた。
その行動と、発言に六万人の人々がざわめく。
当然だろう、いきなり異世界に行けと言われ、自分たちの長が頭を下げたのだから。
「我々は、数十年前に活動を始め、今では世界が怯える最強の集団だ、我々に倒せない敵などいない。現に、一日で六万人分の食料と武器を用意することが出来た」
彼は大げさに身振り手振りをして、六万人の部下を虜にしている。
「そして、先月我々は核爆弾と同威力の爆弾を完成させた!実験は出来ないが、量産すれば我らが世界を統べるであろう!ここは異世界で爆破実験をし、さらに副産物として未知の物資を持ち帰り、さらなる力を得ようではないか」
彼はそこまで言い終わった後、声の大きさを落とし、
「もしかしたら帰れないかもしれない、だが、諸君らは我と共に死ぬ覚悟があるものばかりだ。その覚悟が無いものは今すぐにここから立ち去るがいい。死ぬ覚悟がある者は大声で士気を高めるんだ!」
だんだん大きくしていった。
それに感化されたのか次の瞬間、校庭が男達の咆哮で包まれた。
彼をたたえる声、意思を伝える声、やってやろうという声。
「そう、我らは最強だ。異世界でも我らの兵器の前にひれ伏させて見せようぞ」
彼は両手を大きく開き、右の拳を握って上に掲げた。
「もう一度だ、士気を高めろ!」
またも校庭が咆哮で包まれる。
その声を聞いた彼は満足そうに
「お前たちの気持ちはよく分かった、ならば今日は各隊の場で睡眠を取り、明日の出撃に備えろ」
と、演説を終わった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この物語はフィクションです。
この小説は不定期投稿です。
毎日投稿したり、同日投稿したり、一週間に一度しか投稿しないこともあります。
ご了承ください。
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ではまた次回お会いしましょう。




