part31ダシュトとの空
どうも、Mr.OKBです。
今回はセガンの弟子、ダシュトを主体としたお話です。
ダシュトとセガンの関係についてはpart15で読めばだいたいわかると思います。
復活した大悪魔は当時、何を思っていたのか?
どうぞ、お楽しみください
「すいません。つい頭に血が上ってしまって」
放送室内でセガンは校長に謝っていた。
「ふん、俺に逆らった職員はお前が初めてだよ」
校長はセガンに殴られた頬をさする。
「だが、その度胸は気に入った。だから俺は考えを改めたのだ」
「反省します」
「来い、セガン。今日一日俺の警備を頼んだんだ。反省するなら俺の傍に居ろ」
校長は放送室を出て行き、セガンもそれを追いかける。
「わしの学校にもセガンという名前の奴がいるんだが、知り合いか?」
「いえ、赤の他人です」
セガンは自分がその人物だなどといえるはずがない。
「そうか。ちょっと今から議員と会うんだ、テロリストに狙われているらしいから俺がとばっちりを受けないようにしっかり頼む」
校長は背伸びしてセガンの肩をポンと叩いた。
「了解しました」
校長の放送の後は何事もなく授業が進み、帰りのHRが終わった。
今日驚いたのはダシュトが初めて見るはずの公式などをいともたやすく使いこなし、授業についてきているという事だ。
「セガン、帰るぞ」
俺はダシュトを連れて屋上に向かう。
「もう元に戻って良い?」
「いいぞ、他に誰もいないしな」
「やった。これ窮屈なんだよね」
一瞬で爺さんの姿が、ダシュトの姿になる。
「で、君また飛んで帰るつもり?」
「そうだが、何か問題でも?」
「止めといたほうがいいよ。今の君は魔力が少ないし、技術もない。せいぜい空中で元に戻って落ちるよ」
今度は悪魔化したダシュトが腕組みしながら言った。
「そんな馬鹿な、俺は悪魔に乗っ取られた時にコツを掴んだはずだ」
「それは勘違いだね。朝の魔力消費を抑える発想は良いけどそれ以外はダメダメだ。今も魔力が漏れてるんだもん。その変身も長続きしないよ」
まるで先生のように俺の欠点を指摘してくる。
「セガンから聞いたけど悪魔に乗り移られたんだってね。相手の悪魔はプロだから君の体でも戦えたんだよ」
「じゃあ、これではまともに空も飛べないのか」
「そうだね、飛べなくはないけど長続きしないね」
少し残念だが、悪魔としても魔法使いとしても上級者なダシュトのいう事は本当なのだろう。
悪魔化したからといってその力を使いこなせなければ意味が無いのだ。
よく小説に出てくるチート能力とは違うのだ。
「ほら、背中に乗りな。家まで連れていくよ」
俺は無言で背中に乗った。
「しっかりと掴まりな」
ダシュトは飛び上がり、空を一直線に飛ぶ。
セガンとは違い、背中は広くないがスピードがあった。
「ダシュト、何故悪魔になったんだ?」
唐突に話しかけた。
「いきなりなんだい?僕が悪魔になった理由を知りたいのかい?」
「ああ、不思議に思ってな」
「いいよ、教えてあげる」
俺はダシュトから色々な事を聞いた。
爺さんに憧れて弟子入りしたこと、順調に強くなっていったが爺さんほどの強さは得られなかったこと、町の人々にその強さと優しさから慕われていたこと。
「僕はせかっちだったんだ。十歳の時に弟子入りして二十歳になった時、師匠は僕が来た時よりも数倍強くなっていた。僕は焦りました。いくら追いつきたいと思っても追いつくどころか先に行ってしまう。そこで僕は一気に強くなる方法を考えた。そこで見つけたのが悪魔の力。これさえあれば近づけると思った。それで魔王軍に近づいたんです」
ダシュトの声がだんだんと小さくなっていく。
「魔王軍の幹部に力を見せ、頼むとすぐに悪魔化させてくれました。僕は力を得た喜びで調子に乗り、我を忘れて大量の人を殺し、町を焼きました」
この辺は爺さんから聞いたとおりだが、少しだけ違っていた。
「そして師匠に挑んだのです。僕は最初は優勢でしたが、本気を出した師匠にはかなわず倒されました。こんな・・・・・・・・・感じですかね」
少し悲しそうに、そしてなぜか嬉しそうだった。
「何故少しうれしそうなんだ?」
「僕が復活したとき、師匠は僕を泣きながら抱きしめてくれました。それが嬉しかったのです」
「なあ・・・・・・・・・ダシュト、俺に魔法を教えてくれないか」
俺は少し考え、言った。
爺さんとダシュトの師弟関係がうらやましくなったのだ。
「師匠の方が教えるの上手いですよ」
「爺さんは悪魔の魔法を知らない。それならば悪魔の魔法を知っているお前に頼んだ方がいいと思った」
「そうですか、僕に弟子入り・・・師匠に自慢できるかもしれません。いいでしょう、ならば頑張ってくださいね」
そう言うと、ダシュトは俺を振り落とした。
「何をするんだダシュト!」
「師匠の教え方です。そのまま地面に落ちないように頑張ってください」
「はあぁ?」
「ほら、早くしないと死にますよ」
ダシュトはにやにや笑いながら俺を見下ろしている。
どうやらとんでもない悪魔に弟子入りしてしまったようだ。
俺は悪魔化し、上昇しながらそう思った
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この物語はフィクションです。
この小説は不定期投稿です。
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次回のpart32はセガンの出世を描く予定です。
では次のpart32でお会いしましょう。




