part26セガンの愛弟子
この小説は不定期投稿です。
毎日更新したり、同日更新したり、一週間に一回更新したりしますが、ご了承ください。
感想や評価等をくれるととても嬉しいのでお願いします。
累計アクセス数が1000人を超えました。いつも読んでくれる方々には感謝します。
家に帰ったが、バイトまでまだ一時間程時間があるのでゆっくりとお茶でも飲むことにした。
「孫よ、少し頼みごとがあるんだが」
「何だ爺さん」
お茶を飲みながらじいさんが話しかけて来た。
「悪魔の姿になってこれを持ってみてくれんか」
そう言って懐から小さなトライデントを取り出した。
「それはあのダシュトの物じゃないか」
「そうじゃ、悪魔となったお主ならこれを元の姿に戻せるかもしれん」
「元の姿?」
「これ、前に話した通り銀色で大きかったんじゃが、だんだん魔力が抜けてこんなのになったんじゃ。わしの予想ではまた悪魔の魔力が流れれば元の姿に戻るんじゃないかと思うんじゃ」
「わかった、やってみよう」
正直どういう原理かわからないがやってみることにした。
「フン!」
全身に魔力を流すと、また悪魔の姿になった。
「で、これを持てばいいんだな」
トライデントを受け取るが、何も起こらない。
「何も起こらないのう、わしの予想が間違っていたようじゃ」
立って俺の手の中を見ていた爺さんはしょんぼりとして座った。
「そう・・・んん?」
悪魔の姿だからだろうか、俺にはこのトライデントの変化が分かった。
微妙にカタカタと動いている。
「爺さん、見ろ、動いているぞ」
「何?本当じゃ。お前の魔力と反応しているのかわからんが動いておるな」
しばらく観察していると、バチッィと音を立ててトライデントが床に落ちた。
そしてだんだんと大きくなり紫色のやがて人の姿になった。
「あれ、わしの予想とはだいぶ違うのう」
「フッフッフ。よくぞ私を復活させてくれたな。私の名はダシュト。人を辞めし大悪魔である」
エメラルドのような碧眼、銀色の髪、筋肉質な体つきの半裸の美男子。
爺さんの話に出て来たダシュトだった。
「君、なんて名前だい?どこでこの槍を見つけたんだぶべら!」
爺さんがいきなりダシュトの顔を殴り、床に叩きつけた。
「爺さん、やめろ。床が壊れる」
「こんのっ馬鹿弟子がぁ!」
爺さんはやめようとせず、掴みかかる。
「セガン!なんでお前がここにいるんだ」
「馬鹿野郎、良く生きてたな!わしはうれしいぞ!」
さらに抱き着いた。
「セガン、ちょ、苦しい。離せって」
離さないどころか頭を撫でまわしている。
「ぐわはっはっはっはっは」
爺さんは泣きながら笑っていた。
前は殺すべきじゃとか言ってたが、やはり殺してしまったことをかなり後悔していたのだろう。
一番の愛弟子らしいし。
「さて、何で生き返ったんじゃ?」
三分後、やっと泣き止んだ爺さんはダシュトを前に質問していた。
「地獄で会った悪魔に聞いたんだけどね、悪魔は死んでも、他の悪魔がこれに触れば生き返れるんだってさ」
ダシュトはトライデントを持ち上げた。
「そうか、これは新発見じゃな」
「で、この子は誰?」
俺を指さしながら尋ねる。
「わしの孫じゃ」
「孫だ」
「うっそだ。セガン息子がいないじゃんか」
「でも孫じゃ。わしがこいつを孫だと思えば孫なんじゃ」
爺さんは無茶苦茶なことを言っている。
「相変わらず変人だなあ。君も大変でしょ」
「いや、それほど大変じゃないぞ。最初に比べればな」
「どうじゃダシュト、わしは成長するんじゃ」
爺さんは誇らしげに胸を張る。
「はいはい。確かに成長しましたね」
軽くあしらったダシュトは周りを見回した。
「今気づいたけどこの部屋は見慣れない場所だね。どこだい?えっと名前が分からないけど」
「独田孤軍だ。ここはあんたのいた世界とは違う。窓の外を見てみな」
「うっわあなにこれ。見た事ないものだらけだ」
ダシュトは窓の外を見て驚愕した。
「ここはな・・・」
俺はそこでピンときた。
ここで爺さんに説明させれば自分が説明する手間を省けるのでは?
それに爺さんがこの世界の事をさらに学べる。
「爺さん、説明してやってくれ。俺はバイトに行く」
「なぬっ?そうか、むちゃぶりというやつじゃな。いいじゃろう。わしが説明しといてやる」
「ははっ頑張れ爺さん」
俺は二人を家に残してバイトに出かけた。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
ご意見ご要望等ありましたら言って下さい。




