part25乗っ取られた独田
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「フ、フフフ、ハハハ!やった成功だ!乗り移ってやったぞ!」
体が思うように動かない。
正確には体がコントロールできずに、勝手に動いている。
目は見える、耳も聞こえているが、話すことは出来ない。
どうやら乗っ取られたようだ。
「おい、孫?どうしたんだ?」
「今の俺はお前の孫じゃない。俺はハレスだ。最後の力を振り絞り、お前の肉体を乗っ取ったんだよ」
勝手に俺が話している。
「この体ごと俺を殺したらお前の大事な孫も死ぬぞ、良いのか?」
「正義の味方にあるまじき行為じゃな」
「正義の味方?はて、何だそれは?俺は悪魔だ。正義の敵だぞ」
さっきと言っていることが真逆になっている。
「なぬ?あれほど正義正義とやかましかったお主が正義の敵じゃと?」
「俺は正義の敵。悪人だ」
「訳が分からん」
俺もわけがわからない。
さっきまで正義の味方とか言っていた奴が今度は悪人だと言っている。
「なかなかいい体だ。まさか初級悪魔を飛び越えて中級悪魔になっているとは。お前の孫はかなりの恨みや妬みの負の感情を持っていたようだぞ」
体のコントロールが効かないので俺はハレスの変化の理由を考えることにした。
「お主も聞いていただろうが、孫はある男に家族を殺されたようでのう、その男を憎んでおる・・・ぬぐっ」
俺の体は突如出現したトライデントで爺さんの肩を一突きしていた。
「不意打ちとは卑怯な・・・」
何という事だろうか、あの異常なまでに強い爺さんが肩を抑えているじゃないか。
「卑怯だと?俺は悪人だから正々堂々と戦うつもりなんかないんだよ」
「これが本当に孫の力か?あの突きはなりたての中級悪魔が出来るもんじゃないぞ」
俺の体はセガンに刺さっているトライデントを抜いた。
「ん?何で血が出てないんだ?」
普通の人は刺されたら血を流す。
しかしセガンの服には穴が開き、素肌が見えているが血が出ず、傷どころか傷跡すらない。
「刺されたところがもう痛くない。わかったぞ。その槍には殺傷能力が皆無じゃな」
「はあぁ?ふざけんじゃねえ。これじゃあ何の役にも立たないじゃねえか!」
俺の体はトライデントを投げ捨てた。
「いいかセガンとかいう奴動くんじゃねえぞ、今からお前を叩きぼほぉ!」
爺さんが俺を殴りつけた。
痛い、とてつもなく痛い。
ハレスの変貌の理由を考えていたがそれができないほど痛い。
「貴様、こいつがどうなってもいいのか?イタッ!」
「孫、我慢しろ。今助けてやる」
セガンは無視して俺の体を殴り続ける
無茶言うな、我慢できる痛みじゃないぞこれ。
独田を殴りながらセガンは焦っていた。
まずいな、肉体に乗り移っていた霊を消し飛ばす技の発音呪文を忘れてしまった。
もう暗唱呪文は唱えたから発音呪文さえ言えばいいのじゃが。
でも当たるか?こいつやたら素早くて少しずつじゃがわしの攻撃を避けておる。
いや、今はわしの孫を助けるために早く思い出すんじゃ。
たしかデエテ、違う、デレデ、いや、デデデ、いやいや、デレテ。
そうじゃ、デレテじゃ!
「消し飛べハレス!デレテ!」
爺さんは俺の体の後ろに回り込み左手を突き出した。
左手から出た巨大な手の形をした衝撃波はハレスに一直線にせまっていく。
「ふん、読めていたぞ」
「何じゃと!?」
後ろに爺さんが回り込んだのが分かっていたかのように俺の体は羽をはばたかせて空に飛びあがって避けた。
乗っ取られているが感覚は共有している俺には何故ハレスが避けることが出来たのか分かった。
どうやら魔力で周囲に結界を作り範囲内の事象を把握しているな。
「こんどはこっちの番だ!」
地面に着地し、手の中に魔力で弾を作って分裂させて投げた。
「もう一度じゃ!デレテ」
爺さんはもう一度さっきの魔法で迎え撃つ。
「馬鹿め、同じ手が二度も聞くかよ!きぐっ!びあが!」
俺の体はまた避けようと空へと飛びあがった。
が、一瞬で上に移動した爺さんに撃ち落され、衝撃波に直撃した。
巨大な手は俺の体を通り、何か黒い物体を捕らえ、握りつぶした。
それと共に赤黒い空間が消え、美術室に戻った。
「う、ううう。おお、体のコントロールが効くぞ」
立ち上がろうとしたが、立ち上がれない。
「孫、大丈夫か?」
「大丈夫なわけない。爺さん殴りすぎだ」
「大丈夫じゃ。わしが直してやる」
前に火傷した時と同じように爺さんが回復魔法をかけた。
今悪魔化して魔力の存在が分かる俺なら体中に魔力が浸透していくことが分かる。
「相変わらずだな。爺さんはすごい」
「そんなことより良かったのか?」
「何が?」
「お主が悪魔となったことじゃ」
「いいさ、俺の目的はこの力で誰にもばれずにあいつに復讐することだからな。そのためにはこの力が必要だ。それにこの力は他にもいろいろと役立ちそうだからな」
さっきまでの戦いで魔法の使い方がわかった。
悪魔から戻る方法も何となくだが分かる。
「じゃあ早速復讐・・・」
俺は悪魔の姿から人間の姿に戻り、
その時俺は大変なことに気づいてしまった。
「復讐に行くのか?」
「しまったあああぁー!」
「どうしたんじゃ?」
「あいつの家の場所覚えてない」
そうだ、ナイフを買った時のレシート、ダメだもう捨てた。
IC乗車券の履歴、もう上書きされてる。
思いつく限りの場所を思い出す方法を考えたが、ダメだ。
「せっかく力を手に入れたのに、復讐できないじゃないか~!」
「うるさいぞ!誰かいるのか!」
「あっ生活指導の鬼頭先生」
名前の通り鬼のように怖い顔の先生がこちらを睨んでいる。
「俺の美術室で何やってんだ?」
怖い顔の美術教師が聞いてくる。
「ちょっと忘れ物しまして」
とても今あったことを話すなんて出来ない。
「忘れ物が見つかったんならとっとと出てけ!」
俺は爺さんと共に追い出された。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
ところで、登場人物紹介を作った方がよいでしょうか?
作った方がいいと思う方は言って下さい。
他にも、ご意見ご要望等ありましたら言って下さい。




