part12掃除とドア修理
この小説は不定期投稿です
作者がまだ中学生の為、文章がおかしいことがあるかもしれません。
それでも良い方はお読みください
次の日の朝、俺はセガンを叩き起こした。
「起きろ爺さん」
「何じゃ?わしはまだ起きたくない」
こいつは寝なくても大丈夫じゃなかったのか。
「もうすぐ大晦日だ。今から大掃除をしなければならない」
「だからどうしたんじゃ。大晦日ってなんじゃ」
異世界には大晦日もないのか。まあ当然だろうが。
「手伝え、二人でやれば三十分で終わる」
「わかった。起きてやろう」
さて、どこからやろうか。
俺の家は貧乏なのでそこまで物がない。
キッチンは一週間に一度掃除するのできれいだし、風呂はシャワーしかしないのでそこまで汚れていない。
「窓でも拭くか」
「窓ふきならわし得意だぞ」
「そんなに背が高ければ隅々まで拭けるだろうな」
俺は雑巾を濡らしてセガンに渡した。
「よし、わしに任せろ」
他に掃除をする場所は・・・玄関だな。
一昨日セガンに蹴破られたのでいまだに木屑が落ちている。
ドアは当然の如く大破したが、盗まれて困るものは金ぐらいだ。一応親の家にあった馬鹿でかい金庫に入れてあるので盗まれないだろう。
大家に連絡したところ、今日の朝来るとのことだったので、木屑を除いて作業しやすいようにしておこう。
俺は箒と塵取りを持ってきて木屑を集めてゴミ箱に入れた。
「窓ふき終わったぞ」
少し早すぎないか?
「本当に終わったのか?」
疑いながら窓を見ると、今まで見た事もないぐらい窓が光り輝いていた。
「いったい何をしたらこんなに綺麗になるんだ?」
「魔法を使えば簡単じゃ。ホットサイクロン」
セガンは呪文を唱えると、手が真っ赤に光った。
さらに俺の持っていた塵取りに入っていた木屑がセガンの光る手に吸い込まれ、触れると同時に木屑が消えていった。
「だからこんなもん要らん」
セガンは俺にさっき渡した雑巾を渡した。
なるほど、木屑やほこりなどの軽いものは吸い込めるが重いものは吸引力が足らないので吸い込めないというわけか。
「何と言う魔法の無駄使いをしているんだ」
「何じゃと?元々倒しにくい粉末状のモンスターを倒すのに百年前から使われてきた由緒正しき魔法じゃ。それを応用しただけじゃ」
「わかった。今日から爺さんを掃除機代わりに使ってやるよ」
「掃除機ってなんじゃ?」
「お前みたいにゴミを引き寄せる物だ。今度買い物に行ったら見せてやるよ」
「すみませーん。ドアを直しに来たんですが」
その時二人の修理屋と大家がやって来た。
「こんにちは。独田さん。それとそちらのおじいさん」
「こ、こんにちは。黒屋さん」
「そこはおはようございますでしょって突っ込んでよ」
背の低く、ブランド物の服に身を包んだ大家が笑った。
「はぁ。とりあえず中へどうぞ」
「すみません。始めてよろしいでしょうか」
修理屋が尋ねてきた。
「お願いします」
俺は修理屋に作業をさせ、大家を部屋に入れた。
「それで、なんでドアがあんなになっちゃったの?」
「こいつがやりました」
俺は後ろにいるセガンを指さした。
「そうかい。何で壊したんだい?」
どうしようこいつが異世界人で家族になりに来たなんて言えない。
「いや、ちょっと喧嘩しちゃってその勢いで彼がぶつかって」
仕方ないので適当にごまかした。
「違う、わしはお前の家族になりに来たんじゃ」
こいつまた余計なことを。
「頼むから黙っていてくれ」
「わかった。お前が言うなら黙ろう」
「この際それはどうでもいいさね。取り敢えず五万円ほど払ってもらおうか」
こっちの話は元から聞く気はないようだ。
「修理代全額でですか?」
「そうさ、結構負けてやってんだ。あんたも貧乏で苦労してるようだから気を使ってんだよ。気が変わらないうちに早く出しな」
六十代の大家は鞄の中から煙草を取り出し、吸い始めた。
金庫から一昨日爺さんからもらったもとい爺さんが盗んだ金を出し、大家に渡した。
「はい丁度だね。後は任せな」
大家は金を財布にしまい、修理屋に話しかけた。
「隣の部屋のドアを外してこっちにつけな」
この大家、一体何を考えているんだ。
「いいんですか?社長夫人」
修理屋の困惑気味な声が聞こえる。
「別にいいさね。どうせ誰も入居しないんだから」
「わかりました」
隣の部屋から電気ドリルの音が聞こえて来た。
「これで、寒さくらいはしのげるだろう」
「黒屋さん、建築関係の仕事もしてらしたんですね」
「いや違う違う。あたしの夫が建築関係の仕事してるの」
「そうなんですか。でもドアの事、ありがとうございます」
「いいってことよ。これ新しいドアの鍵」
大家はポケットからうちの鍵と同種類の鍵を取り出した。
「ありがとうございます」
「じゃあ後はあいつに任せるからね」
大家は部屋から出て行った。
「もうしゃべってよいか?」
「いいぞ、悪かったな」
「あの人は誰じゃ?」
「ここの持主だ、俺はあの人に毎月金を払ってここに住んでる。だからあの人には丁寧に接しなければならない」
「そうなのか。わしは腹が減ったんじゃが」
さっきの発言について説教をしようと思ったのだがいきなり話題を変えてきやがった。
「腹が減ったのなら仕方ないな。餅を焼こう」
まあいいや、飯を食って忘れるとしよう。
餅を焼く間に、俺は出かける準備をし、餅を食べようとすると修理屋がやって来た。
「修理、終わりました。ドアの確認をお願いできますでしょうか」
玄関に行くと、粗大ごみと化した前のドアは無くなり、隣の古びたドアが付けられていた。
「これで大丈夫です。ありがとうございました」
「はい、先にお代の四万円はいただいていますので失礼します」
修理屋は帰っていった。
四万?俺が渡した金は五万だよな・・・あの大家一万円ごまかしていったな。
今度会ったら返してもらおう。




