〜ヲ大会の舞〜
『はい?何故あなたとヲタ芸対決を……』
いや待て。そもそも何で俺がヲタ芸やるって知ってるんだ?
『ふっふっふ。【どうして知ってる?】て顔
してるぜ』
バカな!コイツ能力者か。早くテレパスキャンセラーをつけないと!
『先輩。もしかして、昨日の朝に公園にいました?』
『え……。いや知らんけど』
いや今思いっきり『えっ』てゆうたやん。
『そうか違かったか……。ところで俺の舞はどうでしたか?』
『うむ。切れ味抜群の素晴らしい舞だった』
『見てんじゃねーか!』
割とあっさり乗ってくれた。
『ばっばかな!この我が乗せられただと?』
意外とノリノリだなこの先輩。ちょくちょくキモいけれど。
『はっ!忘れてました。本題に入りましょう!』
すると先輩も
『かしこまり〜(キャピ!)』
気持ちわるぅ!
『翡翠誠。近々こんな大会があるのを
知っているか?』
先輩は急に真面目くさって、ポケットからくしゃくしゃの紙を出した。しかも何か、湿ってる。
突っ込まないでおこう。
極力湿ってるところは触らない様にして、紙をみた。
『全国ヲタ芸選手権大会?』
ちなみにその後に続く、『略してヲ大会!』いうのは
言わないでおいた。
『そうだ!略してヲ大会!』
あんたが言うのかよ。
『その名の通り、全国からヲタ芸を極めし強者が集まり互いに自分の実力を見せつけ合う場所ダァ!』
先輩が突然、熱弁し始めた。
『もしかして、俺に出ろって言うんですか?』
『いやここまできたらそうだろ』
わかってるよ!何でそんなに冷静な態度で返すの!
ちょっとボケただけだよ。てかキャラ崩壊しすぎ!
『そこで我と戦ってどちらが上かを競うのだ!』
はぁーめんどくさいことになったな。
アキバ来なきゃよかった。
『……先輩。すいません。自分はまだまだなんでいいです』
俺はそう言って去ろうとした。しかし、
『そうかそうか。残念だな….
『優勝したらあの伝説的ヲタリスト
【閃光ジャックナイフ】に会えるのに』
その言葉を聞いた時、思考が止まった。
『閃光ジャック…ナイフ…だと?』
その名前は聞き覚えがあった。あの時俺の足を止めた人。俺をヲタ芸の道に誘った恩人だ。
『翡翠誠。お前の様なレベルのヲタリストなら知っているはずだ』
誠は先輩の前にまで戻り、
『話しを…聞こう』
『そう来なくては!』
てか、ヲタリストってなんだよ!