〜ヲ大会の舞〜 家にて
『な・に・し・て・ん・の!』
部屋でパソコンをいじっていたら、ドアが開いて少女が入って来た。
『なんでもいいだろー。ヲタ芸の確認だよ』
『なんでもないとかって言ってるのに答えちゃうからお兄ちゃんは面白いな〜』
と言いつつ、俺の背中に乗って来た。
このあざとい生物は俺の妹。翡翠 榛名。
中学校でも中々人気らしく、現在早速代表委員になったらしい。……バカなのに。
『てかお兄様?もういい加減そのヲタ芸?て言うのやめてさ、彼女さん見つけなよ。モテんだからさ』
『お兄様やめろ。俺は自分の意思でやっているんだ。
他人にどうこう言われても知らん』
まあそれが原因で中学校で付き合っていた奴と別れたんだかな。
『私が良くないんだよ!進路調査表に専業主夫て書いちゃう時点で心配で心配で……』
あれは……まあ……うん…気の迷いだよ。
『榛名には関係ないだろ〜が』
と言って頭をポンと叩いた。
『フェェェ〜』
『なんだその声』
『イヤ、シスコンに目覚めるかな〜て』
『目覚めねーよ!…勉強してろ!』
『ほーい』
と言って素直に出て行った。
何しに来たの?マジで。
ヲタ芸の動画の続きを見ようとしたが、パソコンが切れていた。
『はぁー、もう寝ろってことか』
俺はpc様のお告げに従い、電源を切って布団に潜り込んだ。
朝が早かったせいか、いつの間にか暗闇に落ちて行っていた。