〜ヲ大会の舞〜
『いやぁー、笑った笑った!』
『ウルセェー。そこそこ上手くできたんだぞ!』
今度こそ日が出てきて、僕は高校に向かっていた。
しかし、案の定千里にあってしまい今朝のことをいじられているのである。
『何が【俺の舞だよ】だよ〜。いや〜おもしろい!』
『って、笑いすぎだろ』
『やばい。臓物が出そうだわ〜』
『重症だろ!』
『間違えた胃酸だった』
『ノロウイルスか!』
『そおです誠は病原菌です』
『イヤ思っているよりひどい返しだったし、志村○んかよ』
くそ〜朝から疲れるなぁ。
『でも……』
唐突に千里が言った。
『?』
『ちょっとだけ、カッコよかったよ!』
なんだよわかってんじゃあねぇーかー。
『ありが……』
『あの、音楽‼︎』
『……期待した俺が馬鹿だったな』
僕たちが今日から通う学校は私立南武高等学校だ。
偏差値は僕と合っていたし、家から近いという理由でこの学校に決めた。将来特にやりたいこともなかった僕は進路調査表に専業主夫と書いたが、担任と親に
諭されて公務員にした。
このボケ魔人である千里は、水泳で推薦が来たらしいが羨ましい。腐ってもボケ魔人だな。
『おーい。聞いてんの?』
『はっ!悪い悪い』
いかんいかん。つい画面越しの人達に話しかけてたとは言えないな。
『ついたようだよ』
『うん』
『私の会社に』
まぁ間違えではないか?
僕らは、学校の敷地に入った。
桜の花が、雨の様に降っていた。




