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真実の愛ですか?笑ってしまいますよ  作者: 高萩


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婚約者と弟

ウィリアム殿下と共に公爵領を出発したのはもう二日前の事。一度王都の屋敷に戻る事になっている為、馬車で向かっている最中だ。


「流石に緊張するな」

「ウィル様でも緊張されるのですか?」

「結婚相手の家族と会うんだ。緊張くらいする」


私もウィル様のご両親と会う時は緊張するだろう。ただ相手を考えたら緊張しない方がおかしい。彼のご両親は大国の国王夫妻なのだから。

馬車が止まり小窓から外を見ると久しぶりの屋敷でした。


「降りようか」

「えぇ」


ウィリアム殿下にエスコートしてもらい馬車から降りると、弟ジョセフが出迎えてくれた。

前に見た時よりも背が伸びている。姉として成長を感じられて嬉しい限りだ。弟は私達の姿を確認すると大きく手を振ってくれた。


「姉様!ウィリアム殿下!」


駆け寄ってきたジョセフを抱きしめようと両手を広げて待っていたのですが、邪魔をされてしまう。

むすっとした表情のウィリアム殿下に。


「駄目だ。ソフィを抱きしめて良い男は私だけだ」

「それはあんまりですよ!」


嫉妬したのでしょうか。でも、相手は成人も迎えてない弟ですよ。

むすっとした表情のままのウィリアム殿下に「私以外の奴に抱きつかせるな」と言われる。嬉しいような、恥ずかしいような変な感じだ。

それにしてもウィリアム殿下とジョセフは初めて会ったとは思えない。


「ウィル様、ジョセフとお会いした事はありましたっけ?」

「前に少し話をさせてもらった」


いつの間に会ったのでしょうか。

首を傾げていると内緒だと二人に言われてしまう。随分と仲良しだ。


「中に入りましょう!父様も母様も待っていますよ!」

「ええ、分かったわ。ウィル様も行きましょうか」


ジョセフとウィリアム殿下。二人にエスコートされる形で屋敷に向かって歩き出すと違和感を覚える。

二人が睨み合っているような。

気のせいでしょうか?


「ウィリアム殿下、ちょっとくらい姉様を貸してください」

「ソフィは物じゃないぞ」

「分かっていますよ。僕の大切な姉様です!」

「私の婚約者だ」


なんでしょうか、この不毛な言い争いは。

私はジョセフの姉ですし、ウィリアム殿下の婚約者です。分かっている事を騒がなくても良いじゃないですか。


「姉様、僕にエスコートしてもらいたいよね!」

「え?えぇ、もちろんよ」

「ソフィ、私の方が良いだろう?」

「えっ?嬉しいですけど…」


もうこのまま三人で向かったら良いじゃないですか。立ち止まって聞いてくるような事なのかと首を傾げる。


「どっちが良い?」

「私だろ?」

「……両方で」


一瞬迷いましたけどこれが平和的な解決方法だと思いました。

にこりと微笑みかけると二人は不服そうな表情を見せながらも納得してくれる。


「…まぁ、姉様がそう言うなら」

「仕方ない。今日は諦めよう」

「ありがとうございます?」


何故かお礼を言ってしまった。

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