表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天国と地獄  作者: 西くん
15/17

天国と地獄とミョルニルと

トールがミョルニルを持ったとしても、ヨルムンガンドは楽には倒せない。

ましてや私が今手にしているのはミョルニルでもなんでもないただの金槌であり、しかも相手はヨルムンガンドではない、『天国』である。

私がガンガンと近所迷惑極まりない音を立てているにもかかわらず、この壁はビクともしない。

ダンダン苛々してきた。

苛々しすぎたからか、奇跡が起きた。

もはや苛々の塊としか呼べない私の最後の一撃が、壁を少し崩した。

私が屈むと、そこは私がほぼしゃがんでも通れるほどの穴だった。

私は歓喜した。

涙腺が崩壊しそうになりながらその穴をくぐると、そこは正に『天国』であって『天国』以外の何物でもなかった。

しかし、私の予想は大きく外されていた。

そこはまだ真新しかった。

中央の唯一の階昇手段と思われる螺旋階段は全くキレイだったし、教室も全く荒れていなかった。

・・・・・螺旋階段?

そもそも何故『立ち入り禁止』なんだ?

ぜんぜん危ない気配は無いし。

「・・・・・・・!」

ここで、私の脳裏を突然負の感情が走った。

「まさかこの校舎、『廃校舎』じゃなくてまだ『出来ていない校舎』だったんじゃぁ無いのか!?」

・・・・・・どうしよう。

もしも私の空けた穴でこの学校が崩れてしまったら。

とんでもない。

とその時、

「・・・・・あのーう」

後ろからの突然の声に私は失禁するかと思ったが、

「はいっ!!??」

見よ、この紳士的な返し。

「あっ・・・・・っと・・・・・・」

そこには、散々私の純粋なハートにナイフを突き刺した美少女がいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ