日本語と『あだな』
あだ名、つまり愛称とは、とくに親しみを込めて対象を呼ぶために用いられる本名以外の名前の一種である。
そのため『校長とデキてます』はこれに当てはまらない。
しかし、『あだな』を『徒名』または『仇名』とも書くときがある。
こちらは特に悪評、事実無根の評判、男女関係についての噂を意味する語で、『渾名・綽名』とは意味が異なる。
『さっきゅん』『きっくん』はまだ『あだ名』と呼べる、『校長とデキてます』は『仇名』である。
以上、80%はウィキペディアから抜擢。
そして話は戻る。
戻って欲しくは無いが。
「先生、それは貴方が付けたんですよね?」
『生徒』と答えればこの妖怪(もはや人間ではない)は虐められている。
『俺』と答えればクラスを移して欲しい。
少なくとも」この学級より普通の所へ。
「ああ、これはきっくんが言ったんだ」
先生は照れたように笑った。
「そこからきっくんが私の私物になんでもかんでも名前を付けてな?」
「シャツ、教卓、学級旗、車、家。あいつは几帳面だからなぁ」
「なるほど」
そのきっくんという男子の鬼畜差は分かった。
もし俺がそんなことされたら迷わず自殺する。
「あいつはこの学級の名物だよ」
お前だよ。
「おっと、そんなことよりすっちー」
・・・・・・もはや何を言っても遅いようだ
「お前の席は明日決めるからな。とりあえずきっくんの席に座ってもらってるけど。」
隣の女子が俺を見ては物凄く震えるから物凄く泣きたいんですけど。
「じゃ、帰りの会は今日はいいか。」
そういってドアを開ける。
「じゃ、皆気をつけて帰るんだぞ!あと、先生の財布盗んでゲーセン行くなよ!」
先生の財布盗んでゲーセンに行ったのか・・・・・
挨拶もせずぞろぞろと教室から出る。
放課後の廊下は賑やかだった。
「おっすすっちー!」
ああ、賑やかだ。
その忌まわしき名で呼ばれたが為に落ち着いていた心が一気に不機嫌に変わった。
どこの馬鹿かと振り向くと4人ほどの男子の群れだった。
「どーも」
とりあえず挨拶。
「可哀想になぁ、この学校来るなんて」
お前らもな。
「?」
安心と信頼の『?』
「ここの学校、文化祭とか体育祭とかすげーのよ。」
ほうほう。
「力が入ってる?」
刹那、沈黙。
のあと。
「ブハハハハハハハハハハハハ」
大爆笑。
「まぁ、その内分かるさ」
分かりたくない。
「じゃぁな、すっちー。」
「ああ、また明日」