正式名(すっちー)
「あだ名・・・・・?」
「その通り!あだ名!」
先生は笑顔でそう言った。
「・・・・・」
これは先生からのイジメというやつだろうか・・・・・
まさかと思うが『さっきゅん』とか『きっくん』とか付けられてしまうのか?
それだけは絶対避けたい。
「あの、前の学校では『西くん』って呼ばれてたので、それでお願いします」
そのあだ名さえ嫌だったが。
「へぇ~『西くん』か~」
うんうんと頷く先生。
まぁ、『西くん』で収まれば前の学校でもそう呼ばれてたし。
それでいいだろう。
許してください、お願いします。
「じゃぁ『すっちー』で」
「先生、『西くん』の原型を留めていません。」
『西くん』の中の一文字も含まれていないとはどういうことだ。
「不満かぁ・・・・・」
不満だ。
この学校に来てから一つを除いて不満しかない。
「とゆうより何故あだ名を付けねばならんのですか?」
自分、御もっとも。
う~ん、と先生。
「だってなぁ・・・・・皆ちゃぁんと付いてるしなぁ・・・・・」
・・・・・・・マジか。
ということはこのクラス全員が不満を持っているということか。
「それに先生だって付いてるぞ?皆が付けてくれた偉大な名だ。」
・・・・・・それって、もしかして
「俺の名は『校長とデキてます』だ!」