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7話 夏休みの最後の大冒険
夏休みも残りわずか、美咲は影と一緒に秘密の部屋で最後の冒険をすることにした。
「今日は特別な日だよ!」影はヒラリと跳ね、楽しそうに美咲を誘う。
二人は部屋中のおもちゃや絵本で遊びながら、影が昔楽しんだ遊びを一つずつ体験する。かくれんぼ、宝探し、絵本の読み聞かせ…。影は少しずつ笑顔を見せ、光に包まれた部屋は魔法のように輝いていた。
夕方、外に出ると、庭の桜が風に揺れて、美咲の頬にひらりと花びらが落ちた。
「そろそろお別れの時間かな…」美咲は少し寂しくなる。
影は美咲の肩に飛び乗り、小さく「ありがとう」と囁いた。
「また来年、遊びに来るからね!」美咲は笑顔で手を振ると、影もふわりと揺れて応えた。
その夜、美咲は布団の中で、夏休みの冒険を思い返す。
窓の向こうの影はもう見えないけれど、心の中で楽しい時間が輝き続ける。
「また絶対会える…」美咲はそっとつぶやき、深い眠りについた。
こうして、美咲の夏休みの不思議な冒険は、優しい思い出とともに幕を閉じた――。