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11話 闇の核心へ
通路の奥深く、光の届かない暗闇に美咲は立ち止まる。冷気が肌を刺し、息をするたび胸に重くのしかかる。手に抱えた箱の重みが肩に食い込み、鼓動は耳まで響く。影は床や壁、天井を滑り、時折人の輪郭を帯びて揺れ、美咲の動きに反応する。
通路の隅々には古びた手紙や写真、忘れ去られた道具が散乱しており、懐中電灯の光で照らすたび影が揺れ、囁きが耳元で低く響く。囁きは悲しみ、怒り、恐怖、諦めが混ざり、過去の記憶を呼び覚ます。
壁に刻まれた文字や模様は微かに光を放ち、影と共鳴して揺れる。床板の軋む音、砂利や落ち葉の細かな音、微かな風のざわめき…すべてが恐怖を増幅させ、心拍を早める。
美咲は手紙や写真を一枚ずつ確認しながら進む。写真の中の微笑みは影に覆われ、囁きと絡み合い、生きているかのように見える。影は床や壁を這い、時折人の形を帯びて迫り、胸の奥に冷たく重い感覚を押し付ける。
通路の角を曲がるたび、影の形は変化し、囁きの声も低く変化する。美咲は震える手で箱を抱き直し、恐怖を押し殺しながら、一歩ずつ深淵の核心へと進む。影、冷気、囁き、過去の記憶が絡み合い、すべてが彼女を導く――。




