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7話 迷宮の囁き
通路の奥へ進む美咲は、息を整えながら影の揺れを見つめる。床や壁に映る微かな光が揺れ、影は生き物のように形を変えて彼女の動きに反応する。冷気は足元からじわじわと全身に染み込み、呼吸のたび胸を締め付ける。
古びた手紙や写真を手に取るたび、影は微かに震え、囁きは低くなるが、導くように変化する。過去の記憶や悲しみが重なり、空間全体が息をしているかのように感じられる。
美咲は箱を抱え、慎重に一歩一歩進む。床板の軋む音、砂利や落ち葉の微かな音、壁のひび割れから漏れる風のざわめき…すべてが恐怖を増幅させ、心拍を早める。
通路の曲がり角を曲がると、壁に描かれた文字が微かに光を放ち、影と共鳴する。写真の中の笑顔は影に覆われ、囁きと絡み合って生きているかのようだ。美咲は息を止め、指先の震えを抑えながら箱を抱え直す。
影は床や壁を這い、時折人の形を帯びて迫る。囁きは低く、悲しみや怒り、恐怖と諦めが混ざり、耳元で繰り返される。冷気が肩を刺し、指先まで凍りつくように伝わる。
美咲は恐怖に打ち震えながらも、好奇心と決意を胸に、一歩ずつ奥へ進む。影は揺れ、囁きは低く響き、過去の記憶と冷気、暗闇が絡み合い、深い迷宮の核心へと誘う――。




