3/22
3話 影と遊ぶ不思議な午後
昼下がり、美咲は影と遊ぶことにした。
「じゃあかくれんぼね!」
影はピョンと跳ねて、柱の影やカーテンの裏に隠れる。美咲は笑いながら、「みーつけた!」と叫ぶと、影もヒラリと現れて、楽しそうに揺れた。
「怖くない…なんだか友だちみたいだ」
遊んでいるうちに、美咲は2階の物置部屋で古い箱を見つけた。箱の中には祖母が昔描いた絵や手紙がぎっしり入っている。その中の一枚に、家の間取り図とともに、小さな丸印で「秘密の部屋」と書かれていた。
「秘密の部屋…?」美咲は影を見つめる。影は窓の外でヒラリと揺れ、まるで「行ってみて」と合図しているみたいだった。
夕方になり、少しずつ日が暮れていく。美咲は勇気を出して、家の中のその部屋を探すことに決めた。影は嬉しそうに美咲の後をついてくる。
「どんな秘密が待ってるのかな…?」
美咲の胸はドキドキ、ワクワクでいっぱい。
こうして、夏休みの不思議な冒険は、新しいステージへ――。