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3話記憶の裂け目
地下通路に足を踏み入れると、冷気が肌を刺し、息が白く立ち上る。壁には古い文字と刻印が浮かび、懐中電灯の光で微かに揺れる。影は壁を伝い、床を滑り、天井を滑るように動き、まるで美咲の恐怖を映し出すかのようだ。
「…怖くない…怖くない…」
美咲は心で唱えながら奥へ進む。床の軋む音、遠くで落ちる水滴、微かな風、影の揺れ、低く響く囁きが重なり、恐怖を増幅させる。
広間には散乱した机や棚があり、影は床や壁に映り、微かに光を帯びて揺れる。箱を手に取り、手紙や写真を読み解く美咲。影は人の形を帯び、過去の記憶と融合し、揺れ動く。
微かな囁きが耳元で重なり、悲しみ・怒り・恐怖・諦めの混ざった声となって、彼女を包む。息を止め、手が震え、心臓が喉まで上がるような感覚。
通路の奥には古い扉が立ちはだかる。扉の刻印は生き物のように揺れ、微かに光を放つ。美咲はゆっくり手を伸ばし、扉に触れる。冷たさが指先から腕、全身に走り、息を整えて押し開ける。
扉の向こうに広がる闇は、深く沈み、影と囁き、過去の記憶が絡み合う迷宮のようだ。美咲は手紙と写真を抱き、恐怖と好奇心に包まれながら一歩ずつ奥へ踏み出す――。




