表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あんなタイトル  作者: 櫻木サヱ
もうひとつの影
10/22

3話 古い日記の秘密

次の日、美咲は影と一緒に家の中を探検していた。廊下を抜け、二階の物置部屋に向かうと、去年見つけた古い箱が置いてある。


「何か手がかりがあるかも…」

美咲は箱をそっと開ける。中には、祖母が昔書いた日記や手紙、写真がぎっしり入っていた。影はヒラリと箱の上で跳ね、美咲の指先を導くように動く。


美咲が古い日記のページをめくると、数十年前の文字でこう書かれていた。


「この家には、遊び相手をなくしてしまった子どもがいる。影のようにひっそりと、でも誰かを求めている」


美咲は息をのむ。

「…影って、ひとりじゃないの?」


さらにページをめくると、小さな絵とともに“もうひとりの子ども”の名前が書かれていた。写真に写る子どもと、さっき見た影の雰囲気が似ている。美咲の胸はドキドキし、影は肩で小さく揺れて警戒している。


「どうしよう…?」

美咲は考える。去年遊んだ影は優しい友だち。でも、この家にはまだ、寂しさに囚われた影がいる。


夕方、美咲は桜の木の下で影を見つめる。

「きっと、私が助けなきゃ…」

心の中で決意する美咲。影は嬉しそうに跳ね、まるで「頼んだよ」と言っているかのようだった。


こうして、美咲の夏休みの冒険は、影たちの過去と秘密に踏み込む、新しいステージへ進む――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ