今更すぎる気付き
さて、神様への天罰は後にして……
彼女は悪魔をしまい、またもや開き直った。相変わらずである。
そして、同じ状況に陥った人間、誰もが思うであろうごもっともな疑問を挙げた。
「鍵、何処に入れるん?」
そう、鍵穴がないの。
私、結構探したんだよ?
あの声も聞こえないし……私、とぉっても困ってるんですけどー?
…………………………
うーむ……何か制限が掛かってるのかもね。それとも天罰が欲しいのかな……?
…………………………
うん、諦めよ。
「まぁ、分かんないものはしょうがない。焦ることでもないし、まずはご飯でも探してみますか」
気づいた頃には、もう太陽が空高く上っていた。そろそろお昼時である。
***
私はお腹が空いたので、お昼ご飯を探すことにした。
一旦池から上がり、鍵を首から下げ、両手が空くようにした。……いっぱい持てるように。
「では、出っぱっ……んぶっ!!」
足を踏み出したところまでは良いものの、木の根に躓き、転んだ。なんで?
「イタタタ……あぁ、この歳になって顔面ストライクとは……」
この世界に飛ばされてからというもの、身体を思うように動かせない。
なんだか自分の体じゃないような?…………あ、
私はふと気になり、池を覗き込んだ。
そこに映っていたのは、サラサラの、毛先に深い青のグラデーションのかかった水色の髪に、宇宙のような不思議な色の瞳の少女。
それが意味することは……
「私も転生しちゃった……?」




