異世界
――――――ああ、ねむい……
ここはあったかい……
このままゆっくり寝てたい……
あれは何だったんだろう……
ここはどこ?
六花は?……
六花……
私は――――――
そこで意識が覚醒した。私はバッと起き上がると周囲を見渡した。
「ふぁ?」
そこは綺麗な森だった。
神秘的な雰囲気に満ちていて、精霊が住んでいそう……。
って!
「ここ、何処……!?……あれ?目線が低い……?まぁ、それはいいとして、そういえば六花は?!っ!うわっ!?」
ビターン!
樹の根につまずいた。イタイィ……あと少し場所がずれてたら、私はすってんころりん水の中だ。そして岩に頭をぶつけ、チーン……。
…………うん?岩?
私は思わず振り向く。
勘違いだと思っいたかったが、神様はそんなに優しくない。
岩だと思っていたものは、水晶だった。
orz……先が思いやられるぜ。
なによ、池のド真ん中に堂々と佇んでいるコレは……。
―――――シテ
ん?今なんか……
―――――ダシ、テ……
やっぱりなんか聞こえる……。何処かに閉じ込められてるのかな……?
私はキョロキョロ周りを見渡した。でも、誰もいない。
―――――ダシテ……タス、ケテ……!
「っ!?」
今度ははっきり聞こえた。水晶からだ。
私はもう一度、よく水晶を見てみた。
すると、水晶に、女の子が浮かび上がった。気づかなかったのが不思議なくらいに、ちゃんとそこにいた。
ちょっとピンクがかった栗色の髪に、ちょー整った顔。年齢は5歳ぐらいかなぁ。
え?でもこの外見、なんか見覚えあるような……?えーっと、確か……
「エントーラ……」
そう、そうだ。水晶の女の子はエントーラにそっくりなんだ……。中身は六花……なはず。
……ん?ってことは……?
「……ここ、異世界……?」




