なんともない日常と不思議な出来事
編集中で話繋がってません。そのうち直します。
空が赤く染まり、ちょっぴり寂しい気分になる今日この頃。
私は部活を終え、いつもの待ち合わせ場所である大きな桜の木の下で、六花を待っていた。
一人は落ち着くね。
何も気にしなくていいし、静かだし。
「ごめーん!遅くなったー!」
「およ?」
向こうから六花が走ってくるのが見えた。
六花は、幼児園ぐらいからの幼馴染で、ずっと一緒にいる。
学校でも、放課後でも。
部活は違うけどね。
「片付けんとき、ちょっとトラブリましてん……」
「それは……ご愁訴様。んじゃ出発!」
「おー!」
のんびりと、いつもの道を歩く。
いつも通りの普通の日常。
それがなんだか、今日は心に滲みる気がして、切ない気持ちになるような……そんな気がした。
「そういえば夢華さんや、キミのほうのオリキャラちゃん、どんなんにするか決まった?」
「うん!六花は?」
「私?私はねぇ……やっぱ人型かなぁ……。もちろん性別は女で」
「そっかぁ〜いいねぇ〜」
「ねぇ〜」
実は、私達のクラスで、オリキャラ祭なるものをすることになった。
内容はその名のとおり、みんなが自分のオリキャラを作って発表会する。
テーマは『自分がなってみたいもの』。
みんなそれぞれで、ゆるキャラな動物みたいなのだったり、人型だけど人外だったり。
まぁ、色々。
ちなみに、私も人型で女の子。
設定とかはまだだけど、見た目だけは決まってる。
超絶美少女でっせ。
うへへ……想像しただけで顔がニヤけてしまいますぅ……
「ゆーめかさーん、顔がニヤけてますよー。ま、どうせオリキャラちゃんのことでも考えてたんでしょ」
「ひゃいっ!?」
ビクッたぜ……。
てかおまえさんはエスパーかい?
「え、違うけど」
へぇ〜そうなんだぁ〜。
…………ねぇ、なんで通じんの?ねぇ、なんで?
「無言で攻め寄るのヤメテ。口で言え」
「サーセン……。ねぇ、なんで?」
「何が」
「You are ESPer?」
「だから違うって」
「じゃあ、なぜに私の思考を読める?」
「……夢華って今、優等生モード切ってるよね?」
「ハイ?あ、うん。切ってるよ」
優等生モードとは、心を無にし、何が起きても、何をされても、動揺せず、ニッコリ笑顔で受け流す、私の得意技だぁぁぁ!!
…………ようはちょっとレベルの高いキャラ作りだヨ!
ちなみに今は切ってるからこれが素だヨ!
ヨーヨー!
「…………」
「…………ゴメン、続けて」
「じゃさ、切ったら顔に貼り付けてた笑顔はどうなる?」
「消えるね」
「んじゃ、君の素は?」
「ちょっとハイなムードメーカー」
「それ自分で言う?というかちょっとじゃなくない?……まぁいいや。んで、自覚が無いみたいだけど、夢華はとおぉっても顔に出やすいから」
「あ……」
我、察したぜよ。
「分かった?スイッチOFFの夢華は表情で考えてることが分かるのだよ。酷いときは何一人で百面相やってんだってぐらい……」
「今自覚もったからそれ以上言うな」
あぁ〜もぉ〜やだぁ〜!
どうしても六花といるとスイッチが切れちゃうよ〜!
ハッ!これが友情の力か!?
「そうだ、これぞ親友の絆。覚えておくがよい」
「……………」
「…………エスパーといえばさ、最近スパ───」
「話を逸らすなかれ」
***
「おーい!フラワーコンビ!」
「あ、先輩」
「えっ?あ、ェッ…ヒ、ヒト……!?」
(ちょっと待っ、ひ、人!?聞いてない!!)
夢華は慌てて手鏡を取り出し自分の顔を覗き込んだ。
(そう、落ち着いて……。笑うの……仮面を被るの……そうだよ、これでいい)
心の中でそう言い終わる頃には、彼女の顔は、動揺丸出しの慌てた表情から、感情の読めないニコニコとした表情へと変わっていた。
(大丈夫。きっと、大丈夫。絶対…………大丈夫、大丈夫…………)
私は、人が苦手。
親、先生、友達、全員怖い。
心の底から、閉じ込められていた恐怖が溢れかえって埋め尽くされるみたいに。
別に親に酷い扱いを受けた訳でもないし、学校でいじめられていた訳でもない。
事件や事故に巻き込まれたこともない。
こんなにみんな優しくて、幸せなはずなのに…………。
私は、みんなを避けて、憎みたいわけじゃないのに。
……そんなこんなで歩いていると、いきなり地面が揺れ出した。周りでは生徒たちが悲鳴をあげたり先生を探したり、大変なことになってる。まさに大混乱!こんなんじゃ、避難訓練の意味ないよね。
「これって地震?でもちょっとおかしい……」
地面が揺れることに対しては地震で納得できる。
日本は地震は多いからね。でも、鳥がたくさん集まってきて、ギャーギャーピーピーカァーカァー学校の周りを飛び回ったり、空が急に暗くなって、ゴロゴロドッカーンの嵐になったのは納得できない。
しかも、私と六花が中心になってる気がする。つまり、台風で言うところの目。
「夢華、なんか変なこと願ったりした?」
「ホワッツ?!まじかい?!いや、関係なくない?!」
あはは……どうしっよかなぁ…‥あ!
「いっそ飲み込まれてみようよ!体に害はなさそうだし」
そういって、変な風に触れてみた。すると光だしてその光はどんどん強くなっていく。
「まぶしっ何これ?!」
「やっぱり原因はお前かぁ!!!!!!」
という親友の叫びと共に私たちの意識は深い闇に消えていった。




