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オボエテロ

私はいつも待ち合わせの時間にはいつも早く行く。

相手を待たせるのはキライ。

私はいつも待っている。


ヒト待ち顔から笑顔に変わるヒトの数を数える。私は何番目に笑えるだろうか。

遅れたことを笑って詫びて、私がそれを許して。

許されることを当たり前のようにするヒトに安心したり腹が立ったり。


私が待っているのが当たり前だと思っているのか。

数える数が二桁を越える頃には、苛立ちが心配に変わる。

私は時間を間違えていない?何度も確認した。

事故にあってない?携帯はもう握り締めている。


帰ってしまおうか。待ち合わせで1時間待たされるなんて、とトモダチは呆れる。

待ってる私がバカなんだろうか。


私より後から来たヒトは、会うべきヒトに会ってそこを立ち去る。

その数も二桁越えた。


携帯はつながらないから、きっとこっちに向かってるんだと思う。

もし今帰って、私がいないことに気づいたらどう思うだろう。

心配するだろうか?怒るだろうか?

私の気持ちが変わったと不安になるだろうか?


私が待っていることを当然と思ってるヒトは、どう反応するだろうか。


私が待っている間、どんな思いで待っているかとか考えたりするんだろうか。


二人の関係すらも疑いつつ待っているとゆうのに。

こうやっていつも待ってるとゆうのに。

あと5分待って来なかったら帰ろう。

私がいつも怒らないことを当たり前だと思うから悪いのだ。

待っていることを当たり前だと思うから悪いのだ。

いいや、このまま待って怒りを叩きつけてから帰ろう。そのためだけに待っていよう。


そう思い始めた頃にやっと現れて。

叩きつけてやると決めたことを実行できるヨロコビが会えたヨロコビにすりかわる。

嬉しくてつい飲み込む。


そうやっていつも私は待っている。今度遅れたら絶対叩きつけてやる。待ち合わせなんか2度としない。

オボエテロと、彼にも自分にも言い聞かせる。心の中だけでいつも。

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