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47/50

47 情報収集

評価・ブックマーク・感想、いつもありがとうございます!

とても励みになっています!



「わぁ……すごい活気!」

「さすが大陸最大の貿易都市・トレンタね……」

「噂には聞いていましたが、流石ですわ……」

「マリー様もトレンタには来たことがないのですか?」

「ええ。お恥ずかしながら……トレンタまで赴く機会がなくて……」

「そうなんだ! じゃあ、私たちと一緒だね!」


 ロイドさんの厚意で豪華宿屋に一泊した翌日、俺たちはトレンタの街に出ていた。


 目的はもちろん、【槍の勇者】についての情報収集だ。


 というのは表向きの建前。

 今はまだ寝取られハーレムルートの寝取りキャラである【槍の勇者】と合流するには早い。


 寝取られハーレムルートを回避するためにはヒロインとの好感度を上げておくことが重要だ。

 せっかくゲームよりもだいぶ早いタイミングでハーレムを作れたんだ。合流する前に好感度は可能な限り上げておきたい。


 ゲームでだって終盤に合流するから寝取られを回避することができるわけで、こんな序盤に合流したらあっという間にテッサ姉たちが【槍の勇者】の毒牙にかかってしまうだろう。


 だから俺は、テッサ姉たちには悪いけど、ここではあまり真面目に【槍の勇者】の情報を集めるつもりはない。


 それよりもむしろ、ゲームではここトレンタでイベントが起きる……そちらのほうが重大だ。


 そのイベントとは――魔王軍の侵攻だ。


 ゲームではトレンタの宿屋に合計7日宿泊することでストーリー進行のフラグが立って、7日目の宿泊の翌日に何者かの侵攻によって大陸最西端の国が滅んだという報せが届く。


 四天王の1人である肉欲のゴーシュとはノナリロ出発の際に戦闘をしたが、ゲームでもこの世界でも、ここまで魔王軍との表立った戦闘はない。

 その報せをもって、主人公と魔王軍との本格的な戦いが始まるのだ。


 ちなみにイベント発生条件はトレンタに到着して7日後ではない。

 トレンタの宿屋に7日宿泊することだ。

 トレンタに着いた後に他の街の宿屋に泊まった場合、カウントされない。


 イベント発生条件がわからずにうろちょろして別の街で泊まったら、いたずらに時間が経過してテッサ姉の寝取られが進行する上に、お金まで消費してマリー様の寝取られルートに近づいていくという罠があったりする。


 ゲーム通りならば、これから毎日トレンタで寝泊りすれば7日後にイベントが起きるはずだが、現実となったこの世界でゲームと同じようなフラグの立ち方がするのだろうか?

 そうタイミングよく俺たちが7日間宿泊した翌日に国が滅ぼされるなんてことがあるとは思えないけど……。


 とはいえ、ここで何かしらのアクションが起こらないことには俺も次の行動を取ることができないのも事実だ。


 最初に滅ぼされる国に先に行って魔王軍を迎え撃つということも考えたが、魔王にはゲームのシナリオを知られている状態だ。

 もし別の国を攻められたら対応が難しくなってしまう。


 だから俺は、ひとまずこのトレンタで待とうと思っている。

 ゲーム通りに進むならそのままその国に向かうし、別の国が攻められるならそこに向かう。


 それまではここでヒロインたちとの好感度を稼ぐ予定だ。

 ちなみに昨夜もちゃんと3人とエッチをしている。

 好感度を上げるというか絆を作っていくためにも、できる限りしていかないとな。


 そんなことを考えながら、俺たちはいつも通り【発情】しないように密着して――すれ違う男たちから羨望の眼差しを集めながら街の中を歩いていく。


「これだけ人が集まってるなら【槍の勇者】さんの情報も集められるかもね、ユーリ!」

「うん。そうだね……」


 無邪気に微笑むテッサ姉の言葉に、ほんの少し罪悪感を覚える。


 ごめん、テッサ姉。【槍の勇者】の情報は集めるつもりはないんだ……!


 ただ、たとえ真面目に情報を集めようとしても、おそらくは思ったような結果は出ないだろうと俺は思っていた。


 なぜなら――


「でも、【槍の勇者】の情報を集めるって言っても、どうすればいいのかしら」


 エリスがポツリとつぶやく。


「魔王が復活したって知られたらパニックになるから、アタシたちは【剣の勇者】パーティーだってことは隠して行動してるわけでしょ? 表立って【槍の勇者】のことを知ってるかなんて聞いてたら、それこそ魔王が復活しましたって喧伝するようなものじゃない?」

「確かに、エリス様の言う通りですわね……」


 そう、俺たちは今のところ【槍の勇者】のことをストレートに聞くことはできないのである。

 もっとも、魔王軍の侵攻が知られていない今、仮に聞けたとしても今の【槍の勇者】ではなく、過去に魔王を倒した【槍の勇者】の話をされるのが関の山だろう。


 今の俺たちにできることといえば、せいぜいが金色の槍――聖槍も聖剣と同じ金色の装飾をしている――を持った男のことを知らないかと聞いて回ることくらいだ。


 それでも、金色の槍なんてこの世にはいくつもある。

 そこから【槍の勇者】の情報にたどりつくのはかなり難しいと思う。


 真面目に【槍の勇者】の情報を集めてもあまり結果につながらないと俺が思っているのはそういう理由からだった。


「地道に情報を集めていこう。差し当たっては、金色の槍を持った人とか、突然変異の情報とかを集めるのがいいんじゃないかな?」

「ユーリ様、金色の槍は聖槍のことかと存じますが、突然変異の情報というのは?」

「うん。【槍の勇者】なら俺たちみたいに突然変異を倒してるかもしれないから、そういう人が金色の槍を持ってたら、信憑性が増すんじゃないかな」

「なるほどですわ!」


 まぁ、見つかってもらっちゃ困るんだけど……。


「それに、昨日まで護衛の依頼をしてたからみんなも疲れてない?」

「……そう言われてみれば、アタシもちょっと疲れてるかも」

「恥ずかしながら、わたくしも少し……」

「昨日の夜も、した後にすぐ寝ちゃったもんね……」


 俺の言葉に、3人が口々に答える。


「次の目的地もまだ決まってないし、しばらくは疲労を癒しながらトレンタでじっくり情報を集めてみようと思うんだけど、どう?」

「異議なーし!」

「アタシも賛成よ」

「異論ありませんわ」

「決まりだね。じゃあ、今日は夕方にロイドさんと食事の約束もあるし、宿屋の周辺で情報を集めよう」


 こうして、俺たちはしばらくの間、情報を集めるためにトレンタに滞在することに決まった。





 この時の俺は、トレンタで思いがけない出会いをするなんて思いもしなかったんだ――。


最近ちょっと短めですいません!

もう1エピソード入れたかったんですが、そこは適当に入れたくなかったので、次回に回しました。

予告しますと、ヒロインたちにプレゼントをします。


次回は10/3の午前7時に更新予定です。

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