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調査隊と異能測定と実戦訓練

「多少、そんな気はしてました。ようこそ、特殊調査隊へ」


ブラックホールの先ではユウキが待っていた。


「現在隊に所属しているのは私含めて7名。ナギサが記念すべき8人目です。」







その後、施設の一通りの説明や、ワープ地点である地下室の動かし方など色々な説明が終わった後、ユウキとナギサは訓練室へと向かった。


「次に、あなたの異能の測定を行います。それによってどのレベルの任務が可能なのか判断し、その後擬似イレギュラーを用いて実戦訓練を行います。」



測定の内容は簡単だった。異能を自覚しているかどうか、その適用範囲などを把握するために質問に答えたり実演したり、だ。ナギサは薄々自分の異能に気づいていたので、測定は円滑に進んだ。


「問題ないですね。次は擬似イレギュラー相手の模擬戦です。ナギサの異能だと武器が必要でしょうから、選んでください」


ユウキはそう言うと、足を使って訓練室の床を特定のリズムで叩く。すると床が突起し、タッチパネルのようなものがユウキの目の前まで出てきた。タッチパネルを操作すると、天井が開き、そこから無数の武器がぶら下がる。剣やナイフ、戦斧、バトルハンマーなどの中世の武器から、機関銃や小銃などの現代武器まで多種多様だ。

ナギサは一通りの武器を見回り、二丁の拳銃を手に取った。


「その二丁はかなり癖がありますが…大丈夫ですか?」


「まぁ勘でしかないですけどこいつらが一番しっくり来ます」


「わかりました…それでは、模擬戦スタート!」


ユウキが言い終わるとともに、壁に大きめの穴が開き無数のイレギュラー達がのそのそと姿を表す。


「ウサギ、猫、犬…ふれあい広場かよここは」


独り言を漏らしながら拳銃を構える。本来小動物に銃口を向けるなど言語両断だが、ゴーストウィルスによって『小動物』などと可愛い表現をしていられないほど凶悪な外見になっているのだ。


ドパン!


乾いた爆発音とともに、弾が発射される…明後日の方向に向かって。

見ればナギサは尻餅をついている。反動が強すぎたのだ。


「ハンドキャノン、実用的じゃないと軍に却下された攻撃力ガン振りの問題児ですよ。さぁ、ナギサに使いこなせますか?」


ニヤリと笑いながらユウキは言った。


「あぁもう、何がしっくりくるだよちくしょう!!」


憎まれ口を叩き、ナギサは異能を発動した。









ーー30分後。

ナギサの目の前にはイレギュラーの死体の山があった。中にはA級イレギュラーとされる狼やライオンのイレギュラーもいる。ナギサは訓練室のヒンヤリとした床に倒れこみ、大の字になって寝転んだ。


「いやはや、優秀な人材とは思いましたがまさかここまでとは…」


結果はユウキが予想していた何倍も上だった。


「もうまじで筋肉一つ動きませんよぉ…」


「お疲れ様です!すぐそこにシャワー室があるので、汗を流してから上のカフェでくつろいでいてください。ナギサの初任務の時間と内容の書類が出来次第帰っていいですよ」


「了解です…」


早くも調査隊に入ったことを悔やみながらものそっと起き上がり、シャワー室へと向かう。


この後、シャワーの豪華さとカフェの飲み物の美味しさで完全にリフレッシュしたナギサは模擬戦後の悔やみなど忘れ、やはりブラックホールを通った自分は間違っていなかったとフカフカのソファの中で思うのであった。

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