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パパがやたらとキスしてくるんですけど、どうしたらいいですか?~今日は何の日短編集・3月16日

作者: 白兎 扇一


今日は何の日短編集

→今日は何の日か調べて、短編小説を書く白兎扇一の企画。同人絵・同人小説大歓迎。


3月16日→万国赤十字加盟記念日


1886(明治19)年のこの日、日本の博愛社がジュネーブ条約に加盟し、翌年日本赤十字社に改称しました。

 これは、1864(元治元)年にアンリー・デュナンが提唱したジュネーブ条約により基礎が作られた万国赤十字同盟の運動を、外国で見聞してきた佐野常民らの尽力でした。

─イヤッフー知恵袋─


Q

パパがやたらとキスしてくるんですけど、どうしたらいいですか?

うちのパパは赤十字っていう古くからある研究機関に勤める立派なお医者さんなんですけど、キス魔です。ことあるたびに私とキスしてきます。

朝起きたらおはようのチュー、ご飯食べ終わってチュー、出かける時にチュー、帰ってきてチュー、夜ご飯食べてチュー、寝る前に最後のチュー。

雑破に書きましたけど、本当はこれ以上にもっといっぱいキスしてきます。それもほっぺとかじゃなくて口に。その度に振り払います。当たり前です。キモいから。

「どうして避けるんだよぉ〜!」

そうすると、こうやって子供のようにジタバタします。パパ、今年で50なのに。いい加減年をわきまえて欲しいですよね。

「病気にかかったらどうするの!SPPNとか強い菌で感染するやつなんだよ!それにかかった人が少ないから薬も開発されてないし」

私はパパの医療雑誌を持ち出して怒ります。

「SPPNはまだ日本に上陸してないよ。それに、愛娘がかかるくらいなら僕がかかるもん!」

メガネをクイっと上げながら、またキモいことを言ってきます。キモいですよね、本当。ママはどうしてこんな人と結婚したんだろう。信じられない。


そんなパパが先日仕事場で倒れました。口から血を出して、お腹を抑えていたとのことです。私は急いでパパの仕事場に行きました。容体を担当の先生に聞こうとすると、担当の先生は深刻な顔をして、私を部屋に連れて行きました。

「お父様から告げるなと言われていたんですが……」

先生は近くにあった透明のファイルから2枚の紙を取り出して、私の前に置きました。1枚目にはパパの名前とSPPN患者の文字がありました。この時点で私は声も出ませんでした。しかし、私は一応2枚目も見てみました。2名目には私の名前とSPPN患者の文字が書かれていました。

「お父様は早くから貴方様がSPPNに感染していたことを見抜いていました。まだ若いですから、症状が現れていないようですが。この病気は菌性。だから、お父様は貴方といっぱいキスをして自分も病気になって、自ら実験体になって薬を作ろうとしていたんですよ─貴方様のために」

「パパはどこ?」

「手術室です。でも、もう遅いでしょう」

「なんで!?」

「彼は今何が効くかどうかを確かめるために強力な薬を何種類も打っているんですよ。そろそろ副作用で─」

その時、手術室のドアが開いて緑色の服を着た医者達が出てきました。私の顔を見て、頭を下げてこう言いました。

「ご臨終です」

しかし、お父様のおかげで対処薬は見つかりました。その薬にはこういった成分が入っていて─年配の医者は私に説明を施しました。でも、もう私にそんな声は耳に入ってきませんでした。


その後、私はパパの作った薬を飲んで完治しました。今、日本列島にいる多くのSPPN患者をパパの薬が救っています。私は理系じゃないからパパ達の言うことはよくわかりませんが、パパはもっといい方法があったと思います。例えば私の使ったコップから菌を摂取して培養させるとか。それぐらい思いつくはずです。

でも、パパはそうしなかった。キスで私の病気を治そうとしたんです。まるで、白雪姫の王子様が姫さまの呪いをキスで解くように。


私もキスしたらパパを救えますか?

100年の眠りの呪いを解けますか?

誰か、教えてください。

ご閲覧ありがとうございました。

タイトル見て「どうした?白兎扇一どうした?」ってなった人もいるでしょう。多分今回から来た人はそう思ったでしょうね。いつもはこういうの書きませんからね。

赤十字と聞いて思いつくのがお医者さん系の話でした。後、私は父と娘の愛情系物語が好きなのでこういったお話になりました。後はなんだろう、「家に帰ると妻が死んだふりをしています」に影響受けてるかな。こっちは本当に死ぬんだけどね笑


それでは、また明日。

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