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今日から学校と仕事、始まります。①莞

ボンドで手を繋ぐとか

作者: 孤独

別に羨ましいとかではなく、俺達にもあんなことがあったと。

高校生頃に感じるものがある。そして、それ以上の年齢に達したものから見れば羨むこともしばしばか。



「幼稚園児はよく手を繋いでいるよなー」

「まったくだな」


部活のランニング中のこと。近くの幼稚園児達がお散歩をしているところを目撃した相場と舟。

園児達はワイワイしながら、外という環境を楽しみながら散歩している。可愛らしいが、ちょっと危ないところもある。引率される方の苦労がなんか分かる。

しかし、その引率にちょっとした補助して、お友達と手を繋ぐようにと言われているのだろうか?園児同士が手を繋いでいるのがチラホラ。


「あの頃は男子と女子の区別なんてどーでもよかったよな」

「だなー。遊ぶのが役割だったもんな」

「いやいや、そっちじゃなくて。手を繋ぐことくらい容易いもんだったよな」

「そうか?ガキにもよるんじゃね?」


ガキの記憶なんて、みんな曖昧だ。

相場は自分がもっと子供だったら楽して女子と触れ合えるとでも、思っているのだろうか。


「手を繋ぐなんてガキっぽいだろ。肩を掴んでもらい、街中歩く方が贅沢だろ」

「それはお前の好み。可愛い系と綺麗系の違いぐらいだ。純真さだったら、シンプルなもんさ」

「そーかい。そりゃ悪かった。お前の意見は子供と大人の差だ」

「一緒にランニングするのが、野郎じゃテンション上がらねぇよな。体力作りって事で割り切ってるが」


3年間なんて、別に長くもないが。今の時期の、3年って異様に長く感じるものだ。


「舟。俺は予言してやる。今は、大人のお姉さんが大好きって思っているだろうが。お前の5年後はどー考えても、年下を選ぶ。ロリコンに変化するかもしんねぇぞ」

「あ?彼女なしはテメェだけだ。俺は高校卒業後には彼女ぐらい持ってるさ」

「そー言っていつの間にか、婚期が過ぎるんだ。俺は欠かさないぜ。合コン、ナンパ、婚活、お見合い、……」

「結婚してる未来が視えて来ないぞ、おーい。人付き合いに計画なんてあり得ねぇが」

「ま、それでもいいさ。今の、女子を楽しむのも、今の学校生活だろ」


そう、今の学校生活でできそうな。トラブルやパニックに、前向きにと



◇      ◇



「今の内にしかできない経験ってあるか?ベタでもいいが」


アルバイトなり、恋愛なり、友達作りなり。なんだかんだで社会人でもできたりする。学生とはそれほどにもっと羨むべき時だ。


「今しかできないこと?」

「そうだ。学校らしい、恋愛トラブル的なものが、突如!俺に舞い降りたりしないか!?」


相場が相談したのは、御子柴という女子生徒。かなりの悪戯好きな、小悪魔な女子生徒である。相場もかなりの割合で被害者となっているが、それでも相談という形で話してくれるのは彼女が一番だ。なにより実行力と発言力も高い。


「そーね」

「肉体的なノリ!それでいてベタ!道の角、出会い頭にぶつかる恋愛的な、それでもいい!」

「それ危ないから止めなさい。そんなことはいつでもできるしね」


話しを聞くも、手に持つ少女漫画を読む御子柴。都合よく学園恋愛物のストーリーだ。ま、それとは関係なかったが、そこから取り出したかのように



「手が繫がっちゃう、ボンドや手錠みたいなノリのギャグあるじゃん」

「!あるな、そんなノリ」

「好きな子と違う子と繫がって、その人から好意を持たれたり、相手から嫉妬されたり、イチャイチャ展開な。アレよ。アレって今の内にしかできないノリじゃない?」

「なるほど!」

「つまり、相場。まずは、手をボンドで塗りつくしなさい」

「分かったぜ!それからどうするんだ!?」

「握手すればいいんじゃない?川中となんてどう?」

「おおーーっ!学校の天使との、ドキドキプレイ!それで完成か!やってくるぜ!!」


提案してから即実行。ひとっ走りで工具室に向かって行く。

相場が馬鹿なのだから、遠くから楽しめる。こーいう一時も、学校ならではだろう。周りが100%、馬鹿って言える環境は学校くらいだ。


「まず、相手があんたと手を繋いでくれるかしらね?」


分かっていて言っている御子柴。



ヌチャァッ



「よーし、ボンドでベタベタだ」



あとは川中さんと手を繋ぐだけ。とりあえず、手を繋いでくれるかどうか。訊いてみよう!

繋ぎさえすれば、川中さんとベッタリプレイだなんて……。えへへへ



相場は意気揚々と戻る。馬鹿だから良いのか、難所に気付かず行動を起こした。



「か、か、川中さん!」

「あ。なにー、相場くん」


川中と話すことは幾度があるが、結構な回数で緊張している。別に悪意を晒さないでお願いしてみる。


「お、俺と手を繋いでください」

「?……ごめん、意味が分からないんだけど?」


そりゃそうよ。教室で突如、手を繋いでくれって言われたら、そんな反応をするわ。


「いやいや!特にこー、ですね!」


やべぇ、どうやって手を繋ぐか深く考えてなかった。


「なんか手を繋ぎたいなって」

「!え」


言い訳を考えている内に、つい川中に見せてしまった。ボンド塗りたくりの手を


「ちょっ、そんな汚い手に触れたくありません!手を洗ってください!」

「ガーーーーンッ」

「なにショック受けてるんですか!当然じゃないですか、ボンドですか!?なんですか!?とにかく汚いですよ!」



当たり前だろ!そりゃそうよ!

優しい川中が、精一杯の、怒気を交えた注意だ。初めてのことで相場は動揺していた。一方で、遠くでそのやり取りを見ていた御子柴と舟は大爆笑していた。



「ぎゃはははは!川中さんに怒られてやんの!」

「当然の反応でしょ!あははは!馬鹿過ぎ!」


とんでもない屈辱であったが、それよりもこんな企てをした事を素直に謝罪するべきだ。


パァンッ



「すみませんでした!川中さんとこの両手で繋ごうとしていました!!」


手を合わせ、頭を下げた相場。……あ


「あ。相場くん……」

「?」

「ちょっ!三段オチしやがった!!」


気付いたのが最後であった相場。


「馬鹿過ぎでしょ!自分の両手が繫がりやがった!!」

「ああああぁっ!!やべぇ!ちょっ、離れねぇーー!」


大騒ぎする相場と、大爆笑する御子柴や舟などのクラスメイト達。しかし、その中で天使と呼ばれるだけあって


「確かお湯かければ離れやすくなるから」

「か、川中さん……!」

「一緒に保健室まで行ってあげる」


川中明日美だけは、相場が無事になるまで付き合ってあげるのであった。


「なんかずりーぞ、相場ーー!!」

「行動した馬鹿と行動しなかった馬鹿の差ね」

「なんだと御子柴ーー!?」


挿絵(By みてみん)



相場のイラストですが、彼が座っている状態です。

そのつもりです。

思ったより、相場に馬鹿さが表現できなかったのが、悔しいところですね。



そうすぐには上手くならないので、早く仕上げられるよう心掛けて取り組んでいます。継続の次は、数をこなすため、早く仕上げるのが最適だと、自分は感じました。時間かけてもそんなに変わらないし。


次のイラストは舟虎太郎で行こうかと、





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