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面白そうなゲーム

ぼちぼち上げていきます。


『Lost Filia Online』


そのタイトルロゴに目を留める。

ゲームの内容は簡単、ゲームのキャラクターになりきって戦ったり生活をしたりするMMORPGだ。

しかしこのゲーム、どうやら選べるのは耳長族(エルフ)只人(ヒューム)等の人族だけでは無いようで、何とスケルトンやレイスと言った【魔物】も選択できるのが面白いポイントだと思う。

 

「面白そうだな…」

 

ガリガリと言う音が部屋に響く。

15歳の誕生日に買って貰ったこのパソコン。

純白の機体に高いスペックを持ち、僕を瞬く間にネットの世界へと導いた。

始めて触れたネットはあまりに強力かつ魅力的で、端的に言えば僕はネトゲオタクに変身したのである。

学校の無い日には朝から晩までネット漬け。

来る日も来る日もネトゲの自キャラのスキル構成ばかりを考えて、気が付けば周りが引くほどのオタクに。

そんな僕が、今日サービスが始まる面白そうなゲームを見逃すはずもなかった。

 

「メールアドレス要らないんだ…ゲーム内だけのアカウントなのかな?」

 

名前、誕生日、血液型、趣味等々…


「結構多いな…まあゲーム内だけのアカウントって考えれば当然か。」


誕生日の横に表示された年齢が目に映る。

 

「僕も今年で19歳か…」

 

年季の入ったキーボードをカタカタと叩き、そんなことを呟いた。

4年も経てば何だって変わる。

僕の体型もだらしなく変わったし、髭も気になるようになってきた。

パソコンだって色褪せて、最近調子が悪くなってきた。

ガリガリと僕の酷使に対する抗議の音をたてるボックスの音を聞き流し、僕はカチッと【game start】のボタンをクリックした。

即座に表示されるゲーム画面。

 

「?…インストールとかも無いのか?うーん、始まったばっかりのゲームってこんなんなんだなぁ。」

【キャラクター作成】の画面が開いた。

次はキャラ作成…名前は…【カズ】でいっか。

昔考えすぎてとんでもない名前にした黒歴史がある。

 

性別は男…種族は…二種類を組み合わせて作るのか…人間は人間だけ…魔物は魔物だけ…ふーん、ヴァンパイアとかは一応亜人なのか。

まあダンピールとかいるし…一杯あるなぁ…魔物は特に多い。

何百種類あるんだ?

…まあ、せっかくだし、種族は魔物で良いか。


【生ける鎧】×【動屍体(ゾンビ)】=【屍体騎士(ペイルナイト)


空白だったキャラクターモデルの所に、一部の隙もない薄汚れた鉄の鎧を身に纏い、真っ黒でボロボロなマントを羽織る姿は正に黒騎士。

冑のスリットから赤い眼光が漏れ出す少々猫背気味でダークな#騎士__俺の半身__#が出現した。


ほら、やっぱりさ…赤目でダークな騎士とか憧れるやん?(言い訳)


背中に歪んだ盾を背負い、腰に錆び付いた剣を提げて辺りをキョロキョロと見回している。

 

「おおw何かかわいいなw」

 

種族の説明を見る。



『旅の途中で命を落とした騎士。

薄汚れた鎧を着込み暗い森などを徘徊する魔物。

彼が何のために旅をしていたのか、その目的を知るものはおらず、また彼自身もそれを覚えてはいない。

唯々命の温もりを求め、永遠をさ迷い続けるのだろう。

その死したと体と鎧、そして剣は一心同体で、生者の命を喰らいその力を増していく。

そしてこの魔物は、元が高潔な騎士だけに光と闇に対する耐性が高く、そして剣技に秀でている。』



お、おおぅ…結構重いぞ設定が…


気を取り直して、体型を決めるために一回鎧を脱がせる。

すると一部が白骨化した体のゾンビが出現した。

さっきとポーズは殆ど変わらないが、手ぶらなので両手を下ろしている。

緑色の肌に腐りかけの傷痕、生気の感じられない虚ろな瞳は片目が無い。

しかも鎧が無いせいでやたらと弱々しく見えてしまう。

 

「鎧無いと格好悪いw」

 

身長は少し大きめで180㎝位。

肩幅は広めで、体型は細マッチョで。

色も変えられるのか…色が汚いから普通の肌色にしよう。

やっぱり白骨化してる部位は無いとね、一応ゾンビだし、左半身を白骨化させよう。

眼は…赤で良いかな。

鎧を着せてみると、うん、格好いい。

ステータスも見れるみたいだ。



名前:カズ


種族:屍体騎士


性別:男

 

 

「あれ?何でレベルとかステータスが表示されないんだろ。」

 

うーん、始まってからのおたのしみ、ってやつなのかな…。 

何はともあれ、キャラ作成はこれで終了だ。

気にくわない点とかあったらまたやり直せば良いしね。

今期の神アニメのOPを口ずさみながら【go to Lost Filia Online World】のボタンをクリック。

 

一瞬、世界がずれたような違和感を感じる。

 

次の瞬間には強烈な眠気が僕を襲い、目を醒ますと------











------見知らぬ土地に、全身鎧姿で立っていた。



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