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トラブル・イズ・舞・ビジネス  作者: あすなろ
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探偵部部長蜂須賀舞

最初に探偵部が僕の通っている高校にあるなんて噂を聞いた時はどうも信じられなかった。

本来探偵って盗聴機を探したり浮気調査をしたりどうみても僕ら高校生ができるような仕事じゃないだろう。

出来ることといえば迷い猫を探す事位だ。

しかし僕は『探偵』っていう響きが好きだった。

昔から推理小説を読み漁り名探偵と言われる主人公たちの会話や仕草がカッコ良くて仕方がなかった。僕は高校の探偵部と小説に出てくる探偵との間にどんなギャップがあろうと探偵部に入ろうと思った…

4月に新入生を対象とした部活動の活動発表会では探偵部は全く姿を現さなかった。廊下にはあらゆる部や愛好会のポスターが貼られているがそこにも探偵部のそれはなかった。

探偵部はいったいどこに隠れているんだ?

そもそも本当に探偵部なんてあるんだろうか?

やっぱり単なる噂だったのか?

5月に入ると周りの殆どの連中が何かしらの部活や愛好会に入った。決して強制ではないにしろ僕の高校の生徒の殆どは放課後になにかしらのクラブ活動をしている。

大学の附属高校で受験が無いのとアルバイトが原則禁止されているためだ。

僕はクラスの友達や選択科目の知り合いに探偵部の隠れ場所を聞き回ったが誰も知っている人はいなかった。

5月の半ばに差し掛かるといよいよ僕は焦りだし他の部活か愛好会に入ろうかと思い始めた。一年生でクラブ活動をしていないのは僕だけだったからだ。

今から体育会系の部活に入るのは気が引けるので僕はいつ入っても歓迎されるであろう誰も入らないようなマニアックな愛好会に入りつつ地道に探偵部を探そうと思った。

クイズ研究会…ここなら人数も少なそうだし今からでも入会歓迎そうだな、高校生クイズも毎年一問目で敗退してるような緩い愛好会だ。

5月21日の放課後になると僕はクイズ研究会のある教室に行きドアをノックした。「はい」と短い返事があったので僕は失礼しますと言いドアを開けた。

クイズ研究会の教室にはいると驚いたことにクラスの担任の桜庭綾子先生がいた。桜庭先生は僕がドアの前で立っていると笑顔で「遅かったじゃない?首長くして待っていたわよ」

と言った。僕は先生が言っている事の意味がよく分からず「えっ、待っていたって何がですか?」と言った。

すると教室の中には先生の他に2人クイズ研究会らしき女子生徒が椅子に座っていたがそのうちの1人が立ち上がると

「ようこそ、探偵部へ!三好圭右君!あなたを歓迎するわ」と言った。

僕はますます意味が分からず頭の中でピヨピヨとヒヨコが鳴き出した。

僕はクイズ研究会に入ろうと思いドアを開けたのになぜか中にいたのは僕が一ヶ月半も探し回っていたあの幻の探偵部だった。

「あなたが入学早々探偵部を探してたのは知っていたわ、私にも相談に来てたしね、でも私は教えなかった。探偵部に入りたいのなら自分の足で探し出せるくらいの調査能力がなきゃ入ってもただの足手まといだものね、三好くんあなたは合格よ!」

「あのー、クイズ研究会ってのはなんですか?」

「クイズ研究会は去年に潰れたわ。もし仮に入部希望者がいたら超悪問を出して答えられなきゃ残念だけど入部できませんって追い出すわよ。それともあなたはクイズ研究会に入りたいの?」

「いいえ、例えばどんな?」

「そうね…広辞苑第二版と三版が発売されたのは何年の何月何日でそれぞれのページ数は?とかね、分かる?」

「わかるはずないです…ちなみに答えは?」

「そんなの私も分からないわよ、今咄嗟に思い付いたんだから」


僕と桜庭先生が会話をしていると先ほど僕を歓迎してくれた女子生徒が僕に近付いてきた。

「私の名前は蜂須賀舞、探偵部部長です。ちなみに私の隣にいたのが副部長の北条瞳」

そういうと蜂須賀先輩は北条先輩に軽くウインクをした。

北条先輩も僕に近付いてきて「よろしくね、瞳先輩かパイセンでいいよ」と言った。




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