第83話:白き竜の亡骸を。
昨日に続き、お久しぶりの投稿です。
観光と買い物を並行したら約束の1時を過ぎてしまった。30分くらいでは怒らないとは思うが、フィアちゃんには手早くプレゼントをあげよう。
約束の西公園に着くと、入り口近くのベンチにフィアちゃんを見付けた。
「……誰だろ?」
「男の人ですね。」
ベンチには二人いた。もう一人は軽装だが武具を纏っている男。冒険者だろうか。
フィアちゃんは自分の事を余り話さないので友人関係などは知らないんだけども、今日の「用事」とは訪ね事だったのだろうか。
フィアちゃんもこちらに気づいたか、立ち上がり、こちらに駆けてきた。
「もう半時は過ぎとるぞ。待ち侘びた。」
「ごめん。」
「……良い、早う行こう。腹が空いた。」
「それはいいけど、あの人は放っていいの?」
「奴は嫌いじゃ気になるなら飯の時に話してやるから早う逃げよう。」
悪態をぼやいて公園をそそくさと後にするフィアちゃん。じゃあなんでベンチで喋ってたんだ……。
足早にフィアを追いかけた。
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中央広場にほど近い食事処、焼き魚が旨い。しかしなぜこの地域は食事が純和風なのだろうか、気候が全く違うのだが。
「ところでフィア、あの人は何だったの?」
「何と言えばいいかの……、兎に角、嫌いな部類の人間じゃった。悪い奴とは言い切れんが、内心を見透かされているかのようで気味が悪い。」
「占い師か何か?」
「よく判らん。冒険者だと名乗っておったが、果たしてどうだろうの。」
やはり冒険者か。見覚えのない装備だからこの辺りの人ではないと思うが、帝国の方だろうか。
「帝国からガガールを越えてきたと言うので密偵やらかと疑ったが訛りからして出身はルクメスク王国じゃろうしのう、素性がしれん。」
「開戦したからオヒニアに逃げてきたんじゃない?」
「いや帝国の宣戦布告はニザロに到着してから知ったらしい。ガガール越えは十日以上掛かるからの、知らんでもおかしくはない。」
よくそんな山を旅路に選ぶな……。
「そんな人と何の話してたの?」
フィアちゃんは顎に手を当てて一考する。
「……まぁ話してもいいか。
妾はの、数年前から『竜の痕跡』を探しておるんじゃが、どうやら此処ニザロ近郊に『白の亡骸』……つまり『白竜の遺骸』があるようでの。
彼奴、ルク-ケンファーも目的が同じようで、情報交換をしようとなった訳じゃ。
妾を『竜族』だと見破るほどじゃから交渉に乗ってみたのじゃが、迂闊じゃった。」
迂闊?
「迂闊って?」
「それがのう、どうやら話術をもって情報を一方的に盗られてしまったようでの……。途中まで気付かなんだ。」
やはり占い師なのでは。
「ニザロに白の亡骸があると確信したじゃろうな。早よう探さぬと先に獲られるかもしれぬ。」
「そんなに貴重なものなの、その『白の亡骸』って。」
確か白系統の竜種って青系統の竜種より強いとかなんとか。
「有象無象の白い竜とは訳が違うでの。『白の亡骸』とは、白い竜の原種である、始祖十二柱が一人、『向心の白竜』、その遺骸じゃ。」
始祖十二柱……、聞いたことないな。向心の白竜?
「ラタン宮の説明には『遥か昔、この地で死に絶えた白い純血の竜』と書いてあったよね。」
「竜族の者なら『純血の』などとは表記せぬじゃろうな。本来『竜』とは白竜を含む始祖十二柱のみを指す言葉じゃからの。原義は『鱗を纏う者』を意味する古代ギオ語じゃが。」
古代ギオ語?
「一般には魔術語と言われておる。」
「ああ、魔法陣描く時の。」
「現在では風化し、読みが忘れ去られてしまったがの。」
あれが文化的な言語だったとは思わなかった。精々プログラミング言語かと。
「でのフール、ユウ。可能なら白の亡骸を探す手伝いをしてくれぬか。先を越されると厄介じゃ。」
「正確な場所は判ってるの?」
「見当はついとるが、近付いてみん事には判らん。」
「今から行く?、もう2時半だけど。」
行き先によっては宿に戻るのが遅くなる。
「魔法で飛べば4時には着く。探索に時間が掛かるやも知れぬが、そこは判らん。」
「私魔法使えないんですけど。」
「馬に乗ってくればよい。」
「置いてかないでよ?」
「もし逸れたら[神眼]で捜せばよいじゃろ。」
「逸れたくないんだけど。」
これ絶対置いてかれるパターンだ。
もう書き溜めは無い。なるべく早く書けたらいいなぁ……。




