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暇つぶしにドラゴン狩ってきます。  作者: c/1-0@斜の廃塔。
知らない世界を見よう。
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第79話:オヒニアを散歩する知識不足な私。

5w2dぶりですハイ。前期単位全部取れたか怪しいですハイ。


……夏休み中は誠心誠意執筆をしたいです。でも明日から家族旅行に連れていかれます。インターネット通信媒体がスマホだけになる環境で生きていく次第です。ハゲそう。



=2,131=

 旅館の一室で気持ちの良い朝を迎えた。雪の積もる朝早く、中心街へ散歩に出掛けると、昨晩の喧騒は何処へやら、静かだ。人通りが少ないならまだ店も開いていないか、と思ったがどうやらそうでも無いらしい。


「これは餅ですか?」


 ほんのりと漂う、焦げた醤油の匂いにつられて、宿屋通りの一角で焼き餅を営む店を覗く。


「ええ、蒸した米をつぶして、醤油を塗って焼くんです。この辺りでは有名ですよ?」

「ルクメスク王国ではあまり見かけませんねこう言った料理は。炊いたご飯はよく食べるんですけど。

 これを一つ頂けますか。」


 ルクメスク王国は米の調理方法が発展しておらず、主に炒めだ。炊きすら珍しい。しかもモチ米が無いので、個人的に作ろうにも、炊き込みご飯すら納得のいく物が作れない。


「オヒニアとはお米の種類が違うらしいですね。ええと、しょうゆ餅ですね、銅貨3枚です。」


 小銭入れから銅貨三枚をカウンターに置く。受け取った店員さんはカウンター裏の引き出しにしまう。


 餅が焼き上がるのを、街並みを眺めて待つ。


 それにしても、オヒニアの建物はカファイドとはまるで違う雰囲気だ。石材ではなく木材を基調にしているからだろう。屋根にも瓦を使っていて、日本家屋とよく似ていると思うが、建築技術自体は到底似ているとは言えない。三階建てだし、屋根は階ごとに無いし。最早なんで建材には共通点があるのか?と言いたい。


「お客さん、お餅焼けましたよ。熱いうちに召し上がって下さい。」

「有難うございます。」


 餅を食べながら静かな大通りを散策する。

 私は歩きながら他愛もない考え事をしている時がある。内容は本当にバラバラで、大した意味も無い。個人的に納得がいけば良いので、人に話す事も無ければ覚えておく気すら無い。

 今考えているのはこの国オヒニアの成り立ちについて。

 勿論、旅に出る前に事前情報として色々な文献を読んだ。先ずはその内容をおさらいしよう。


 元々オヒニアには一つの小国家が存在していた。歴史は2200年ほどであり、大国ルクメスク王国を圧倒し、シルート帝国など赤子の様である。しかし凡そ400年ほど昔、別大陸からの移民が影響してか、王制が革命により崩壊し、国民主権を掲げる大陸初の民主国家へと変貌した。オヒニア革命と呼ばれるこの革命は、当時ツェーオ山岳地帯を挟んで存在していた、ルクメスク王国の首都アイドに危機感を募らせ、時の王は現王都カファイドへの遷都を余儀なくされた。


 その辺りで見付けられる本にはこの程度しか記述されていない。

 正直な所、これは不自然。大陸史上類を見ない大事件であるにも拘らず、民衆は詳細を知る術が無い。王国における革命を避ける思惑があるのかも知れないが、事実、ここ数か月前にクーデターから誕生した国、シルート帝国に関する情報は統制されていない。政策なら一貫性が無いのは可笑しい。

 加えて「移民」に対しての記述がどの文献にも無い事、これが不自然さを際立たせる。革命の引き金が移民だから記述していないのかと思ったが、それならツェーオに厳重な検問を設けてある筈だ。


 では、なぜオヒニア革命の情報が少ないのか。

さっぱり判らない。

 初めは同時代にあった第四次大陸戦争で焼けたのかと思った。しかしよくよく調べてみると、第四次戦争はオヒニア革命より十何年は前の出来事であり、直接の原因には成り得なかった。


 でも判らないなら判らないなりに予想をしてみよう。

 先ず、情報公開が出来ない理由を大まかに分類する。「秘匿」か「紛失」だろう。要するに「したくない」のか「しようがない」のかと言う訳だ。

 「秘匿」に関しては、そもそもルクメクス国民は政治の内容を知り得ないのでどうにもならない。独裁国家ゆえ致し方なし。オヒニアで再調査しよう。

 「紛失」なら1つ、可能性の高いモノを思い付いた。先代のルクメスク王、通称糞野郎。彼が独断と偏見で国中から抹消したのでは?という説。


「……いや、それは過激すぎるかな。」


 先王についての資料は妙に悪名が際立っていて、完璧な真実か疑わしい。現王の名声を挙げる為の策略だろうか。何にせよ偏見が大いに含まれていそうなのだ。インターネットが無いこの世界じゃ情報源が嘘を付けばそれは容易に真実となって広まるのだろう。



 ……オヒニアについて考えていた筈が、いつの間にか先ルクメスク王になっている。頭もこんがらがってきた。


「太陽まで上ってきてるし、ほどほど時間は経ったかな。」


 宿に帰ろうか。朝食もまだだ。しょうゆ餅は懐かしさもあって、とても美味しかったよ。美味しかったけども。私の胃袋を満足させるには程遠いね。主に量で。




 旅館の一室に戻ると、外出した時はまだ寝ていた二人もすでに起きていた。まぁユウちゃんは何時も早めに起きるんだけど、フィアちゃんがしっかりと覚醒しているのは珍しい。


「フィア、朝食が楽しみだから早めに起こしてくれって昨日言っていたんですよ。」

「夕餉が旨かったのだから致し方あるまいて。」


 無理矢理朝食取らせた時ってフィア、何食べたか覚えてないからね。食べたかどうかもあまり覚えてないし。

 しかしまぁどうしてこんなに食道楽ばかりが集まってしまったのか。けどさ、私は料理好きだから食べてもらえる人がいるのは嬉しいよ。感想聞けるし。



[第80話]8/21 (日)(after 1w+4d)投稿予定。

 前書きでも言いましたが、ネット環境が死滅するので、 Word で大量のストックが出来る or 力尽きて遅刻になります。楽しみが海鮮しかないんだよー。

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