第71話:対竜疎かな青飛竜(ヒ・フォセイ)の四連星アタック。
お久しぶりの投稿です(半年振り。また週刊だか2週刊だかで投稿していきたいと思います。
第71話投稿と同時に粗筋を外伝風にしたものを投稿しますので、下記のURLで飛んでみて下さい(まだ第33話までですが、少しずつ増やしていきます。
題名は『天使アルファの日記帳。』です。コピペ出来ない方は作者マイページからどうぞ。
文字数はこの話より少ない程度しかないのでサクッと見れるかと思います(4/1現在。
http://ncode.syosetu.com/n9411dd/
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フィアちゃんは先に駆けていって既に遠距離系魔法で応戦している。私が傍観している訳にはいかない。ユウちゃんは青の珠が付いた杖と鍔の大きい三角帽を装備し、帳から出てくる。
「空中戦ですけど今回は弓がありますしフールさんも戦えますね。」
「あー弓ね、確かに。」
事前演習なしで新しい装備を試すのは気が引けるけど、この弓は空中に打つなら誤射はまず無いし丁度良いかもしれない。
馬を降りて【アイテムボックス】から弓本体と付属のガントレットを取り出し馬車に並べる。
「あれ、普通の弓じゃないんですね。折り畳まれてて弦も無いですし。」
「うん、魔導弓って言う方式で魔法の矢が撃てるんだって。自力で魔法撃てないし丁度いいかなと。」
「魔力切れには気を付けて下さいよ。只でさえ魔法使うの慣れてないんですから。」
「無理はしないよ。」
私としては魔導式の装備が前々から欲しかった。家具や調理機器で普段から使っていたとしてもこれらは消費が少なすぎて魔力が余っているのだ。とはいえ特殊な装備は総じて希少で高価、オークションに参加すれば買えるかもしれないがそれだと更に値が上がる。サイラントの市で見付けたのは本当に運が良かった。
「ガントレットは弓用の防具ですか?」
「防具の役割もあるけど主役は魔力の供給補助で、着けないと威力が下がるんだって。」
留め金を外して左手を差し込む。拳を握り感触を確かめると留め金を再び着ける。少し重量があるが動きに支障が出るほどではない。展開させておいた魔導弓の持ち手をガントレットを装着した左手で掴むと、弓の両端から青色レーザーのような弦が張られる。無論実際は光ではなく魔力そのものだ。色は個人の特性らしく、私の場合青色。
「よし、準備完了。そっちはどう?」
「問題ないです。万一の為にできる所は装備してあったので。」
「じゃあ補助魔法お願い。」
「魔法の矢なら速度は充分ですよね。なのでパワーにしましょう。
【Atack Energy of the Arrow】強化エンチャント、発動します!」
ユウちゃんの握る杖の青い珠が仄かに光り、魔導弓に力を与える。
「普通の弓なら50発ほど持つ魔法だけど、それは特殊なのですぐ切れるかもしれません。」
「おーけー、切れたらまたお願い。」
「では私は怪我人の治療と守備の援護に行きます。くれぐれも気をつけて下さいよ。」
そう言い残してユウちゃんは襲われている彼らの下へ駆けていった。防衛は任せて私はフィアちゃんの応援に向かおう。
いざフィアちゃんの方に行ってみると、思いの外冷静に青い飛竜たちを1体ずつ魔法で打ち落としていた。突撃していった雰囲気だともっと大暴れしているかと心配したが杞憂だった。近づいてきた気配でも感じたのかフィアちゃんが獲物を屠る手を一時止め、こちらを振り返る。
「どうした、遅かったの。」
「この弓の装備に手間取ってね。」
「…………ああ、魔導弓か。お主には丁度良いな。」
「でしょう?」
「それがあるなら奴らを追い払う手助けも出来るな?、倒しきるには数が多いからの。」
視線を外し空を見上げると、4匹の飛竜の影が水色の空を羽ばたいている。この数を倒しきれないとすると1体での戦闘力も相当ということだろうか。しかし周りを見れば既に3体の屍が横たわっていて、あと4匹程度なら討伐しきれると思うのだけど。
「……奴らは見えている他にもおる。」
「え?」
「群れを成す”青飛竜”は、全員で狩猟をしない。精々4頭だの。」
現在飛んでいるのは4頭だが、倒したのを含めると計7頭。そしてフィアちゃんの言葉。そこから推測されるのは、
「…………なるほど、補欠がまだまだいるって事か。」
「倒しても山の向こうからチームを補充しに来おった。これでは幾ら倒してもキリが無いからの、奴らを諦めさせた方が都合が良い。」
「どうやって諦めさせる?」
「勝てないと判らせてやるのが良い。知能はある程度持っておるから不利になれば巣に帰るだろうの。フールは魔導弓を撃って牽制してくれ。当てずとも魔力の質や量を感じて慄けば良し。まぐれで当たれば尚良し。」
え、ひどい。と反論しようかと思ったがご尤もなので黙る。そのまま無言でいるのも癪なので上空の飛竜が旋回しているのを観察する事で誤魔化す。よく見ていれば気がつくが、飛竜4頭が旋回する真下は負傷者が蹲っている正にその場所だ。獲物は群れの弱者、弱肉強食な世界の道理は竜種でも人間でも変わらないか。
「そろそろ次が来るの。」
「判るの?」
「特殊な音波で意思疎通をするからの、聞ければ戦いが容易に進められる。」
「ほー。」
竜特有の音域なのかな、青飛竜も警戒心が強いようだけど、敵が同じ竜という発想は無いのだろうか。
そんな事を考えているとフィアちゃんの言う通り、飛竜の1頭が旋回を止め滑空してきた。フィアちゃんは即座に反応して白熱レーザーの連射で迎撃する。が、私はというと弦を摘まんで魔法の矢を形成したものの狙いを定める頃には飛竜は既に低空まで進んでしまっていて撃つのを躊躇ってしまう。
「お主は空の3頭を牽制してくれ、連続で来ると対処が出来ぬ。」
突撃した飛竜が白熱レーザーに耐えかねて上空に戻っていったかと思うと、別の個体が突撃してくる。連続攻撃を仕掛ける為のフォーメーションだったか。
まぁ任された以上は期待以上の仕事をして見せましょう。1体くらいは打ち落としてやる意気込みでいこう、なんなら2体でもいいぞ。
一週間後は確実に忙しいので(大学関連)次話は4/17(日)12:00に投稿したいと思います(リハビリも兼ねてます。
第3回(?)作者からの質問コーナー。
文字数と投稿頻度なんですけど、週間2,000字って少ないんですかね?、回答の云々で文字数を少し増やそうかなぁと思っています。投稿頻度は日刊とかは無理です、というかしません。




