第66話:旅をしていると、悲劇に涙を流せない。
おっそーい!(島風感
[俺タワー]カンストのドラグラインさん破損したけど私は元気ですorz
まぁ2日でLv.106まで戻したけど。
=2303字=
次は多分フール視点に戻る。
視点変更[ルク・ケンファー]⇒[レイナ]
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あれはそう、ルクさんを見送って家に帰り、朝食の片付けや庭の手入れをしていた時でした。
誰か叫ぶ声がした。
その声は甲高く、女性の様でした。
此処ユカ村には女性は何人か居るけど、声から察するにミラさんかなと思った。
彼女の家は草原の方だけど、悲鳴は森の方から聞こえた。
日課の薪拾いにでも行って居たのかな。
実は前にもミラさんが『結界柱』の範囲圏外に出てしまい、危険生物に攻撃された事があった。
なので私は今回は(又ですか……もう。)と文句を言いながらも、手当ての為に自家製の薬草を採取し煎じ始めていた。
しかし、少しして異変に気付く。
何か音がしたんです。それも聞き覚えの無い、まるで身体に焼き印を押したかの様な音が。
そしてその後に響く硝子が砕けた様な音。
しかもその音は森から頭上を通り、草原の方まで連続して響いたんです。
勿論私は何事かと庭に出て空を見上げました。
けれど何もなかった。何時も星の様に輝いていた、結界柱から出ている光の集合点さえも。
私は漸くその時、とんでもない事が起きている事に気付きました。
急いで庭の倉庫に走り、昔使っていた鎧と弓を引っ張り出しました。
最初の悲鳴が聞こえた方向、森に向かいました。
森が見える迄に、燃えている家々を見ました。
森の近くまで来ると、私は魔法を使い、敵の位置を探りました。
幸い敵の位置は直ぐに判り、未だ私の存在には気付いていない事もハッキリしました。
他の人達が居ないかも調べたかったのですが、周囲には居ないようで反応はなかったです。
敵の進行方向から視界を察して背後に大きく回り込みました。
見えていなくても臭いなどで察知されたら危ないですから。
そして回り込んで物陰に身を隠し、ソッと覗いた先にあったモノに私は希望を失いかけました。
それは大きな竜でした。
私が見た事も聞いた事もない様な、巨大な竜。
翼は争いの痕か、穴だらけでしたが、その四肢に付いた強靭な筋肉、そして1脚4爪の鋭い刃。
巨竜、その赤黒い鱗を視界に叩き付けられた私に、一瞬の硬直が起きました。
その時の私は不注意でした。
隣に置いていた矢筒を倒してしまったのです。
ごうごうと燃える音以外には何もない、そんな時に響く[カーン]と軽い音。
それは私の意識を覚醒させると共に、巨竜の注意を引くには十分だった。
呻り声を上げながら、巨竜は首を擡げる。
縦に切り裂いた瞳孔が見えた。
その瞳は赤く、直感的に恐怖を感じました。
私は既に見付かっていると悟り、立ち上がりました。
矢筒を背負い、弓を左手に携えていながら、私の脚は震えていました。
巨竜の発する熱い魔力の奔流に怯えていたんです。
私は矢を引き抜き、弓を構え、巨竜目掛けて放ちました。
恐怖の中でもしっかりと狙いは定まり、巨竜の首の内側、最大の弱点である其処に命中しました。
…………命中はしました。只、掠り傷すら付かなかった。
呆然とする私の目の前で、巨竜は首を後ろに引き、牙の並ぶ口を大きく開けた。
咽喉が光るそれを見た時に、すぐ私はブレスの前兆だと悟った。
でも、気付いた時には既に遅かった。
放たれた灼熱の球は私目掛けて飛んできた。
気付いてすぐ横に飛び退いていたので直撃は避けれましたが、弓の先に当たり、溶解してしまったんです。
しかし、衝撃は左腕にも至り、私は倒れ込んでしまった。
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視点変更[レイナ]⇒[ルク・ケンファー]
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「…………それからの記憶はありません。
只、何か暖かいものに包まれたかの様な感覚があった事だけは覚えています。」
「そうでしたか、成程…………。」
ふむ、話を聞く限りだと、堕落者はこの村に来る前から怒っていた様だな。
あの結界を破るなど奴の熱球1つで事足りるが、奴はそもそも基本的には戦わない。
怒っていなければ結界破りなどせず、迂回して何処かへ去った筈だ。
「…………所で、あの巨竜はどうなったんですか?」
真剣な眼で俺を見つめてきた。
「…………逃げられました。
左眼と逆鱗を穿ち、怒りは収めましたが、又誰かがちょっかいを出さないとは限りません。
少し不味い事になってます。」
「…………流石ですね、あの竜の収め方を知っているなんて。」
「経験則ですよ、初見であろうとなかろうと少し観察すれば判ります。」
「…………凄い。」
レイナさんは驚いている、いや、呆れているのか?
微妙な表情だ。
その後、俺とレイナさんは荒果てたユカ村を回った。
しかし、1人の死体すら確認できなかった。
恐らく熱球によって身体ごと蒸発したのだろう。
魔力で収縮させた青白い熱球には俺の装備でさえ直撃すれば危うい。
その事を聞き、レイナさんは顔を覆って泣き崩れた。
俺は何も言わない。
少し前まであった日常が消え失せたのだ、俺には理解し難いほどの思いがあるのだろう。
声を漏らさないのは自分への贖罪か。
暫くして、レイナさんは立ち上がると、その辺りに散らばっている木材を集め始めた。
2枚の木板を麻紐で結び、村の中央、花壇であった其処に突き立てた。
「…………遺体はなくても、お墓は立てたかったんです。」
「俺も少し手伝おう。
【不可侵の領域】目標に展開。」
十字架の頭に触れ、結界柱化させる。
コレでもし堕落者が襲おうと、この十字架は倒れない。
「これは…………、まさか結界柱と同じ効果ですか?」
「ええ、詳しい事は話せませんが、済みません。」
「大丈夫です、聞いても何の特にもなりませんもの。」
その後、俺達は共に街に行く事になった。
彼女1人で暮らすのは流石に不味いと彼女も判っていた様で、素直に付いてきてくれた。
これからどうするかはまだ判らないが、出来るだけ支援しよう。
1週間後9/6(日)[第67話]投稿予定。
主人公がドラゴンと戦うまでに後何話あるのだろうか……?




