第55話:人に報告する事と、人に秘密にする事。
木曜は諦めます(唐突。
流石に色々と生活が忙しい、なので夜更かしできる土曜執筆の日曜投稿に切り替えます。
その代わりと言っても何ですが、クオリティは上げていければと思います。
=1624字=
「それじゃあ、その情報が書いた紙とやらを見せてくれ。」
「あ、はい、コレです。」
グーデントさんにあの紙を渡す。
今私達は三人部屋に集まり、作戦会議をすることになった。
三人分の椅子しかなかったので、ユウちゃんとフィアちゃんにはベッドに座ってもらっている。
「『エントの森』西部に目撃情報が集中しているな。」
「そうですよね、手っ取り早く遭遇するなら其処が良さそうです。」
貰ってきた紙の中には目撃情報を幾つも書かれているものもあった。
場所や体長、仲間の有無など、狩りに役立つ情報が多い。
「しかし、群れを見たと言う情報もある、西部の中央付近に行くのは危険だ。」
「じゃあ周囲に居るはぐれた一匹を倒す方向で?」
「それがいいな、探すのに時間が掛かるかもしれないが。」
「そこは妥協しましょう、安全第一です。」
もう死にたくないです。
皆も圧死してみると良い、苦しいから。
「明日は依頼達成後、一度宿に戻り、そのまま王都に戻る予定だ。
だから早めに起きて討伐しに行くぞ。」
「でもそんなに早く見つかりますかね?」
「イノルグの移動距離はそう長くない。
目撃情報も新しいから問題は無いだろう。」
「…………成程。」
プロフェショナルは素晴らしい。
一緒に誘って良かった。
考えれば判ることも多いけど、発想が難しいこともあるからね。
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明日は早朝5時出発。
今は20時だけども、そろそろ寝ましょうかね。
万全の状態にしておきたいし。
寝ぼけてウトウトしてたら死んじゃったよ、てへぺろ☆ミ
舌出してる場合じゃねーよ。
「妾はもう寝るが、お主らも寝ては如何かの?」
「そうだね、私もそう思ってた所。」
「明日早いですもんね。」
安宿だけどベッドはちゃんと三人分あるので、ゆっくり寝られる。
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「ふぁあ……、あ、おはようフィアちゃん、早いね。」
ベッドから起きるとフィアちゃんが椅子に座っていた。
「いや、妾も起床からそうは経っておらん。
お主こそ、未だ起きるには早いのではないか?」
瞑想しているかの様に瞼を閉じていたフィアちゃんだったが、私が挨拶をすると此方を向いた。
「チョッとね、緊張と言うか、気合い入れすぎと言うか。」
「お主が緊張のぅ……、イノルグ相手なら余裕で勝てるじゃろうに。」
「いやいや、そこまで甘くないでしょ?
私なんてまだゴブリンしか倒したことない駆け出しなんだし。」
未知のモンスターに挑む人を勇気づけてくれるのはいいけどさ。
「…………そもそも妾は其処が気になるのじゃが、何故お主はその程度の戦績でその能力を持っている?
Sランクの冒険者にでも手伝ってもらったのかの?」
「……あー、その話かぁ、余りしたくないんだけど。」
其処を聞かれると私の異端児っぷりがバレちゃう。
嘘付いても見抜かれそうだし。
「…………まぁ、良い。話したくない事の1つや2つあるじゃろう。
嫌な事を聞いて済まぬな。」
「いや、話せればいいんだけどね、ホント。」
話したいという気持ちはある、しかし話せない。
ユウちゃんになら信じてもらえるか判らないし、拒絶されても辛い。
フィアちゃんはきっと信じるだろうけど、どう反応されるか判らないし。
兎に角話したくない、理由ははっきりしないけど。
「……妾にも、そしてユウにも、隠し事はある。
秘密など実に普通な事じゃ、寧ろ生物的には完全な意思疏通が可能な事の方が異常であろう。」
確かに、イルカとかはできるらしいけど。
「と言うかユウちゃんって何か隠し事してるの?
その口振りからして知ってるみたいだけど。」
「妾の口からは言えんな。」
何それ気になる。
別に悪い事じゃなきゃ何やってても怒る気はないけどさ。
「…………おはようございます、何の話ですか?」
「あ、ユウちゃんおはよう、ちゃんと眠れた?」
「はい、体調もバッチシです。」
危ない、話を聞かれる所だった。
秘密にしてるんだったら、そっとしておこう。
(何の話してたんだろう…………?)
ユウちゃんの頭上にハテナ浮かんてるけど、ゴメン、私はその問いに答える事ができないんだ。
一週間後6/21[第56話]投稿予定。
日にちを変えたのに遅れてはならない(戒め。




