第5話:人いたけど………逃げたい。**
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これからどうしようか。
考えながら周囲を見渡す。
「…ん?」
地平線ぎりぎりに人発見。
あの人達なら街が何処にあるのか知ってるかな。
一先ずそっちに行こう。
…近付くと良く見える様になって来たんだけどさ。
全員剣やら弓やら持ってるわ。
しかもその人達の真ん中には馬車があるわ。
明らかにそんな事聞ける人達じゃない。
馬車が襲われてると思われ。
ここは助けに入るべきですかね?
だが俺には能力はあるけど、戦った事何て勿論無い。
何か武道を習っていた訳でも無い。
強いて言うなら学校でやった柔道程度。
しかし、ここで見捨てては後味が悪い。
と言うかこのままふらついてても仕方無い。
能力を一切使わず餓死するのもあり得る。
防御力は平均の250倍あるらしいし、死ぬ事は無い(願望)。
いざとなれば逃げればいいし…(へタレ言うなし)
さあ助けに行きますか。
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私は布に包まって隠れている。
今、周りを盗賊に囲まれてる。
私は王都に行く途中だった。
叔父さんと一緒に乗っていた。
叔父さんは盗賊を倒すために馬車から飛び出してしまった。
(こんな事になるなら来なきゃ良かった)
と一瞬思ったけど、私には王都に行くしか無いんだった。
(はぁ…)
ため息がでた。
バタンッ
(あっ!?)
盗賊たちに見つかった!?
「おい、もう一人いるぞ」
「いやっ!離し「うるせーよ!」うっ!」
私は盗賊の一人に思い切りお腹を蹴られて吹っ飛ばされる。
「ゲホッ、ゲホゲホッ!」
咳が止まらないけど、死ななくてよかった…。
今度はわき腹に痛みが走る。
私は意識を手放した…
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俺はあの襲われているっぽい馬車を助ける為に走り出した訳ですが…
「とーまーれーなーいーーーーーーーーーーーッ!!」
速度がぁ!たぶん100キロ位出てる!
「うわああああああ「ぐべしっ!」ッきゃあ!」
なんか女みたいな声が出た。
まあそんな事は置いといてと、何かに当たったお陰で止まれた。
俺は何に当たったんだ。
周りには、さっき遠くの方に見えてた人達が呆然としているんだが。
「あのう、どうしたんですか?」
俺は立ち上がりながらその人達に聞いた。
しかし予想はしてたけど、やっぱり女っぽい口調だった……orz
まあ思ったより酷くなくて安心。
「ぐべら」
足裏に違和感。
下を見ると人を踏んでた…
「あ、すみません。すぐ退きます」
でもこんなとこで寝っ転がってる方も悪いと思うんだ。
「おっ、お前は一体何なんだ!」
聞かれたら答えなければ、男として!
………今は女だった。
「私はあの馬車を助けに来た、ただの一般人です!」
「「一般人があんな速度で飛んでくるか!」」
突っ込まれました。
でも正論。言い返せない。
(2014;02/09改稿)