第46話:黒鱗の尾と純白の瞳を持つ少女。
4/9、19:30現在、未だもう一つの小説は書けていない模様(やべぇよマジやべぇ)
=1863字=
今回で10万字達成。
「しっかしまぁ、ドラゴン、でかかったなぁ。」
今日の一狩りを終え、王都への帰還途中、草原を歩きながら先程見たものについて考えに耽っていた。
「あれは絶対にドラゴンだったよなぁ。飛んでいった方が王都だったら一大事だったのかな。」
あの時には恐らく王都外周の城壁が閉ざされていたんだろうか。
今はもう開いてるかな、そこそこ時間も経ったし。
あの巨体で襲われたら一溜まりも無さそうだ。
……そういえばメートル換算するとどれくらいだっただろ?
某狩りゲーのモンスターが飛んでいる時のを参考にすると…………、
「20m位? 小型飛行機より大きかったけど、尻尾が長かったから胴だけ見たらもう少し小さめかな、十分でかいけど。」
(あれと戦う日が何時か来るのだろうか?)
などと絶対に起きてほしくないことのフラグを言って自分でへし折りながら歩いていると…………、
「…………あ。」
凄いデジャビュと共に、王都より1kmほどの丁度城壁が見え始める所でひとりの少女が倒れているのを見付けた。
「…………っと、ボーッとしてる場合じゃない!」
前と同じようにかけよって、取り敢えず息を確かめる。
「…………よし、ちゃんと息してる。」
その後、彼女の容態などを診る。
怪我はなく、特には問題無さそうだが、一つ、いや二つ気になることがある。
今回は猫耳ではない。
「………尻尾と……角?」
耳の後ろ辺りから一対の角が生え、尾骨が本当に尻尾の付け根になっていた。
その容姿がまた新たなデジャビュを引き起こさせる。
「まさか……ね?」
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「と言うことがあった。」
「それがその背中の子だと。」
「そうそう。」
この角っ娘を背負っている訳を、ユウちゃんを引き取りに来たミーちゃんに聞かれたので掻い摘まんで説明した。
「なんと言うかふうちゃんて、私の時もそうだけど基本お人好しだよね。」
「……うん、自覚してる。でもかと言ってほっとけなかったし、私的には後悔はしてない。」
「後悔してないんだったら良いと思うよ、後悔するのって辛いし、ね?」
「そう、だね、うん。後悔はしたくない。」
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取り敢えずユウちゃんと共に宿に戻り、謎の少女はベッドに寝かせた。
仰向けは尻尾が邪魔そうだったので横向きに寝かせている。
「私が言うのも何なんですが、騎士の駐屯所などに預けたほうが良いんじゃないですか?」
「う~ん、迷子だったら一応報告しには行くけど。
取り敢えずこの娘が起きてからかな。」
「…………そうですね、聴いてみないことには何があったか判らないですもんね。」
そんな話を二人でしていると、
「…………ん、ううん…………。」
「お、気が付いたかな?」
「…………ここは?」
謎の少女が目を醒ました。
少女は目を擦りながら周囲を見渡している。
「取り敢えず色々聴くけど、良いかな?」
「…………なんじゃ?」
(じゃ……?)
外見≠実年齢の系統かな。
いや、語尾だけで判断しちゃいけない。
「自分の名前は判る?」
「……何を言っておる? 自らの名など忘れるものではないじゃろう。」
「じゃあ次、なんであんな場所で倒れていたのかな?」
「何故か…………言うなれば飢餓が最大の理由じゃろうか。
これ程の長き旅路になるとは想定しておらんかった。」
「親族は誰か近くに住んでる?」
「両親は遥か遠くに亡くし、妾はこの天下に血縁など居らぬ。」
「そうなんだ…………。」
地雷を踏み抜いたかと思ったけど、もうこんな質問では動じない位に整理はついているようだ。
でも余り話題に上げない方が良いかな。
「質疑応答は以上か? ならば次は妾の番じゃ。
空腹で倒れた所を助けてくれた事は感謝する。
しかしお主らは誰なのじゃ?
このような事をしても一切お主らの利益になるとは思えん。」
彼女は鋭い視線を崩さず、真意を見抜こうとその漆黒の尾と対照的な純白の瞳で私を観察する。
「……正直利益なんて考えたことも無かった。だからただの善意だと思ってくれていいよ。」
「人間であるのにも拘らず対価を求めぬか。
…………信じてよいのじゃな?」
「信じられないなら出て行ってもいいよ、はした金だけど幾らかお金も渡す。」
彼女は恐らく今までも一人で生きてきたのであろう。言葉の節々から独立している雰囲気を感じる。だから多分一人でもどうにかして、それこそ罪を犯してでも生きていくだろう。
「その言いようじゃと、妾には此処に残り主らと共に暮らす、という選択肢もあるのじゃな?」
「うん、私もそのつもりで言ったよ。」
「…………妾には行く所がない。
故に、コレから宜しく頼む。」
ベッドに座る彼女はそう言うと、深々と頭を下げた。
一週間後4/17[第47話]投稿予定。
ちゃんと予定立てて書かないと遅れるな、これ。




