第45話:ありとあらゆるモノの頂点に立つ、この世界の王者。
遅くなったけど、これからは毎週金曜昼12時に投稿する事にしたので宜しくです。
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「ええと、コレは一体どういった経緯があったんでしょう?」
取り敢えずどうしてこうなったか理解不能なので、訊いてみる。
何でか敬語になってしまうほどに驚いている。
「覚えてないんですか?
フールさん、私が声をかけた途端にノボせちゃったのか湯船の中で倒れたんですよ。」
そう言われれば、そうだったような……。
「それじゃあもしかして、新人さ……じゃない、ティアさんがここまで運んでくれたんですか?」
「ユウちゃんも一緒ですよ、ね?」
「え、あはい。急に倒れたからビックリしました。」
「……うん、なんかごめんなさい。」
「謝ることじゃないですよ、ノボせちゃうことなんてよくありますよ。」
「そ、そうだね。」
ノボせて気絶ってよくあるんだろうか?
……と言うか多分お風呂の所為じゃないんだよなぁ。
本当の事を言うのは恥ずかしいし色々危ないから言わないけど。
「じゃあフールさんも起きたことだし家に帰りましょうか。」
三人で座っていたベンチからティアさんが立ち上がる。
「今日はありがとうございました。また明日。」
私も立ち上がり、頭を下げる。
すると、
「何言ってるんですか、一緒に帰るんですよ?」
「……え?」
「あと着替えましょうよ。」
「あ…。」
バスタオル巻いただけじゃないか、気付かなかった。
……恥ずかしい。
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「…………あー……そういうことか……。」
「あ、判りました?」
特に何事もなく宿屋『戦乙女の鞘』に着いた。
「そうですココが私のお家です。」
成程、そういうことなのか。
「つまり私はティアさんの商売に一杯食わされたということか。」
「ふふ、でもちゃんと言った通りオマケしてくれたでしょ?」
「……まぁそうなんだけども。」
納得できない。負かされた気分。
ぐぬぬ。
「どうぞこれからもこの『戦乙女の鞘』を宜しくお願いします。」
めっちゃいい笑顔。
…………仕方ない、許そう。可愛いは正義。
しかし、
「どぉーしよっかな?他にも色々宿ならあるしなぁ。」
「お詫びとして今日の晩御飯に美味しい物出しますから、ね?」
「…………じゃあ仕方ない、許します。」
「やったぁ。」
反応が一々可愛い人だ。私が男ならヘタレを堪えて口説くかもしれない。
今やったら百合の花が咲く。
というか女性を性的対象として見られない。
といって男に愛されるとか、正直考えると気持ちが悪くなる。ホモじゃないです。
…………一生独身かな、やっぱり。
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夕食、実際豪華だった。
でもそんなことよりティアさんが厨房の奥で怒られていたことが気になっていた。
その後お父さん(宿の主人)らしき人が謝りにきたし。
正直全く怒ってないから別にいいんだけど、余り良い事だとは思わないので
「私は別に気にしませんが褒められたことではないですよね。」
とか適当に言っておいた。
あれだけ怒られてたし、もうしないと思う。
いい娘なんだけどなぁ。
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翌朝。
いつも通りユウちゃんをミーちゃんの所へ預け、冒険者ギルドに来ていた。
その後北東の門を出て『オリシム草原』を歩いていた。
その時…………
「…………ん?」
周囲が突然暗くなる。
雲でも流れてきたのかと、空を見上げた。
すると雲は無く、その代わりに何かが飛んでいた。
「…………ドラゴン?」
見えたものには巨大な翼があった。巨大な尻尾があった。
逆光で黒く見えるそれは正しく物語に登場するドラゴンの輪郭であり、それはその自らの巨体を以て陽の光を遮っていた。
私は只呆然と、その悠然とした飛翔を、それが空遠くに消えるまで仰ぎ見ているだけであった。
やっとドラゴン出せた(遅すぎぃ)
一週間後4/10[第46話]投稿予定。
もう一つの作品も同日なのでこれから遅れないよう頑張ります。




