第43話:流した物を落とそう。
忘れられた頃にやってくる、そんな投稿間隔ってどうなん?
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あの後、もう二体ゴブリンを狩り、街に帰って来た。
魔物は倒されると、粒子となって消え失せる。
その時ある物を残す。
それが所謂『ドロップ品』となる。
ゴブリンであれば、『子鬼の角』『子鬼の牙』『欠けた石斧』など。
後もう一つ、『魔性コイン』と言うものを落とす。
コレは魔物一体につき必ず一つは残す。
経済に流通する貨幣にはなっていないが、『魔性コイン』は落とした魔物特有の模様及び魔力があり、それを用いると様々な魔導具を作る事ができるらしい。
『魔性コイン』の使われ方はもう一つあり、それは『冒険者の依頼達成の確認』だ。
依頼で行われた討伐の場合はドロップした『魔性コイン』は必ずギルドに受け渡す必要がある。
理由は知りませんがそう言う決まりになってるんです、と新人さんに言われた。
と言う訳で、私は帰還したその足でギルドに行って、魔性コイン渡して、報酬貰って、ユウちゃん引き取りにミーちゃんの所に来ました。
初ゴブリン狩りで泣いたのは正直驚いたけど、その後の狩りでは涙を流す事はなかった。
けど身体の中心に鈍い痛みを感じた。
…………コレでいいのだろう。
一生狩りができないのは人生が危ういし、躊躇いが無くなるのは人として嫌だ。
この状態が中庸で私も割り切れる。
「こんにちはー。」
ミーちゃんは『雑貨屋ロイスト』の店番をしていた。
「あ、ふうちゃん。依頼どうだった?」
「うん、まぁどうにかなったよ。」
「そっか。じゃあこれからも依頼頑張ってよ。」
「無理しない程度にやってみるよ。
で、ユウちゃんは今どうしてる?」
周囲を見渡してもそれらしき影が見当たらないので訊いてみる。
「……あ、フールさん。」
「お、いたいた。迎えに来たよー、ってその服装は?」
奥にいたユウちゃんに手を振ってすぐに、ユウちゃんがミーちゃんの服とお揃いだと気付いた。
「『お店の手伝いするならコレ着てね。』と言われまして。」
「そうそう、ユウちゃん『何か手伝わさせてください!』って頼まれちゃって。
それならお店の手伝いしてもらおうかなってことで。」
「なるほどね。」
ユウちゃんは迷惑をかけるどころかお店に貢献していたらしい。
別に心配はしてなかったけど。
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「ところでフールさん、ちょっとお話が。」
「うん?」
ユウちゃんと帰宅途中、唐突に話し掛けてきた。
「ミシャさんに色々教えてもらったんですけど、この街、公衆浴場があるそうなんです。」
「公衆浴場?」
「一回銀貨一枚で、タオルや石鹸も貸し出しているそうですよ。」
「へぇ。
…………で、行きたいんだ?」
「ああいえ、出来ればでいいんです。お金も無駄には出来ないでしょうし……。」
バツが悪そうに顔に陰をつくっている。
…………私が気を利かせた方がいいか。
「いや、私も今日は疲れたし、行こうよ、お風呂。」
ゆうちゃんは驚いたようにガバッと顔を上げる。
「いいんですか!?」
「…………まぁ、そんな何回もは行けないけど。週二回くらいなら。」
「あ、有り難うございます……!」
そんなに行きたかったのね。
確かにここ数日お風呂には縁がなかったし、いいかもね。
…………あ。
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「ここです、フールさん!」
「お、おう…………。」
住所〔4-4-8-32〕
王都中心より4km程、西(商業)区、北西の大通り沿いにある。
で、規模はと言うと、よくある温泉施設と同程度。
一度に数十人は入る事が出来ると思われる。
入場口には出口入口があり、そこで入場料を払い、ロッカーの鍵を受け取る。
因みにタオル等を借りたい時は此処で銅貨一枚払って受け取る。
建物内に休憩施設もあり、中々充実している。
そして来るは女湯の暖簾前。
やべーよ、まじやべーよ。
どうすんですかこれ。
俺なら何も迷わずに青い暖簾くぐってたけど、今やったら痴女だしなぁ……。
「ほら行きますよ!」
「うわっ、ちょっと!」
悶々としている私を一切気にせず、ユウちゃんにグイグイ腕を引っ張られて、遂に私は未知の領域に踏み込んでしまった。
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うん、取り敢えず服は脱いだぞ。
周りを見ないように自分のロッカーだけを凝視しながら手荷物も全部片付けた。
…………ロッカーを探す時にチラチラ肌色が見えて心臓がヤバイ。
私はここで死ぬかも知れない。主に出血多量で。
余り人が居なかったのが救い。
おばさんや子供が大多数なのも救い。
というか、私は今女性の前で全裸なのか。
…………考えるな。
「フールさん、早く!」
「は、はい。私は大丈夫です。」
「……どうしました?顔赤いですよ?」
「い、いや!ななな何でもない大丈夫大丈夫!」
手をブンブン振りながら全力で否定する。
「そ、そうですか。」
「さ、さあ早く湯船に行こう!」
…………そっそうだ素数を数えるんだ!
1
2
3
5
7
9
…………違う11だ!
12
13
14
うおおぉぉぉぉぉぉぉ…………がく。
『親方』はイベント豊富で楽しいです(^q^)
…………休みが無ぇ!




