第35話:空腹は最高の調味料(食べ物以外も可。
ちょっと別の話を思い付いっちゃったから書いてた。結果こっちが短くなったorz
=1692字=
次は長くなるはず。(断定はしない。)
「…まず、一つ聞きたいことがある。」
「なんでしょう?」
「そいつ誰だ?」
「ユウちゃんです。」
「名前を聞いてるんじゃない。」
「ああ、そういうことですか。
この子は昨日グーデントさんと別れた後に、色々ウロウロしてたら倒れてるの見つけたんですよ。
それで連れて帰りました。記憶喪失っぽいし、分かる言葉も特殊みたいで、放っておけなかったので。」
「………お人好しだな。」
「…そうですね。」
前世だったら放置してたかも知れないけど……ね。
「それだけの理由なら、駐屯所に連れて行って終いだな。言語が特殊なら親もすぐ見付かる筈………、いやしかし、一夜経ったのに、親がまだ捜し始めてないとすると…………ふむ。」
………親が居ない可能性か。
ユウちゃん曰く、覚えていないと言っていたけど、記憶が無くなった原因が必ずある筈だ。それは物理的な衝撃なのか、精神的な傷なのか。そしてそれは不慮の事故なのか、誰かの故意なのか。
………無闇に聞いたりしない方がイイかも知れない。あの子が自発的に話してくれるのを待とう。生きていれば何時かまた出会える筈。生きていれば、ね。
「で、これから如何するつもりなんだ?」
「一応ギルド登録はして貰ったし、私の手伝いをして貰おうかと思ってはいますが。」
「………余り無理はさせるなよ。」
「…分かってます。」
少しずつ、少しずつ慣れていけばいい。
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「それで、魔法なんだか……先にハッキリ言っておくぞ。」
「何ですか?」
「魔法には適性がある。これが無ければ幾ら努力した所で出来ないし、逆に適性があるなら初級魔法ぐらいならすぐ使えるようになるだろう。」
適性………自信ない。魔法なんて無い世界出身ですし。
いや、たしかゲージに『魔力』ってのがあったから、多分使える、筈、よね…?
「じゃあここに手を置いてくれ。それだけで適性を判断出来るから。」
グーデントさんが私に本の、ある一ページを開いて差し出す。
「………魔方陣?」
「ああそうだ。これも魔法の一種らしいが、詳しくは知らん。」
「そうなんですか。」
何時かは魔方陣の事も調べてみたいな。
「じゃあ………置きます。(ドキドキ」
私は目の前に開かれた魔方陣に手を近付ける。
「(ピタ」
掌が本に触れる。
魔方陣は凸凹してる訳ではなく紙に書かれているだけらしい。肌に感じるのは紙特有のザラザラ感だけ。
「あの、何も起こらないんですけど………駄目だったんですか……?」
「いや、もう少し時間掛かるから、その儘にしていてくれ。」
「そうでしたか………良かった。」
もう駄目なのかと思った。本から地面に手を動かしそうになったよ。
「ほら、少し光ってきた。」
「あ。」
魔方陣がほんのりと輝いている。
これはもしかして、
「これって適性アリって事ですかっ!」
「お、おう。まあそうだが……。」
「やった!」
キタコレ!!
フールちゃん大勝利!!
お外走ってく………………るのは止めとこう。
「やった!!」
「……随分嬉しそうだな。」
「だって魔法ですよ魔法! 誰だって一度は夢見る魅惑の力ですよ!」
「まぁ否定はしないが…………。」
嬉しいと言うか安心感ですねコレは!
あの変な[魔法の基礎]とか言う、自費出版したら一冊も売れずに焚き火でポイポイ焼かれるレベルの本の所為で、魔法に関しての自信が無くなってた。作者の天使許すまじ。
「序でにそいつも適性調べとくか?」
「え、良いんですか? 出来ればして貰いたかったんですけど。」
「まぁそんな手間でも何でも無いしな。」
「じゃあお願いします。」
グーデントさんヤッパリ良い人だ。色々教えてくれるし。
…………何でこんなに良くしてくれるんだろうか?
まぁ別に良いか。今の所、特に問題も無いし。
「ユウちゃん、あの人が持ってる本を少しの間触れて来て? さっき私がしたみたいに。」
「……アレって何をやってたんですか?随分嬉しそうでしたけど……。」
「アレに触れてて、書いてある模様が光ったらその人は魔法を使う適性があるんだって。」
「……魔法? ……分かりました。」
なんだろう?今のチョットの間。
と言うか、何時も何か考えている風だけど……。
………そっとして置こうか、何か思い出しそうなのかも知れないし。
次は(作者が)待ちに待った魔法のお話!
ああそうだ、それ書く前に改稿しないと……




