第3話:終わり、始まり、次転生。
一応主人公は、程々の頭の持ち主です。
成績も中の上です。
(現在の設定ではですが………)
=2083字=
「ヤバイな、凄い面白い!
紙を纏めただけの物で圧死するとかどんだけの量だったんだ!
ちょっと草生やしたくなってきたッ!」
「…はぁ。
って、うわっ!? ホントに草を生やすなッ!」
「大丈夫じゃ、害は無いっ。
………すまんお腹痛くなって来た…!」
くそぅこの野郎…。
「…ふぅ、やっと収まった。
まぁ落ち込むんじゃない。」
肩に手を置くんじゃない…。
成人してるのに慰められるのは恥ずかしいから…。
「わしが望んでいるのは、そんな愉快な話じゃ。
ありがとな、久々じゃわこんなに笑ったのは。」
「…………あ、うん。そりゃどうも…?」
「あとな、お主が言ってた本……じゃったか? それ面白そうじゃの。
後で探しに行ってみるかのぅ。
様々な思想、構想、物語があるみたいじゃし。
人間の記憶から情報を得るより良さそうじゃ。」
「………え? 本の存在を………知らない?」
「そうじゃよ。
世界が沢山あると言ってもな、大体の世界には文明とか無いんじゃよ。
まぁあったとしても、道具は石器までじゃがな。
まさかそんなに発達した文明を持つ世界が存在していたとはな。
これはお主を送る世界も丁度良い所を探さねばな。」
やべーもう少しで石器時代に飛ばされる所だった。
「ところで、お主はどんな能力が欲しい?
大体は叶えられると思うが。
………変な願い事したら…分かるな?」
「おっおう。」
仮にも神様だからな、何されるか分かったもんじゃない。
ちゃんと考えて決めないとな。
「考える時間は3日間じゃ。其処に時計は置いておくぞ。」
あれ? 何時の間に時計が………?
…………と言うか壁なんてさっきまで無かったぞ?
「これぞわしの力。」
「ああ、うん、そっすか。」
神様ならそれくらい出来るか。
「んじゃ喋りますか。
………とは言っても、何を話そうか……。
とりあえず俺が読んでいた本の話で良いか?」
「寧ろその話聞きたい。」
「じゃあまずは、さっき言った奴からいこう。」
<速報:鶏が三回鳴いた。>
やばい。
どうしよう。
三日経ったぞ。
どうしよう。
まだ何も思いついてないぞ。
てか全然考えられてない。
どうしよう。
話し込んでた。
どうしよう。
時間がない。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
「(すぅー、はぁーぁ」
…よし。
とりあえず今一番に考えないといけないのは自分の安全とやりたい事をちゃんと適えられる様にしないといけなくて、でもやりたい事色々ある訳で、剣とか魔法とかで俺TUEEEEEEとか、何でもいいから凄い素材で凄い物作るとか、奴隷ってのもこう言っちゃ悪いけど楽しそうだし、そのまま自分は左団扇ってのも良いだろうし、でもよく考えたらそもそもどんな世界にどんな状況で飛ばされるか分からないからまずはそれから決めないと、あーでも風呂は欲しいな売ってるか分からないから自分で作れると良いかも知れないけどそれって結構難しそうだし、でも風呂は好きだ風呂下さい何でもしまかぜら!
…とりあえず風呂が欲しいのか俺は。
「おーいどんな能力が欲しいか決まったかのぅ?」
うわぁぁぁぁぁ! タイムリミット来たぁぁぁぁぁ!
「も、もう少し、考える時間を…。」
「だが断る。」
「何故だ…。」
「じゃあ仕方ない、3分間待ってやる。」
城を解体すればいいのかな俺は。
…んな事言ってないで考えないと。
うーん、うーん。
ああぁ!纏まらねぇぇぇ!
………そうだっ、あれならっ!
「おいっ決まったぞっ!」
「………大丈夫なのか? さっきまで頭抱えておったが…。」
「いけるっ! これならいけるっ!」
たった今閃いた、この完璧な一言っ!
「温故知新だ!」
「…何の故きを温ねるんじゃ?」
「今まで読んできた小説達だ!
さっきまで喋ってたのに出てきた奴だ!
出来るだけ沢山の『テンプレ』を俺に付けてくれ!」
どうだ、これなら全ての問題が解決するだろ?
俺が話した奴にはそこまで危険な物は無かったしな。
安全面でも欠点は無い。
「(フフーン♪」
「………成程、それなら大丈夫そうじゃな。
わしが出来る限りで叶えようぞ。」
「もっと俺を褒めても良いんだぞ♪」
「絶対に嫌じゃ、お主調子に乗るじゃろうが。て言うか乗ってるじゃろうが。」
「まぁまぁ落ち着いて。」
「………もう転生させて良いかの?」
………え?
「…もう転生の準備終わってるの?」
「はっきり言って大体の事は一瞬で出来る。」
…やっぱり神様って、簡単に予想の上を飛び越えるんだな。
「じゃあ飛ばすぞ。
多分もう会わんじゃろうが、健闘を祈るぞ。」
「おう、お前も良い読書ライフをっ!」
爺さんは俺に手をかざす。
「…ふむ、少し位神様らしくしてみるかのぅ。
………よっと(カッ!」
「うわっ!?」
眩しっ!?
………くない?
うん、眩しくない光、確かに神様っぽい。
「次の人生では早死にするなよー。」
「じゃあなー。」
後生の別れっぽいから手を振っとこう。
……お、振り返してくれた。
そこからは良く覚えていない。
何か、海の中にいた様な気がする。
空を飛んでいたかも知れない。
ハッキリと思い出せる一番古いものでは、自分は何処かに突っ立っていた。
周りは、地面、草、空気、空。
自分は、周りに何も無い草原の真ん中に、何時の間にか転生していた。
感想に批判でも何でもいいので書いてくれたら嬉しいです。
(2014;05/06改稿2)