第12話:街に入れば、一に食事、二に食事。
うまく書くコツ無いですか?
=1611字=
さて、現在のポイントは、王都城壁内だ。
あの巨大な門を潜り抜けたぞ。
特に検問とかは無かった。
それで良いのか一国の首都。
……と思ったが、俺だってこの世界じゃ怪しい人間だし、ラッキーだったと言う事で気にしない事にする。
この、城門から続く大きな一本道。
その先に見えるのは、先が大きく尖った巨大な建造物の屋根。
距離的に、恐らく王都の中心に建っている。
つまり王城だろう。
ここから見える事のみで判断するなら、城は日本の物とは大きく異なる、西洋式の構造だろう。
屋根の形は三角錐。
壁は白く塗られてはいるが、恐らく煉瓦だろうし。
城の下の方は、外周の城壁とはまた別の、少し低めの城壁で囲われている所為で、見る事が出来ない。
城に関しては二重防壁らしい。
まぁ国家の中枢は最重要防衛対象でしょうしね。
ここまで解説しといてなんだけど、ハッキリ言って城に余り興味ないんだよね。
寧ろさっきから漂う、美味しそうな匂いの方が気になる。
「……ねぇ、この通りって屋台とか一杯あるんだね。」
「そうだね~。ここは街の玄関口だし、他のトコより繁盛するんじゃない?」
そう、屋台があるのだ。
クレープみたいのとか、お好み焼きみたいのとか。
ラーメンは知らん。
一応言って置くが、ここは博多ではない、異世界だ。
因みに露店もある。
アクセサリーやら食器、はたまた剣や防具まで。
ファンタジー感タップリな品揃え。
「……ねぇミーちゃん。お金、持ってる?」
「そんなには持ってないけど、少しなら。
……何か買うの?」
「いや、美味しそうだなぁ、って。」
「て言うか………もしかして、お金……無いの?」
「無一文。」
見たことも無い。
ひょっとしたら一目で造れる様になるかも知れないけど、あのスキルの能力で。
……いやしないけどさ。
ばれなきゃ犯罪じゃないかもしれないけど、トレス出来るの見た目だけだし。
魔力の篭った金貨とかだったらアウト。
冒険がここで終わってしまう。
そもそも細かい模様とか彫られてたら『複雑』って事で造れないんだけどな。
「お金かぁ…………。
あ、そういえば。」
「ん? なに?」
「フールちゃんが倒した盗賊ってどうしたの?」
「? 後ろに積んであるけど……それがどうかした?」
「え!?
あれっ!?後ろにもう一つ連結してるっ!?」
あ、今まで気付いてなか…………
え?
「今まで気付いてなかったの?!」
「うん……全く気が付いてなかった……。」
「Oh.....。」
これは予想外だ…………。
「で、なんで盗賊の話になったの?」
「あぁ、それはね………。」
ミーちゃんの話によると、盗賊を騎士の駐屯所にしょっぴくとお金が貰えるらしい。
と言う事でやって来ました門の近くの駐屯所。
「……はい……はい。
えーはい、賞金はこれだけになりま~す。」
「あっはい、有り難うございます。」
そして渡して来ました、ザコ盗賊集団。
ざこは、たいきんに、かわった!
麻袋に、一杯の銀貨や銅貨。
これで色々買える!
そして、異世界初の買い物は串焼きでした。
「あ、美味しい。」
「確かに美味しそうだね。」
「…いる?はい。」
「いや一本もいらないんだけど。」
「大丈夫だって、この二本はオマケだから。」
ちょっと笑ってやったら二本増やしてくれたぜ。
いい奴だったよ。
ちょっと恥ずかしかったけどな。
「と言う訳で遠慮無くどうぞ。」
「あ、うん。(呆然。」
俺は一切悪いことはしてないよ。
勝手に増やしてくれただけだよ。
「……(ぱく」
「ね、美味しいでしょ。」
「うん、おいs…
…ってわああっ!」
「なっなにっ?!」
「かっ辛いいいいいっ!」
「………え、そう?」
辛い? 普通に美味しいんだけど……
「辛いからいからいからいからいからい!
うおおおーーー!口がーーっ!」
「……水いる?」
「いるーぅ! っ!ありがとっ!(ごくごくごくごくごく…」
そんなに辛いのかぁ……。
俺もそんなに辛いのは得意じゃないはずなんだけど?
もしかして転生して体質変わった?
……性別変わったくらいだし有り得るな。
(2014;05/31改稿)




