ある日森の中でゴブリンに出会った♪
さて何をドロップしたかな?
そしてドロップしたものを《鑑定》したものがこちら。
《ホーンラビットの肉》
ホーンラビットの肉、少々硬いが食べられないほどではない。
《ホーンラビットの角》
3センチほどの角、先端は鋭く尖っており人の皮膚程度なら余裕で貫く。
あと、レベルアップした際のアナウンスで各種ステータスが上昇したと言っていたのでステータスも見てみるか。
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Name:『ロゼ・ドリーマー』
性別:男性
所属:無所属
メインジョブ:無職
サブジョブ:無職
種族:人族
種族レベル:Lv2
状態:正常
ステータス
STP:5
HP:780/780
MP:780780
STM:520/520
STR:62
AGI:62
VIT:62
DEX:52
LUC:52
MGR:62
MTR:62
スキル
SP:0
《呪術Lv1》
《剣術Lv2》《暗器術Lv1》《投擲術Lv1》《瞬歩Lv1》
《毒調合Lv1》《薬調合Lv1》《鑑定Lv1》《魔力制御Lv1》《隠密Lv1》《気配感知Lv1》
所持金
1000ルナ
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ふーむ、種族レベルが1上がるとステータスポイントだけを5獲得し、HP、MP、STMは20上昇、他のステータスは2上昇すると。
確かに説明にあった通り私は人族だから満遍なくステータスが上がるようだ。
あとスキルポイントは職業のレベルが上がるともらえるらしい。(但しもらえるポイントは職業によって変わる)
あ、そうそうスキルポイントの使い方だが3種類ある。
一つ目はスキルポイントを支払ってスキルポイントで獲得できるスキルから新たなスキルを獲得する。
二つ目はスキルの熟練度の代わりに使う。つまりはスキルポイントを使用して既存のスキルのレベルを上げるということだ。
三つ目はスキルポイントを使用して自分だけのオンリーワンのスキルを作ることだ。
このスキルは【ユニークスキル】と呼ばれている。
この三つ目の使い方は少しクセがある。
まずスキルの方向性を決める。
次に使用時のコストや使用の制限を決める、これがきつければきついほど支払うスキルポイントは少なくなる。
そして当人のこれまでの行動や思考、思想から最適なスキルが作り出される。
だから同じようなスキルでも人によって細かいところは異なるらしい。
またスキルが上限レベルに達して上位のスキルになる時も色々あるらしいがこの話はまた今度、ちょうど森が見えてきた頃だし集中集中♪
そして森に入ってみたのだが……辛い!
下草は鬱蒼と生い茂り森の中はとても暗い。一体何年手入れしていないのやら。そのせいで視界が非常に悪い。
ま、こんな時のためにこのスキルがあるんだがな。さあ今こそ真価を発揮せよ•••••《気配感知》!
おお、これはすごい。言うならばソナーのように周りの生命体の存在が表示されている。
うん?なんか近づいてきているな。少し隠れるか。
そして私が木に登って《隠密》を発動させていると森をかき分け腰布を付けて棍棒を携えた緑色の子供程の小人が現れた。おそらくはこれがフロイドの言っていたゴブリンとやらだろう。
とりあえずは《鑑定》!
《レッサーゴブリン》
ゴブリンの最下位種。知能は低いが残虐。力は強め。
ほうほう、ゴブリンとな。RPGでは定番の魔物だ。幸いレッサーゴブリンは木の上で《隠密》を使用している私に気づいていない。
レッサーゴブリンが私に気づく前にレッサーゴブリンの目の前に飛び降りる。
「グギャ!」
目の前に急に人が飛び降りてきて驚きで動きの止まったレッサーゴブリンの胸に剣を突き出す。
「ギャァァ!」
うるさっ。早く黙らよう。
突き刺した仕込み杖を捻りながら引き抜き、喉を突き刺す。
レッサーゴブリンはゴボゴボと喉元から血の泡を吹き出していたがじきに動かなくなった。
ちなみにドロップアイテムの《鑑定》結果はこちら
《レッサーゴブリンの腰布》
レッサーゴブリンが付けていた腰布、臭い、価値無し
《レッサーゴブリンの棍棒》
レッサーゴブリンが使用していた棍棒、そこら辺の太い木の枝を削っただけの物
流石はレッサーゴブリン、録な物を落とさないな。
とりあえず腰布はそこら辺に捨てておいて棍棒はもっていくか。投げつけるくらいはできるだろうし。
さて、もう少し森の奥に進んでみるか。
はてさて何が飛び出してくることだろうか?
◆◆◆◆◆◆
さて現在森の奥に向かって進んでいるわけだが……歩きにくいにも程がある!
下草が生い茂っているせいで足元がとにかく見にくく、枝が張り出しているせいで視界が悪い。
【熟練度が一定に達しました。スキル《気配感知Lv1》が《気配感知Lv2》になりました。】
うおっ、びっくりした。レベルアップアナウンスは設定で無しにできるので無しにしておくか。
◆◆◆◆◆◆
もう帰ろうか、そう私がいた瞬間目の前が開けた。
少し開けたところに出たのだ!これぞ神のお導きだろう(なお、私は宗教の都合のいいところだけ信じる派だ)、最もこちらを向いているレッサーゴブリンよりも体躯のがっしりしたゴブリン1匹とレッサーゴブリン3匹がいなければなおよかったのだが…
とりあえずレッサーゴブリン3体はいいとして。あとはあのでかいのだが……
《ゴブリン【寄生】》
レッサーゴブリンの進化種。悪知恵が働き狡猾。レッサーゴブリンと同じく力は強い。
状態異常【寄生】
全ステータス低下。
うん?【寄生】とかいう物騒な状態異常がついているな。
そのせいか全体的にステータスが低下している。それに加えて足もふらついている。つまりはレッサーゴブリン4体を相手にするようなものだ。それならば勝てる見込みは充分にある。
よっしゃあ!皆殺しだ!剣を抜け!戦闘開始だ!
「「「「グギャアア!!」」」」
ゴブリンどもが雄叫びを挙げ一斉に突っ込んでくる。
「【剣撃】!死ね!」
戦技を発動させて先頭のレッサーゴブリンに対して剣を振るって首を深々と切り裂き、力の抜けたその体ごと後ろの一体を県で串刺しにする。これで2体始末できて残るはあと1体。
「ギャッ!?」
「ギャオオオオオオオ!!」
残りの1体は愚直に棍棒を振り上げて近くまで迫ってきている。
「《瞬歩》」
《瞬歩》で横に移動。そして突進の空振りしたレッサーゴブリンの後ろに回り込み剣で左胸を貫く。
手応えあり!やはり背中側は肋骨がないからよく刺さるな。
さて残るはゴブリンだけだが‥…何やってるんだあいつ?
そこにはのたうち回り、白目を剥いているゴブリンの姿があった。少し経過するとだんだん動きが鈍くなり白目を剥いて動かなくなってしまった。
そして私が攻撃していいものか躊躇している間に、ゴブリンの皮膚を突き破って蔦や根が生えてゆく。
「うーん。これはどうしたもんか。」
「ギャァ…ギャ…ガッ!!」
つぎにポップコーンができる時みたいな音で頭が弾けてそこから太い茎が生えていく。そしてついには白い大輪の花が咲いてしまった。
「なんなんだこの花は?」
とりあえず《鑑定》!
《パラサイトフラワー》
パラサイドシードという種子が成長した姿。一応移動はできるがその速度は遅い。基本的にはその場に留まって香りなどでモンスターを引き寄せ、麻痺毒で麻痺させて花の中央部に存在する口で捕食する。
また果実はとても美味しそうだが、食べて種子を体内に取り込むと寄生される場合がある。
うーん、どうなんだろう。強いのかこいつ。まあでも基本的には動かないらしいので、恐らくは逃げ切れるだろう。
「まずはとりあえずちょっと離れて……ッ!」
いつの間にか花が私のほうに向いており、その花の真ん中が開くとそこのは牙がぎっしり生えた口が広がっている。
「気持ち悪っ!!!」
嫌な予感がして飛び退いた瞬間、さっきまでたっていた場所が凄まじい勢いで隆起した。
危ない危ない、もしもう少し進んでいたら隆起に巻き込まれて打ち上げられていただろう。
とりあえず今のはたぶん《土魔法》!つまりはこの花は私を攻撃しようとしている!すなわち私がやるべきことは…
「掛かって来い!!切り花にしてくれる!!」
「キシャァァァ!!」