表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

久しぶりの世界

 ログインした私の目の前に広がるのは長い長い廊下だった。前のバージョンではみなかったところだから多分新しく追加されたのだろう。

 まずすべきなのはここから離れて武器を確保すること。初期リス地が決まっていたら誰だってそこで待ち伏せしようとするだろう。私だってそうする。

 でも周りにはぱっと見人はいないからおそらくランダムにリスポーンするのだろう。

 だが急ぐに越したことはない。とりあえず廊下の先に扉が見えるのでそこに行ってみよう。

 そうして走り出そうとすると端っこの方に赤色のダンボールのような材質の箱が置かれている。

これがさっき行っていた物資の入っている箱だ。しかし...赤かぁ。

箱は色によって凡その中身が決まっており、赤:食料、弱めの回復アイテム  となっている。

                    青:強めの回復アイテム

                    黒:近接武器、稀に銃器、銃弾 

                    銀:銃器、銃弾、稀に近接武器

                    白:完全ランダム

 ただし箱には低確率で様々な罠が仕掛けられ、その大半が致死性のものだ。

今は何よりも武器が欲しかったが仕方がない、あるだけマシだ。そう思いつつ開けると箱の中から矢が飛び出てきて正確に私の眉間を撃ち抜いた。

...やっぱ乱数はクソだ!そう思いつつ私はリスポーンした。


 視界が開けるとそこは小さな小部屋だった。部屋の天井には小さな裸電球がぶら下がっているが光量は弱く、部屋全体が薄暗い。窓はなくのぞき窓のついた扉が正面と左側についており、見回してみると部屋の角に2つの箱が置かれている。色は赤と黒、まあまあだ。

 早速開けるとしよう。さっきはあんなことがあったがあれはかなりの低確率を引いただけだ。流石に2回連続でかかることはないだろう...ないよね?

 赤い箱を恐る恐る開けてみると中にはチョコバーが2本入っていた。これはそこそこのスタミナ回復と気休め程度のHP回復ができる。

 ちなみにこのゲームはスタミナの概念があり運動すると減少し、スタミナが尽きると動けなくなる。一応自然回復もあるが食料や水を摂取したほうが数倍早く回復するのでほとんどのプレイヤーは食料や水を携帯する必要性に迫られる。

 続いて黒い箱を開けると中には刃渡り70㎝ほどのマチェットが入っていた。うんうん、よきかなよきかな。

ようやく初めてのまともな武器だ。刃渡りが長いところがまたいい。黒い箱から出る武器は二割打撃武器で二割ナイフとよく言われていたからこんな長い刃物を一発で当てるのはかなり珍しい。


 さて、もう今部屋には何もないので扉の向こうに行ってみるか。

マチェットを持ち、チョコバーをインベントリ(同じ種類のアイテムは好きなだけ入れられ、30種類のアイテムを保持できる。なお20種類のアイテムを入れられるバックパック(外付けインベントリ)も存在する)にしまって正面の扉を開ける...前にのぞき窓で扉の先を確認しておこう。

 そう思いのぞき窓に手をかけた瞬間、プレイヤーの話し声が聞こえてきた。

「なあ、この前FWO買ったんだけどさぁ...」

「へぇ、そうなんですね!私もちょうど最近買ったんですけど...」

 二人か。片方は歩くたびにガチャガチャ音ががするので金属製装備をつけていることは確定。声的にすぐ近くか。

 こっそりと少しだけのぞき窓を開けてみる。扉の先はまた小部屋になっていてそこで二人のプレイヤーが話している。

 扉を背にして話しているので気づかれる恐れはなし。ひとりは金属の胸当てと脚甲をつけており、腰には短剣が一本とショートソードが一本吊るしてある。もうひとりは軽そうだが腰にホルスターがある。おそらくはピストル系の武器を所持しているのだろうが...ピストル系の武器と言ってもピン(マグナムリボルバー)からキリ(燧石式拳銃)まであるからなぁ。

 とりあえず真っ先に仕留めるべきは軽装の方。次に胸当てをしている方だ。にしても胸当てはするのに頭や首の保護をしないとは、初心者か?いや、初心者でもなければこんな奇襲されやすいところで話したりはしないか。


 よっしゃ行くぞ!3...2...1...Go!

ドガッ!!

ドアを蹴り開けプレイヤーどもに奇襲を仕掛ける。

「うわぁぁ!!」「えっ、何!!」

はっはっは!サプライズだぁぁ!

マチェットを横薙ぎに振るい、軽装のプレイヤーのうなじを切り裂く。

基本的にプレイヤーは首を切られたらすぐ死ぬ。もちろん回復アイテムを持っていなければという注釈はつくが。

だが今回は当たりだったらしい。首を切り裂かれたプレイヤーは呆気なく倒れて動かなくなった。

「よくもタクミを!!」

 へぇ、あのプレイヤーの名前はタクミというのか。ありふれた名前だな。独創性が足りない、30点!次はもっと独創性に溢れた名前にするように!


 そうこうしている間に金属装備をつけたやつがショートソードを抜いて襲いかかってきた。

 そういえば前から疑問に思っていたのだがショーソードってショートって言っている割に長くない?あれ70センチくらいあるからな。まあでもロングソードには100センチを超えるものもあるそうだからそれらと比べたら短いのか。

 そんなショートソードの特徴は分厚く折れにくいことだ。枝葉を切り払うことを目的に作られたマチェットと違い、ショートソードは戦闘用に作られているだけあって乱戦でも滅多に折れることはない。

そして特に怖いのが刺突向けに鋭く作られた切先だ。もともと鋼鉄製の鎧に対抗するために作られただけあってかかなり鋭く、当たったら大ダメージは避けられない。

 くそっ、こんなんだったら別の武器も補充しておくべきだった。今の状況だとナイフ一本あるだけで勝率が段違いだ。

 とりあえず相手が振るうショートソードをマチェットで受け止めるもかなりの衝撃が手に走る。さっき言ったように枝葉を切り払うために作られたマチェットは薄く、斬り合いに向いているとは言い難い。

つまり私がすべきなのは斬り合いではない。すなわち相手の攻撃を回避し、そこでできた隙にカウンターを叩き込む!

相手の攻撃をよく見て...今だ!

相手が剣を振り抜いた瞬間に半歩後ろに下がり、上体を少し逸らす。

ビュン!

目の前を剣が通り過ぎたが当たってはいない。成功だ!

空振ったことで体勢が崩れた金属装備に向かってマチェットを上から下に振り抜く。

 この時狙うのはどこか?大ダメージを狙える首?一撃で仕留めるための頭?ハッ、ご冗談を。一撃で仕留めていては楽しさが半減してしまうだろう!狙うべきは腕、できれば腕の腱、さらに欲を言えば指だ。

 指を落とせば重い剣を振ることはおろか、物をを持つことがほとんどできなくなる。さらに腕の腱が斬られるよりも指の方が反応がいいのでな!みんな大きなリアクションを見せてくれる。

 そうして振り下ろしたマチェットは見事に柄を握っていた右手の人差し指から小指までの4本を切り落とした。

「え、あ、あぁぁ!」

おっと、金属装備くんは右手を押さえてうずくまってしまった。あれ?痛みはないはずなんだけどなぁ?

「おーい、大丈夫?おーい。無視はやめてー。おーい。」

「うるさい、お前のせいでぇぇ!」

「おっと怖い怖い。あと声量落として耳が痛い。」

「知るかくたばれぇぇ!」

そう叫んで立ち上がった金属装備くんの左手には腰に吊るしていたナイフが。

 うわ物騒。最近の若者って凄い。こんなに簡単に刃物を持ち出すなんて。おじいちゃん...嬉しいよ。

とまあ、冗談は程々にしてなかなかガッツがあるじゃないか!いいね!

でもナイフならどうとでもなる。

マチェットの峰で顔面を強打し、よろめいたところに足払いをかけ転倒させる。んでもってあとは首に一撃を叩き込むだけだ。

ドシュ!!

多分死んだと思うので追加で何回か頭にマチェットを振りおろす。よし、これで確実に死んだだろう。

 にしてもここの運営はやっぱり底意地が悪い。このゲームがPC版の時もわざわざ死体が残る(時間経過で消える)ようにした上で死体に紛れ込むことができるようにして死体撃ちを誘発させていた。運営が死体に紛れるコマンドを実装した時にはかなり炎上していたのを思い出す。


 まあいい、今は運営の底意地の悪さは関係ない。ともあれまずは戦利品の確認だ。このゲームのデスペナルティは死んだ時死体が残り、そこから死亡時に持っていたすべてのアイテムを奪えるというものだ。

なので相手が重要なアイテムを持っているときはただちにに逃げた方がいい。なぜならこのゲームは設定しているリスポーン地点からなんでもリスポーンすることができ、尚且つリスポーンにはクールタイムが存在しないので相手の物資が持つ限り半永久的に付き纏われることになる。

 一応そう言った重要アイテムを持ったプレイヤーを倒して、キレて追跡してくるプレイヤーを10人ほどで袋叩きにする戦法もあることにはあるが...このことが掲示板に一度晒されたら直ちに位置を特定され、最悪30人を超える連合軍が潰しに来る。そしてそこに漁夫の利狙いのプレイヤーが凸り、正義感に溢れたプレイヤーがそれを迎撃し、さらにその戦闘音で掲示板を見ていないプレイヤーが集まって....という感じに地獄絵図があっという間に出来上がる。


 されど、これこそがこのゲームの醍醐味かもしれないな!隣のプレイヤーを怒鳴り、罵詈雑言の限りが飛び交う戦場を手榴弾片手に特攻し、敵の悔しがった顔を肴に戦利品を回収するあの光景はなかなか良いものだ。

最初は引くことが多いが次第に参加するようになり、最終的には自分から晒すようになる。そんなプレイヤーのなんと多いことか!かくいう私もその一人なわけだが!


 確認したけれど軽装の方は回復と食料が少し、あと水。武器の方はピストルだと思っていたが実際には燧石式拳銃、最悪の部類のやつだった。

 これの最初の欠点は発射にそこそこレアな火打石が要求されること。一度セットすればかなり使えるが箱から出る時には火打石がついていないのでプレイヤーは火打石を探し回るハメになる。

 次の欠点は装填に時間がかかることだ。

発砲までの操作はかなりかかり。

①銃口から装薬と弾丸を詰める(火縄銃と同じ)。

②撃鉄を少し起こした状態にする。

③この状態で火皿に点火薬(伝火用の火薬)を入れる(これも火縄銃と同じ)。

④撃鉄をさらに起こす、これで発砲準備は完了。

⑤引き金を引く。

これら五工程をこなす必要があり、①から④ まで3分以上の時間を要する。

 さらに火打石の火花で着火する以上5%くらいの確率で不発になる。

これらの欠点から好き好んで使う人は少ない。だが、今の状況なら強力な武器だ。

一応奪ったものは火打石もセットされており、火薬と弾はある。


 そういえば金属鎧の方は何持ってるんだ?ふむふむ...水、チョコバー、回復薬、セミオートピストル...セミオートピストル!?

銃持っとるやんけ!とっとと使えばよかったのに..と思ったけどこいつピストル弾持ってない!

道理で使ってこなかったはずだ。燧石式拳銃の弾って流用できたっけ。いやこっちも弾もってねえわ。

とりあえずセミオートピストル通称セミピスはでかい。セミピスは高い発射レートを誇り、近距離では最強とも言える銃だ。唯一の欠点は射程が短いくらいじゃないか?

 よし、あらかためぼしいものは奪えたのでとっとと撤収だ!


 さっきの小部屋に戻り、左側の扉を開くとそこは地下駐車場のような空間が広がっていた。しかし車は一台もなくところどころに箱が落ちている。天井の蛍光灯が時々チカチカとまたたき、天井の配管からは時々上記のようなものが噴き出る。

 かなり良さげなところにきたな。ここなら足音が反響するから接近を把握できるだろう。それに見通しも規則的に並んだ柱のせいで見にくいところはあるがかなり見やすい方に入るのではないだろうか。

 ここを拠点にするのもありっちゃありだがここがマップの端っこだと色々都合が悪い。

とりあえずまずは箱を漁ろう。銃弾欲しいし銀色があるといいんだけど..


 さて、それでは漁って来た結果を発表したいと思います!結果は...赤6、青1、黒3、銀1、白2!この赤と黒の多さと青と銀の少なさってことはマップの端っこじゃねえか!!ちくしょう!!!

 あ、言い忘れていたがマップの中心に近づくほど箱の数が増え、青と銀が増える。端っこはその逆だ。

仕方ない開けてみよう。一応銀も一個あるし。

 まずは赤から!入っていたのはチョコバー×3、林檎(チョコバーよりも多めのHP回復ができるがスタミナはほとんど回復しない)×2!うん!微妙!いやまじでなんなんこのチョコバー祭り?

 次は黒!入っていたのはコンバットナイフ1本、トレンチナイフ1本のナイフ尽くしに加えて手作り弾10発!

これもかなり微妙。特に手作り弾。これは銃器なら何にでも装填できるが、5%くらいの確率で暴発する。


 後の銀、青、白は適当に開けよう。テンション上げすぎて疲れた。

そしてその結果は.....回復薬(多めのHP回復)×1、ピストル弾30発、バネ(素材アイテム)×2

 おっ、結構当たりだ!特にピストル弾が嬉しい。他のものはまあよくもなければ悪くもないと言った感じ。

早速セミピスを装填し、コンバットナイフを腰に吊るす。他のものはとりあえずインベントリに突っ込んでおこう。


 それでは名残惜しいがここから引き払うとしよう..と思ったが私が入って来たところ以外に出口はないな。

だがしかし!その程度で諦めると思ったか!道がないなら作ればいい!

 インベントリからトレンチナイフとマチェットを取り出し、壁の通気口に近づく。

よしよし思った通りの構造だ。これならいける。

ガシャァン!!

通気口カバーの端ををマチェットで強打するとあっさり歪んだ。意外と脆いな。

そして歪んだ端っこの隙間にトレンチナイフを差し込み、てこの原理で通気口カバーをひっぺがす。

ガシャン!

あとはファンやその他諸々を取り除けば...ジャジャーン!道の完成だ。

 開いた通気口に潜り込んでみたがかなり埃っぽく狭い。でも通れないこともない。

進めば2つ、逃げれば1つ!さあ行かん!


 そして潜り込んでゆくと道が二股に分かれている。指に唾をつけて空気の流れを確認すると右に向かって流れている。つまりそっちが出口か!もし出口じゃなかったにしても何かしらの空間はありそうなものだ。

 そうして向かっていくこと数分、かなり辛い。匍匐前進で動くのもあって腕が痛い。どうせ現実の肉体は疲れてはいないのだろうが、精神的な疲れは別だ。ここでログアウトすべきか?いやしかしアイテムを持っている以上安全地帯に移動してからにしたい。

 そう考えていると道が曲がり角になっており、なんと角の先から光が見えている。

急いでそこに向かう。ようやく出口か!

その時だった。

「は!?」

 手をついた瞬間手をついたところが沈み込んだ。罠だ!

次の瞬間道全体が傾斜し、私は滑り落ちていった。

「うおおぉぉ!!!」

咄嗟に両手両足を広げて減速する。

「ふぅ、よかった。」

ゴロゴロゴロ

「うん?」

 おーっと何かとてつもなく嫌な予感がするぞぉ。そう思い恐る恐る後ろを向いた私の目に映ったのは、かなり上からすごい速度で転がってくる棘付きの鉄球だった。

「やっぱりーッ!!」

ブーン

急いで前に行こうとすると聞き覚えのある音がする。

坂の先を見てみるとそこには大きなファンが高速で回転している。

「Oh...」

前門のファン、後門の棘付き鉄球。進退極まってんな!

このままだと棘付き鉄球が到達するまであと10秒ほど。

 ファンは足を突っ込めば止まるかもしれないが、棘付き鉄球はどうしようもない。

時間稼ぎのため坂を滑り始め、セミピスを引き抜きファンに発砲する。

ドンッ!ドンッ!

 打った弾は狙い過たずファンの真ん中に直撃するがファンには目立った外傷は見られない。硬ッ!あれ防弾仕様にでもなってんのか!!

マチェットを投げ込めば止められるかもと考えたが、この狭い通路では引き抜くことも投げることもできない。

 仕方ない。覚悟を決めて当初のプラン...片足犠牲作戦で行く!

限界まで加速し、ファンに突っ込む。まだ...まだ...まだ...今だ!!

勢いよく片足を突き出す。

ギャギャギャギャ!!!

回転するファンに突っ込んだ足はメチャクチャになったがファンは停止した。後ろから鉄球が転がってくる音がする。急げ!

もう片足で必死でファンと通気口カバーを蹴り付ける。

ガコン!

よし、外れた!


 這いずって通気口から出て横に転がる。間一髪で横を鉄球が転がっていった。

ふう、危ないところだった。だが無事とは言い難い。

片足は見るも無惨なことになり、出血状態(継続的にHPが減少)になっている。

さっき回復薬を手に入れていなければ危ないところだった。

回復薬をのむとHPが急速に回復し、足が元通りになっていく。それに伴い出血状態も解除された。

よっし!これで動けるようになった。

 で、ここはどこだ?

周りを見渡すが暗くて何も見えない。通気口の上についているライトのおかげで通気口の周りは見えるが、それ以外は漆黒の闇に包まれている。

耳を澄ますと水音が聞こえる。それに風も吹いている。

風は左側に向かって吹いている。左側に行ってみよう。

 そう歩き出したものの通気口から少し離れると何も見えない。うーんどうしたものか。

転がり落ちた坂を匍匐前進で上がるのはいささか無理があるし、かといってこのままここにいても餓死するだけだ。

 そう考え込んでいると何か光るものがこっちに向かってくる。

キィキィ!

何かの鳴き声もする。注意しよう。

マチェットを抜剣し、セミピスを左手に持つ。

 そして何か光るもののが通気口の近くまで近づいてきてようやくその正体が分かった。

それはコウモリだった。しかし、体は機械で構成されており、普通のコウモリにはない尻尾が生えておりその先端には電球がぶら下がっている。これが光の正体だったのだろう。

キィ キィ!

 何かが気に障ったのかコウモリは怒ったような声をあげこちらに突っ込んでくる。速度は速めで複雑な軌道を描いて突っ込んでくる。色も黒くともすれば見逃してしまいそうだ。

しかし所詮はコウモリ。突っ込んできたところをマチェットではたき落とし踏みつける。

ギィィ!!

うおっ、びっくりした。急に鳴くな!

 そしてコウモリからはこのようなアイテムがドロップした。

ーーーーーーーーーー

・メタルオオコウモリの電球

メタルオオコウモリのオスの尻尾についているライト。電球の根元の紐を強く引くと1回だけ15分間光り続ける。

メタルオオコウモリは尻尾の電球の光でメスを誘引するのでつけているとメスが寄ってくる。

ーーーーーーーーーー


なるほど、これで探索しろということか。ちなみにこれ以外にも歯車や金属片(どっちも素材アイテム)をゲットした。

紐を引くと電球がついた。思っていたより明るい、これなら安心して探索できそうだ。

紐で腰に電球を吊るし、先に進む。

 まずは正面に進んでみる。すると少しも行かないうちに水路にぶち当たった。

見たところかなり深く、流れも早いので泳いで行くのは厳しいだろう。それに電球をいくらかざそうとも向こう側が見えないほど広い。

 まっすぐ行くことはできないので、次に風が流れていっている左側に水路に沿っていってみる。

足元は少し湿っていてお世辞にも歩きやすいとは言えない。ところどころに苔などが生えているが苔の上を誰かが通ったような形跡はない。おそらくここにはあまり人が来ないのだろう。まあ、こんな暗いとこにいたら精神を病んでしまう。健全な精神とは陽の当たるところで育つものだ!

 考えながら歩いているとなんかを踏ん付けた。

「ん、何これ?」

電球をかざしてみるとそれは円柱形をしており地面に半ば埋まっている。そして上面は盛り上がっており今も私がそこを踏みつけている。

私のような賢明なる人間ならこれの正体は一発で分かった。

息を吸ってー、吐いてー、吸ってー、はい、いっせのーで!

「地雷だぁぁぁ !!!!」

私の今日一番の絶叫がが地下水路に響き渡った。

どうしよう、いやまじで。誰がこんなもん仕掛けやがった!

 まずいことになった。幸いと言っていいのかはわからないがこれは踏むと即爆発するタイプではない。上部の感圧板に重量がかかると起動し、その後それがどけられたら爆発するタイプだ。

とどのつまり踏みつけている分には安全だが足を離した途端爆発するということだこれでは迂闊に動くことができない。

しかし解除...というか無力化する方法は2つある。

①:手持ちの刃物を用いて踏ん付けたまま解体

  考えるだけでわかるアホみたいな難易度。誰がやるかこんなもん!


②:テープや紐で感圧板に靴を固定。

  靴を押し付けるような状態で固定することで、感圧版が押されっぱなしになり無力化できる。

  一番手っ取り早いやり方だが唯一の問題はテープも紐もないということだ。

  よって却下!


一応もう一つ無事に抜けられる方法はある。

それがこちらの『地雷が不発弾か爆発までのタイムラグが長いタイプかのどちらかに賭けて足を話してすぐ横の水路に飛び込む』という案だ。

うわぁ、やりたくない。でもこれしかないなぁ。仕方がない、腹を括ろう。

水路のふちに地雷を踏ん付けている足とは逆の足を掛け、前傾姿勢をとる。さあ行くぞ!

地雷から足を離すと同時に水路のふちに掛けていた足で水路の上に身を踊らせる。

チュドォン!!!

ドボン!!

背後で起きた爆発の熱と衝撃を感じながら私は水の中に飛び込んだ。セーフ!!

背中の辺りがひりつくし、少しHPも減っているが生きているからセーフ。

 だがそうこう言ってはいられない!次の問題が浮上してきた!

次の問題とは...私がほとんど泳げないことだ。いや、正確に言えば泳げることには泳げるのだがあくまでそれは流れのないところでの話だ。この水路はかなり流れが速く、うまく泳ぐどころか体勢を立て直すのも難しい。

 さらに、爆発の衝撃で水路の真ん中あたりに吹っ飛ばされたので何かに捕まることもできない。

どうしようもないなこれは、諦めて流されるか!そのうちどこかに着くだろう。もちろん、その前に土左衛門になっていなかったらの話だが。

 そう独りごちつつ必死で上に浮上する。幸い強い流れには捕まっていなかったのでうまく浮上することができた。

そのまま上を見上げると暗い天井が電球のほのかな明かりに照らされてなかなか綺麗だ。

うんうん、よきよき。時には休息も必要だ。現在進行形で立ち泳ぎをしているけどな!


◇◇◇◇◇◇〜流されること10分〜

 ふう、ふう、そろそろ疲れてきたし体も冷えてきた。できればそろそろ出口が来てほしい。

そうじゃなきゃ私は溺死か低体温症かのどちらかを選ばさせられることになる。

 うん?光だ!

突然進行方向に光が見えた。あの光はおそらく自然光だろう。つまり...外への出口だぁ!!

ようやく待ち望んでいた出口だ。

そっちの方向に急いで泳いでいくと視界が一気にひらけた。

「眩しっ!」

水路は大きめの河に合流しており、両岸はレンガの道がある。

幸い河は比較的浅く流れも遅いので、これなら岸まで泳ぐこともできる。

さぁて、ここからどうしようか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ