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遺体処理

 さーて、勝ったはいいが遺体はどうしようか。ほっとくわけにもいかんしな。

誰かに発見されずにどこかに持っていけないものか。

「シエン、こいつらの遺体はどうしようか?」

「その心配はない、もうすぐグレゴールが到着する。」

「はぁい、到着ですぅう。」

後ろにいつの間にか人間の擬態した状態のグレゴールが立っていた。

さっきのホラゲーのクリーチャー一歩手前の見た目で見られたら大騒ぎになるからな。

あと背後に急に立たないでほしい、結構怖い。音も何もなくいつの間にか現れたしな。


「グレゴール、お願い。」

「了解ぃ、【影の浸食シャドウ・イロージョン】」

そうグレゴールが呟くと、彼の足元にかなり大きな魔方陣が展開された。

「ロゼさんはぁ、もうすぅこしぃ下がってくださぁい。巻き込むかもしれませんのぉでぇ。」

「わかった。」

 グレゴールの足元から黒い液体のようなものが広がって地面や壁を覆っていく。すると死体がその中にゆっくりと沈み始めた。

すっかり沈むと黒い液体は再びグレゴールの足元へ戻っていった。黒い液体が覆ったところは血痕も綺麗さっぱり無くなっている。

「ふう、こぉれでよぉし。」

「ありがとう助かった。ロゼ、一回工房に戻ろう、戦闘の跡は残っているから長居は危険だ。」

「わかった。」


そうして私は工房にとって返すことになった。

「おお、ロゼ、シエン!大丈夫だったか?」

「問題ない、ロゼも無事。」

「そうか、よかったよかった。」

「で、一応聞いておくけどさっきのがよく来るチンピラという認識でOK?」

「ああ、その通りだ。」

「ところでさっきの遺体ってどうしたの?」

「あれは一時的にグレゴールの影の中にしまってもらっただけ。」

「へえー、そんな魔術もあるんだ。」

「はい、いましがた僕が使った魔術は生物の死体限定で自分の影の中に引き摺り込むといったものです。もちろん後で取り出すこともできます。今出しましょうか?」

「ああ、頼む。」


 するとグレゴールの足元から先ほどと同じように魔術陣が展開されそこから出てきた黒い液体(明るいところでよく見ると影が蠢いて拡大していたので液体に見えていただけだった)から死体が浮かび上がってきた。

よし!物色タイムだ。何を持っているのか楽しみだ。

まずは兄貴君から。

最初はは身につけていた刃渡80センチ程の直剣。

鑑定結果はこちら

————————————

鉄製のハンティングソード

付与スキル:《切断力増加Lv1》

耐久値:750/739

特性:無し

説明:普通の鉄製ハンティングソード。量産品で普段使いに適している。

————————————

普通!特に目立ったところもなければ特筆すべきこともない。

だがしかし、壊したくない試作品2本組の代わりに常用する分には実に役立ちそうだ。

とりあえず普段はこれを帯剣しておくか。

兄貴君の死体から剣帯と鞘をいただいて装着してみた。

ふむふむ動くのに支障なし、抜剣は可能。問題なし!


よし、次だ次!

死体のポケットを弄っていると上着の内ポケットに何か入っている。

入っていたのは次元ポーチだった。一体何が入っているのだろうか?


結果は...・530ルナ

    ・ナイフ(刃が欠けていた) 

    ・兄貴君が使っていたポーション一本

うーん微妙!欲を言えばもうちょっと持っていて欲しかった。

まあでもポーションは素直に嬉しい。

ナイフはいらないのでシエンが後で鋳潰してくれるらしい。

他の二人も調べたけどあまり目ぼしいものは持っておらず、小銭程度しか持っていなかった。

一応ナイフは2本ゲットしたがどちらもあまりいいものではない。

これらも後で鋳潰してもらおう。

「終わりましたか?」

「ああ、ところでグレゴール。この死体は結局どうするんだ?」

「こいつらのし死体なら後で服を剥いで街の外の森に捨てておきますよ。どうせモンスターたちが片付けてくれる。

 万が一人骨が見つかったとしても不幸な事故で死んだものたちだと思われることでしょう。」

「ひゅー、おっかない。」

「よくやることなので慣れていますよ。」

え、こんなことよくやるの。もしかしたら私はかなりの危険人物たちの巣窟に来てしまったのかもしれない。

まあ、今更か!


「とりあえず一回ログアウトして食事にするわ。」

「はい、お疲れ様です。それじゃあまた明日?」

「なんでそこ疑問系?」

「いつ帰ってくるかわからないので。」

えっと今ゲーム内時刻にして18時くらいでゲーム内時間は3倍加速、そしてできる慣ればゲーム内時刻の午前8時くらいにログインしたい。

ということは...次にログインするのは約4時間40分後か。

「次はだいたい4、5時間ぐらいでログインするよ。」

「了解しました、その時間なら私たちはログアウトしているでしょうから先に工房の鍵を渡しておきますね。」

「ありがとう。」

さーて、ログアウト。


【ログアウトします】

【次回ログイン位置は現在位置がフレンドの所有する建築物内なのであなたの現在位置となります】

【Thank you for playing! 】


◇◇◇◇◇◇


ログアウトしたがまだまだ日は高い。久しぶりに別ゲーにログインするか。あそこは今どうなっているだろうか。

確か最近超大型アップデートがされてこのVRゲーム機でも遊べるようになっていたはずだが。


 水分を摂り、昼食を食べ、再びVRゲーム機を頭に被る。

えっと、目的のゲームは...あった『Endless Indoor Combat:バージョン2.0』。

いやーすごい。ちょっと前まで画面の中だけのキャラクターをリアルに動かすことができるようになるとは感慨深いものがある。

一度VRで遊べるようにはなったがかなり操作が難しく、画質が悪かったので不評だった。

 しかし、FWOの運営会社からの技術提供によって新たなVRバージョンが完成したらしいからクオリティは保証されたも同然だ。


 さて、このゲームがどのようなものかというと名前の通りだ。

Endless(終わり無き) Combat(闘争)』の通りひたすら屋内で戦い続けるゲームだ。

プレイヤーは広大な奇妙な建物内で相手と殺し合いを続ける。ただそれだけ、単純明快だ。


 建物といってもかなり変な作りをしており階段を登った先が壁だったり、隠し扉があったり、逆に扉を開けるとそこは壁だったり、ひどい時には吊り天井なんかがある。

それに建物自体もかなり広く、中庭(はっきりいって森)や体育館並みに広い部屋がいくつかあったりとメチャクチャに建造物を結合させたような構造をしている。


 そしてこの建物内にはモンスター?のようなものと武器や食料といった物資の入った箱が湧く。

プレイヤーはこの箱から武器を手に入れて戦うのだ。

ちなみに入っている武器は九割型近接武器で、ごくごく稀に銃が出る。(そのためこのゲームで遠距離攻撃と言ったら真っ先に弓矢が挙げられる)


あと、定期的に湧いてくるモンスターもどきなのだが...くっそ強い。

なんでモンスター『もどき』と言っているかというと、こいつら剣や銃といった武器が集まって動物のような形を構成している生物とは言い難い存在どもだからだな。

でもまあ、ゴーレムとかもモンスターの範疇だしこいつらもモンスターと言えばモンスターか。

強い理由としてはこいつら超重武装かつ高いHPを誇り、尚且つ個体にもよるが大抵の個体はプレイヤーよりも足が速い。

プレイヤーが剣と弓矢で戦っているところに機関銃を乱射しながら割り込んでくるような奴らだ。

だがこいつらをもし倒した時の利益は計り知れない。

なぜなら倒した場合はそいつらの体を構成している武装がそっくりそのままドロップするのだ!


ただし弾薬はモンスターが使っていた時は無限に供給されるが(リロード時間は存在する)プレイヤーが使う場合は自分で調達しなくてはならない。

弾薬は箱から出る時もあるがまあまあ低確率だし、自作することもできるがそれはそれで少し手間がかかる。

 あ、言い忘れていたが箱から出るものは銃を除いて全て自作することができる。

ただしこれはそのアイテムを保持した上でそのアイテムをレシピ化する必要がある。

レシピ化自体はすぐにできるものの、そのアイテムを手に入れなければならないし、何よりレシピ化したアイテムは帰ってこないので貴重なアイテムだとレシピ化する方がもったいなかったりする。


 とまあ、このように難易度はかなり高いゲームだが、上手く行った時の爽快感は他では得られない別格ものだ!

特にモンスターを倒して喜び勇んでいるプレイヤーを横から奇襲して重要物資を奪い取った時のプレイヤーの顔は一生の思い出だ。


 ところでこのゲームで最も警戒すべきなのはなんだろうか?

くっそ強いモンスター?あちこちにあるとトラップ?いやいやそんなものはそれに比べたらぬるいぬるい。

正解は『他のプレイヤー』だ。

なぜならば彼らはモンスターの戦闘音が聞こえるや否や、まるで餌に群がる池の鯉のように我先にと集まってくる。

なんでそんなことをするかって?え、そのプレイヤーを助けるため?はは、ご冗談を。

そりゃあもちろん戦っているプレイヤーを殺し、あわよくばそのプレイヤーが得た戦利品を横から掻っ攫うために決まっているだろう。


 そのために彼らは壊れかけの銃やそこら辺の箱から取れる武器を片手に突っ込んでくる。

これの元も厄介な点は襲われる側にとっては倒しても全く旨味がなく、どんどん突っ込んでくるプレイヤーの奇襲を捌くため貴重なアイテムや回復を必要以上に消費させられたりすることだ。

あと相手の方は人数が多く、結託してくることもあるので待ち受ける方がどんな高威力な武器を持っていても数の物量でぶち殺しにくる。

その結果、何人もが手に武器を持って前のやつを盾にしながら弾幕に突っ込んでゆく光景が見られるわけだ。


 また、襲撃側にとってはすぐ調達できる程度の武器で突っ込んでいるので、やられても全く痛くない。それどころか、調達しやすい点を利用して『突っ込む→死ぬ→リスポーン→付近の箱を漁る→再度突撃』の最悪のゾンビアタックを繰り返してくる。

 中には帰り道の物陰やドアの影にショットガンを持って待ち構えるものたちもいるが、かなりこれが厄介であいつら相手の帰り道のルートをきっちり予想して待ち伏せてくるので回避は非常に困難である。(後で急に至近距離で爆音(ショットガンの銃声)を喰らわしてくるので心臓に悪い)

 さらには当然の権利の如くずっと高所に居座って、そこから延々銃撃をしてくる奴らもいる(ちなみにこいつらが一番マシな方。理由はこんなことやっている奴らは大抵下手な奴が多いから。上手い奴がやっていたらそこら辺一体が地獄に早変わりするけど。)

 と、このようなことが発生するからこのゲームにおいては自分以外のプレイヤーほど信頼できないものもない。

でもまあ、場合(他者を妨害する際)によっては彼らほど信頼できる存在(肉壁)もそうそういないだろう。


 そう言えば今回のアップデート内容は....ふむ、かなり変わったな。

アップデートで変更された点としてはまず大幅な武器の追加。銃、近接武器ともに種類が2倍以上に増えた。

次に銃のレシピ化の一部解禁。強力な銃は今まで通り無理だがこれだけでもとてもありがたい。

 それとモンスターの種類増加。今までの調整を4段階くらい間違えたようなあの殺人マシーンどもに加えて、弱いモンスターが多く発生するらしい。こいつらは倒されると剣などの素材や弾薬、銃の部品。運が良ければこいつらからしか手に入れられないレシピも存在するとか。

 最後に新たなトラップとステージの追加。従来の罠に加え、踏むとそいつをどこかに転移させるタイルや転がってくる棘付き鉄球、天井からスプリンクラーで撒き散らされる酸などが新たに加わった。ステージは水浸しになった部屋や真っ暗な部屋といった様々な種類の部屋が追加された。


あの血も涙もない運営が珍しく少し初心者に対して優しくなった気がする、けれどトラップも追加しているしどっこいどっこいだな。


よし、アプデ内容も見終わったことだし早速ログインだ!

そう思いゲームを起動させる。

さて、大好きなゲームの新バージョン、一体どんな感じだろうか!

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