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座敷わらし  作者: たきざわかすみ
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転勤先5年間の不思議な話

座敷わらし

「咳」第4話


輝には転勤は早くて2年で神奈川に戻れると説得して

転校して、早4年。

小6の夏が過ぎた頃

来春、小学校の卒業を待って神奈川に戻れることになった。

輝はすっかり東北弁が板につき、

たくさんの友達ができ、

その知らせに微妙な反応。

私自身も名残惜しくなっていた。


私は、体調を崩し風邪をひいた。

そして、家の中の階段の壁にカビ?シミ?まるで大人の手と子供の手のように見える。

夫がカビ取りをしたが、それはすぐ現れた。

結露がひどかったので、そのせいと思ってた。

引っ越すし、もういいやと放っておいた。

咳が残り、いつまでも止まらなかった。

1分もたず咳が出た。

もう12月になっていた。

ここに来て5年の歳月が流れた。

私達家族は畳の部屋で川の字で寝ていた。

ある夜、咳き込む私に夫が「うるさいな!」と怒鳴った。

え?背中をさすってくれた優しい夫が!?

ショックだった。

咳をしながら、布団をあの奥の部屋に移動。

その日から、私はそこで寝ることにした。

寒いあの部屋で、

咳は日増しに酷くなり、衰弱して行った。

発熱もあった。

ある朝、このまま死んじゃうのかな?と

入院しなきゃ、と

肺炎の自己診断をした。

近所の友達の出勤の車に乗せてもらい病院まで送ってもらった。

友達に輝のことも頼んだ。

救急の医師が診察、即入院が決まった。

肺炎疑いだった。

が、採血・レントゲンに異常なし。

点滴の抗生剤投与で翌日には解熱した。

1週間入院したが、咳は止まらなかった。

もうすぐクリスマスの週、その病院には耳鼻咽喉科の医師が週に一度しか来ず

「退院して、耳鼻咽喉科へ行ってください。」と言われ退院した。

退院の足で耳鼻咽喉科へ。

紹介状に目を遠した医師は

「はい、アーンして。はい、異常なし。それでも心配なら心療内科紹介するけど。」

え?誠に信じがたいが

仕方ない。

紹介状に「心因性の咳」とでも書いてあるのだろう。

そのまま帰宅。

咳をしながらクリスマス~正月~卒業式~引っ越し

半年に及ぶ咳も、中学校入学式には止まっていた。


あのアパートに引っ越した当時、1Fには山根さん一家が住んでいて

奥さんは専業主婦、輝より下の兄妹の幼児がいて

輝とすぐ仲良くなり

週に一度、互いの家を行き来する仲だった。

その2年後、山根さんの転勤でお別れすることに。

今も交流がある。


その後に、引っ越してきたのは新婚の川名さん夫婦。

共働きの川名さんとは、

旅行に行けばお土産を交換する程度の付き合いだった。

奥さんが妊娠すると、出産で2ヶ月ほど里帰りで

ほとんど交流がなかった。

我が家の神奈川への引っ越しの時は、赤ちゃんを連れて戻っていた。

引っ越しの挨拶に伺った時に初めて

奥さんが県立の精神科病院の薬剤師だと知った。

私も精神科ナースだったと言うと、凄く驚いて

精神科だからかな?

「もっとお話ししたかったです。」と言われ

メルアド交換して別れた。


神奈川と東北、この川名さんとのメールのやりとりで衝撃的な事実を知ることになる。


つづく

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