初恋は実らない
短いかもしれないですが、頑張ります。
俺は4回も恋をした。
幼馴染、元気の良い先輩、暗いけど絵の才能のある後輩、大学生の姉の友人…彼女たちは皆、容姿端麗で学校の男子達からも人気が高かった。
周りの男子からは人気のある女子達から普通に話せている羨ましい奴と言われているが、実際性格も彼女達は良いので、惹かれない訳がない。いや、寧ろ最初はかなり両想いだと考え込んでいた。今回は幼馴染の事を話そうと思う。
幼馴染のケイは何でもできて頼れる女子だった。同性からも信頼が厚く、変な男が寄ってくるとケイの周りのガードを固める事までしていた。それぐらい性格の良い奴だった。俺はその中でも普通に話している。十六年間一緒にいて、彼女の好きな物や話題など様々な事を把握しているほどだ。それはケイも同じだった。
しかし、十数年経っても想いを伝えられる事は無かった。それは彼女自身が今恋愛についてあまり興味を示しておらず、全て断ると言う話を聞いた。それで告白するタイミングを失ってしまったのである。
そんな情けない俺に追い討ちが掛かる。彼女自身に好きな先輩ができて、一目惚れしたとの話をされたのである。これには心が折れた。
「ふ、ふーん…ケイの好きな人ってどんな人だ?なんなら俺が相談のるぞ?」
告白するならこのタイミングだったと思う。自分の情けなさに心底ガッカリしながら、同時に失恋も経験して、1ヶ月程ナーバスになっていた気がする。
その失意の1ヶ月の中でも、ケイは俺を頼ってくる。かなり辛かったが、彼女があんなに必死で好きな奴を追いかけているのを見ていると、応援しない訳にも行かなくなった。
「ねぇ…鈍感な先輩にどうやって気持ちを伝えれば良いと思う?」
「ケイはいい奴だし、先輩も悪い風に捉えないだろう。あの人もいい人そうだし、普通に付き合ってくれると思うぞ?」
「…ヨウに言われたら結構自信付いてきたかも。頑張ってみる!」
その二週間後、ケイと先輩が付き合い始めたと言う話を聞いて、自分の初恋に別れを告げた。彼女が幸せになってくれれば良いと思う反面、暫く心に穴が空いていた。その日、一緒に登下校した通学路がいつもより広く感じた。
彼女とはその日から二年間、話す事は無かった。
話の構成は、
四人の恋愛話→主人公のヨウが報われる→女子達が主人公から離れた後の話
の予定でいます。