決意
毎日更新できるように頑張ります。
夢を見た。
どうしようもない夢だ。
救えない命を救おうとする男の夢。
ひとりの男がいた。
その男は新しく生まれた魂を持つ女に恋をした。
やがて二人は愛し合い、共に過ごすようになった。
ある日、二人の前に死神は現れた。
増えすぎた魂を狩るために存在する彼らは神出鬼没だ。
時には幸せに満ちた魂を狩り、時には悲しみに暮れる魂や死にたがる魂を狩り、時には……生まれたばかりの魂を狩ることもある。
「……俺たちの子供を、返せ」
男の声は怒りに満ちていた。愛する我が子の魂を狩られたのだ。平静を保てるはずがない。
死神に逆らった男は敗れ、全てを奪われた。地位も名誉も財産も、子供を奪われた悲しみさえも。
「ふわあ、よく寝たなあ」
トカゲを食べた後、昼寝をした。周りを見渡すが、寝る前との変化は感じない。
この地獄界は昼と夜の区別がつかない。そのため、時間という概念は意味をなさないが、唯一、腹時計だけは頼りになるだろう。
さて、どうしたものか。
次の世界に行こうにも条件が分からない。
「条件が分からない」これが世界を渡る者がいない大きな理由の一つだ。
輪廻教会はどうやって俺をここに落としたんだろうな。
あのトカゲを倒してから生物の類には遭遇していない。
まあ、存在するだけであらゆる苦痛と絶望が襲ってくるのが地獄界だ。普通のやつならすぐに魂が壊れて消滅する。俺は輪廻教会に悲しみや絶望を奪われたから、身体的な痛みが襲ってくるだけだが。
教会の連中も間抜けだ。歯向かってこないように俺の悲しみと絶望を奪ったのだろうが、残念ながら記憶は己の魂に刻まれている。虚無の状態であっても、忘れはしない。
絶対に取り返して見せる。
そして、輪廻教会は必ず倒してやる。
文字数も増やしていきたい……