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おもいでせいり

作者: 紅坂 朗

数割経験したことベースに切った貼った盛ったした話なのでジャンルとしては「ニセ私小説」になると思います。

小説を書く練習で書いたので面白さには自信ありませんのでご容赦ください。

私は高校生になったばかりの娘を車に乗せ実家へ向かっていた。

「ママの実家にある昔の漫画とかCD本当にもらっていいの?」

「マジ古いやつだけどね、私が高校の時ぐらいのばっかだから」

私同様プチオタクだけどリア充な我が娘が聞いてきた。

高校卒業後デキ婚して以来たまにしか実家帰らなかった私も親の引っ越しの都合で昔の荷物引き取りに行く必要が出てきた。

テレビやビデオデッキなどの家電関係は親や弟妹が私に無断でぶんどっているのでそれほどでかいものはない、はず。

ただ本やCDなどは結構な重量なのでもういらないものは処分しよう。


実家についた。玄関付近の駐車スペースに車をつける。

私は娘と共に母に挨拶をして部屋に向かう。

父も家にいるのだが出てこない。まあいつものことなのだが。

娘を連れて数年ぶりに自分の部屋に入る。

「なんじゃこりゃあぁぁ!」

私の部屋は物置となっていた。早よ言えよ!聞いてないよ!

「ママの部屋ゴミ置き場みたい」

半笑いで娘が言う。実家での私の扱いが雑だということは娘も知っていることなのだがその容赦のなさがツボにハマったらしい。笑うなや。

私に関係のない粗大ゴミのことなど知ったことか、家電の処分には金がかかるのだ。

私がわざわざ引き取ってその処分料払うなんてまっぴらゴメンだ阿呆。

とりあえず粗大ゴミは無視して窓際の棚のCDを整理しよ・・・

ちょっと待てやぁ!剥き出しのCDが散らばりケースの数が減っているじゃん!

母にどういうことが問い詰めると

「お父さんがDVD入れるケース欲しいから貰ったって」

いやふざけんなよマジで娘の私物何だと思ってるんだクソ親父め!

「ビデオテープも貰ったって言ってたで」

は?私が学生時代に撮り溜めてたやつとかダビングしてもらったアニメとかほぼないじゃん!

やっていいことと悪いことの違いがわからんのかこの親は!

あークルーミーリリのCDはケースにシールついてるせいか無事だったわ・・・

『愛さりげなく』が好きでカラオケでZAADとかと一緒に歌ってたなぁ・・・

ふふっ、ZAADのアルバムは全滅だぁ・・・

でもシングル集についてた井坂和泉さんの写真集は無事だわ良かった。

げっ!絶LOVE1989のCD視聴用だけじゃなくて保存用の未開封2枚とも開けられてるじゃん!未開封でも容赦なしか!

「ママ私何したらいいん?」

「ごめんこのCDとか適当にダンボールに入れといて」

CDとビデオテープを娘におまかせして私は本の整理に向かう。

本は結構な種類買ったものの個人的に当たりハズレがあるので必要なものだけ持って帰ることにした。残りは断腸の思いで処分だ。

ブシトルーパーとガムダンWのムック本は絶対持って帰りたい。

バラサイユのベル愛蔵版は読む用と保存用2組、古本屋で衝動買いした2組の合計5組あるはずなので娘や友人に布教しよう。

岡口あみーん先生のコミックも忘れずに持って帰りたい。

『ダディは心配性』は初版じゃないけど『あいつら1000%伝説』以降は初版で保存用も買ってあるのだ。

何故か結婚してからあみーん先生のコミックに出会う機会が全く無かったので久しぶりに読みたくてたまらない。

本棚を見るとなんかむっちゃ減ってる、というか本棚4本のうち2本ないんですけど・・・

例のごとく母に聞く。

「物置く邪魔になるから同じのいっぱい置いてるやつとか捨てたで」

はい?同じの?・・・いやちょっと待て・・・

急いでお目当ての本を探す。

ない!ムック本もバラサイユもあみーん先生のコミックもない!

絶対欲しい本が全てない!

マジか・・・何やねんこの親共・・・

本の整理もままならない私のもとに娘が手伝いに来た。

「本も箱詰めたらいいん?」

「うん・・・欲しいのあったら遠慮なく持っていって、それ以外は捨てるわ・・・」

「じゃあ遠慮なく」

脱力している私を気にすることもなく娘は本を整理していく。

「あ、この漫画のCDあったわ」

「『ブルースカイのメロディ』に『星の瞳の幻影』か・・・懐かし」

『イケメンな彼女』も見つけたので勧めておいた。これも確かCD残ってたはず。

二人でダラダラ本を整理してると娘が平べったい大きめの箱を見つけた。

「これ学生服の箱だけどなんか違うの入ってそう」

私はあれ何入ってたっけ?と思いながら娘が箱を開けるのを眺めていた。

箱から出てきたのはノートやルーズリーフコピー用紙に描かれた学生時代の絵や漫画だった。

「いやちょっとまってマジ待って!」

私は箱の中に入ってるものに気付いて娘を止めるがもう遅い。

一番ヤバイものを早速見られてしまった。

いわゆる『801』系のガチの絵である。

友人が総受け総受けといって気に入っていたキャラでマジな複数総受け絵描いたら「君が!泣いても!怒るのをやめない!」ぐらいマジギレされるまで描き溜めた今で言うBL絵である。

それ以来トラウマになったのか男キャラ描くのがめっちゃ苦手になったんだよなぁ・・・

絶LOVEの南尾サキ先生の男キャラっぽいのはなんとか描けたけど。

「うわきっつ・・・」

絵が下手と言いたいのかシチュが刺激の強すぎるものが原因なのか娘はそうつぶやいた。

なんでこんな絵描いたんや当時の私のアホ!

「いや昔の腐女子はストロングスタイルやからこれがスタンダードやったんやで」

ちょっと声上ずりながらわけのわからない言い訳する私を娘は「はいはい」とあしらったチクショウ。

あ、そうだ高校の時描いてた少女漫画もあるはず。私も箱の中を探してみる。

ロボット系の絵もいっぱい出てくるなぁ。

弟の相手でロボアニメ見てたのもあるけど女子ってロボットとか全然描かないからロボイケる女子ってモテるんじゃないかと思ってロボ絵も描いてたんだよなぁ、モテなかったけどさ!

私が昔描いたロボ絵に気を取られてるうちに娘は私の描いた少女漫画を読み

「うわ・・・甘ったる・・・」

と呟きながら漫画と私を交互に見る。

「いやいやいや私もJKの頃は青春してたんじゃ!」

言い返したあと私も当時の漫画を読んでみるといやなにこれ甘ったるい!

当時好きな男子いたこともあって色ボケしていたといってもこれはヤバイぐらい甘ったるい!

うんこれ甘酸っぱい思いでというか蜂蜜の甘さを梅干しで中和できませんでしたー!みたいな甘さだ!

よし一通り読んだあと黒歴史化決定。

絵が見えないように市指定のゴミ袋にぶち込んでやった。さらば恥ずかしき青春の日々よ。


あらかた片付いたあと私は母に粗大ゴミは自分たちで処分してくれと伝えておいた。丸投げバンザイ。

娘は私の父、つまり祖父に挨拶に行っている。

私は幼少の頃からの恨みで父には声をかけない。

娘もそれを知っているので代わりに挨拶に行ってくれているのだすまん娘よ。

実家を出、帰りにファミレスで夕食をとることにした。

手伝ってくれた娘には臨時小遣いも上げたものの夕食も何かごちそうしてあげねば。


実家の片付けの愚痴などを言い合いながら食事をしている中娘が私に聞いてきた。

「ママの高校時代の絵ってみんな貧乳だけど何で?」

娘も絵を描くし胸を描くことに抵抗ないせいかそれを不思議に思っていたようだ。

「そりゃ当時はおっぱい描くの恥ずかしかったからに決まってるじゃん、胸の谷間どころか膨らんでるのとかもきつかったし」

そうなのである。今でこそ巨乳絵ばっかり描いてる私もJK時代は胸を描くことをいやらしい汚らわしいと思っていたのだ。

「え・・・BL絵あんなに描いてたのに?」

「うん、そだよー」

矛盾しすぎだろ当時の私!

ただJK時代友人につけられた『汚い清純派』という二つ名の意味を今更ながら気付いてしまった・・・

「あんたも高校生になったばっかりだから同じようなことするかもよー」

「いやそれはない」

その後も雑談しながら私達は家に帰った。


その後の悲しい話〜。

二日後私はお目当てだったアネメイトで買った南尾サキ先生の同人誌をまとめたコミック全5巻を持って帰るのを忘れて実家の母に連絡入れたものの時すでに遅しで捨てられていたとさチャンチャン。

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